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特別編❸
〜星の降る夜にに〜
メアリと康英はどんどん人気のない場所へと足を踏み入れていく
丸太階段を上り切ると喧騒から離れた道へと出る
屋台の明かりと警備に取り押さえられている十二単衣を着た男が見えるが康英の視界には入っていない
メアリの手を握りながらひたすら前を進み続ける
「…ねぇ 新戸 どこ行くの…!」
メアリの声に我に返ったのか康英はピタッと止まる
「あ…ごめんね メアリちゃん ビックリしちゃった…?でも変なところに連れていきたかった訳じゃないんだ」
と小さく微笑む
メアリが小首を傾けると康英は空を指さして
「星が綺麗でしょう?俺の浴衣も星が瞬いているようなデザインなんだよ 実は」
と自身の浴衣の裾を持ち上げメアリに見せる
メアリは
「…新戸 そういうの好きなんだ」
と呟いた 康英は目を見開き…その後ケラケラと笑う
「あはははっ!元々こういうデザインが好きな訳じゃないよ〜 夏祭りなんて殆ど行かないし」
と手すりに手をかける メアリは小さく口を開け康英の横顔を見つめる
メアリは自身の身体が火照っていくのを感じる
(あ…これは…)
「でも…今夜は凄く楽しみだったんだよ 俺
規模は小さいけどその分花火がすごく綺麗なんだ」
康英の声が夜空に静かに溶けていく
メアリの手の甲に雫が落ちる 康英はえっ と心底驚いたような顔でメアリの顔を覗き込む
「ど、どうしたの!?俺何か言っちゃった…?」
メアリは気付けば涙が止まらなくなっていた
メアリですら理由が分からないのだから康英には分かるはずない
(でも…それでもいい…)
「花火…楽しみだね 新戸」
メアリは涙をぐいっと拭い康英に笑顔を向ける
康英は人差し指でそっと涙を拭い小さく微笑む
「そうだね メアリちゃん」
花火が上がり夜空で弾けた
「わ〜 綺麗〜!」
メアリの瞳の中で花火が散る
暫く見とれていると隣から小さな声が
「…ねぇ」
メアリが横を向くと康英は静かに手すりを握り人差し指が白くなっていた
「…なに…?新戸….」
「この前は…運営上の関係で君を抱きしめたけど…今はそんな企画はない 俺たちだけのイベントじゃん…?」
メアリの鼓動が少しだけ早まり小さくも勢いをつけて頷く
康英は
「…やり直そうよ もう一度 今度はちゃんと身長なんて気にしないで…そのままで」
とメアリの方を真剣に見つめる
気付けばメアリの下駄の踵は宙を浮き温かな腕の中に飛び込んでいた
「新戸から言い出すとは思わなかった…」
「…うん 俺も…今死ぬほど恥ずかしい…」
と照れ臭そうに笑う そしてメアリを抱きしめる腕に力を込めハッキリと伝えた
「好きだよ」
コメント
1件
わあああ〜もうこの特別編、エモすぎる…!!😭💕 「やり直そうよ」って康英から言い出すの、めちゃくちゃ胸熱…!前のハグの時は企画って理由があったけど、今回は二人だけの気持ちで抱きしめ合うってのが尊すぎてやばいです…🫠💘 最後の「好きだよ」、短い言葉なのに重みがすごい…!花火の下で涙拭ってくれる康英、最高の彼氏じゃないですか…!!次の更新も楽しみにしてます〜っ⋆♡