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「じゃあ、また来ます。あんこさん、ありがとうございました」



秘書の前田さん。



時間がある時に通ってくれて「あんこさん」って呼ぶくらい仲良くなってる。



本当にあんこさんのパンが大好きみたいだ。



「ありがとね~また来てちょうだい」



私達は、店を出る前田さんの後ろ姿を見送った。



「前田さんのご実家のロイヤルミルクティー、大人気ですね」



「本当に美味しいし、うちのパンと合うのよね~」



最近、あんこさんは茶葉を仕入れ『前田さんちのロイヤルミルクティー』としてカフェで出している。



茶葉の販売もしてて、どちらもリピーターが続出で売り上げはかなり好調だ。



「私も大好きです。あんこさんのパンと前田さんちのロイヤルミルクティー」



「ありがとね。そう言えば前田君、彼女ができたらしいよ」



「本当ですか!? すごい! 全然知らなかったです」



「雫ちゃんになら言ってもいいかな。あのパンのイベントの時に告白されたんだって。京都の幼なじみの子らしいけど、イベントで頑張ってる姿を見て『ずっと前から好きだった』って、言ってくれたんだって」



「うわぁ、素敵な告白ですね。京都からわざわざイベントに来てくれたんですね。前田さん、紹介してくれたら良かったのに」



「照れちゃってるんだよ。真面目な子だからさ。彼女ができたなんて恥ずかしくて言えなかったんじゃない? 榊社長さんが後押ししてくれたらしいよ」



祐誠さんが……



「前田君が仕事に支障が出ないかと相談したら、何も心配しなくていいから好きなら付き合いなさいって。本当に好きな人とは一緒にいるべきだって、そう言ってくれたんだって。きっと、自分が雫ちゃんと一緒にいたいと思ってるから、その想いが言葉になったんだよ」



あんこさんには、旅行から帰った後、祐誠さんからプロポーズされたことをちゃんと話していた。



感動すると言って涙を流して喜んでくれて、一緒に2人で泣きながら笑った。



「嬉しいです。でも、前田さんは遠距離恋愛をしてるんですね……」



「ちょうどいい距離だって言ってたよ。仕事もあるから、たまに会えるのが新鮮でいいって。毎日電話してるみたいだし。本当に若いっていいわね~雫ちゃんと榊社長、前田君と幼なじみの彼女。話を聞くだけでキュンとするわ~」



あんこさんはそう言って、笑いながら仕事に戻っていった。



夕方になって、休憩中に果穂ちゃんが声をかけてきた。



「どうしたの?」



最近はあまり会話もしてなくて、ちょっと寂しい。



「雫さん。私、慧さんにちゃんと想いを伝えました」



突然、真剣な顔で言った。



「そ、そうなんだ……」



「雫さんのことが好きだからって……そう言われました。だけど、私は慧さんのこと絶対に諦めません」



果穂ちゃん……



「雫さんとあの社長さんが付き合うのは勝手です。好きにして下さい。でも、もう、慧さんの心を惑わせるようなことはしないで」

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

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