皆さんこんばんは
風邪でぶっ倒れてるクロッチです。
今日は連載を載せる予定でしたが、無理そうなのでこっちのコピペだけ載せようと思います。
ごめんね!
それじゃ昨日に引き続き、夏五オメガバースどうぞ!
⚠️注意事項⚠️
・前回の続き
・誤字脱字あり
・呪力術式記憶無し
・オメガバース➕現代パロ
1週間ヒートに襲われた俺は悔しい気持ちを持ったまま硝子の実家の病院で再検査を受けオメガであることを再認識し、きちんと俺の身体にあった抑制剤とオメガであることについての様々な説明を受けた。だが分からないことがあった。なぜ親父は俺がオメガであることを俺に隠し、アルファとして育てたのか。そしてなぜ今まで俺にヒートが来なかったのか。硝子の親父の話によれば初めてのヒートが来るのは人によって個体差があるみたいだが、この歳になるまで来なかったのは俺が初めてらしい。
「前例がないから今後また変わったことがあったらいつでも教えてね。」
「はい、失礼します。」
俺がそう言って診察室を出ると、待っていたかのように硝子がこちらを見ていた。
「自分の体についてようやく理解できたようだな。私は最初から言っていたぞ、これで納得か。」
「認めたくねーよ今でも。でも実際にヒートになったわけだし、仕方ねぇから認めてやるよ」
「ま、オメガを毛嫌いしてたおまえからしてみたら、気持ち悪いからそういう態度にもなるわな。で?聞くのか親父さんに、どうしてオメガだったことを隠してたのかって事」
「まだ聞くつもりねぇよ…あんな親父でも、何か気を使って隠してたんだろ。俺だって実際ヒートがこなかったから気づかなかったわけだし。俺が気づいてるってバレてから聞くつもりだ。」
「その事について少し私なりに調べたんだか、五条もしかして知らないうちに誰かにラットを受けたんじゃないか?」
「ラット?」
「あぁ、ラットっていうのはまぁ動物で例えるとマーキングと同じだ。自分のフェロモンを強く相手に浴びせることによって、浴びせられた相手は自分以外のフェロモンを感じとれなくなるらしい。」
「ほーん、それでなんで俺はそのラットを受けたと思ってるわけ?」
「覚えてるか?あの男。」
「あ?……あぁあの日俺らに声をかけてきた奴か。そいつがどうした?」
「お前が突然ヒートを起こしたのはあの男が声をかけてきてからだ。偶然にしたら出来すぎてる。」
「どういうことだ。」
「お前が覚えてないだけで、どっかであったことあるんじゃないか?ほら、お前が休んでる間色々調べておいた。名前は夏油傑。ヤのつく自由業の若頭らしいが、大学のヤツらからはしたわれている。まぁどっちが本性かは知らないが、あの時は本当に偶然声をかけただけらしいな。1度接触を試みた時は嘘っぽい気配はかんじなかった。」
俺は硝子から貰った写真とまとめられた資料をみるが、全く身に覚えがなく。あった記憶すらなかった。
「いや、記憶にねーな。やっぱ俺がヒート来るのが遅かっただけなんじゃーの、偶然だよ偶然。お前の気にしすぎだ。それじゃ俺多分もう大学の方に迎えが来てると思うから戻るはまたあしたな。」
「わかった。次のヒートが3ヶ月後だからって油断するなよ、お前はまだ不安定なんだからな。」
「はいはい」
そう言って1度大学に戻り迎えの車に乗った。
「悟様、長らくの研修…お疲れ様でした。本日のお稽古は全てキャンセル済みです」
「は?なんでだよ…今日は確か剣道と茶道の日だと記憶しているが?」
「お父上の方からお話があるとのことです。」
「親父が?………わかった。」
親父から呼び出されることには慣れてるが、大抵は学校の成績のこととか、習い事のこと、体調のこととかそんなところだ。
今日はおそらく急に入った俺の予定にない研修のことでも聞くんだろうな。予め硝子が手を打ってあるから。貰った偽造の資料を見せれば納得するだろう。
(俺も軽く目を通しておくか。)
硝子から貰った資料に目を通してみると、あの硝子にしては綺麗に詳しくまとめられていた。
偽造にしてはやり過ぎなくらいにだ。
まぁ…ここまで詳しければ上手くごまかせるだろう。
車が家に着くと、俺は手元に資料をもって親父の元へ向かった。
「親父、入るぞ」
「あぁ…遅かったな。」
「ちょっとサークルの奴らと喋ってて遅くなったんだよ。」
「そうか…それで、その研修とやらはどうだった。お前のためになるものだったんだろうな。」
「ためになったよ…ちゃんと資料もまとめた。見て見ればわかる」
「ふむ、確かにお前にしては珍しく綺麗にまとめられてるな。よし、もう下がっていいぞ…」
「わかった……じゃぁまた。」
「あぁ、ちょっと待て」
俺は言われた通り部屋を出ようとしたが、親父に止められて振り返る。
「なんだよ…」
「最近体調はどうだ、具合悪くなったりはしてないか。」
聞かれた時はドキッとして焦ったが、冷静にいつものように答えた。
「特に変わりはねーよ。オメガの匂いもまだわかんねーし。このまま寂しく独り身だと思うと、辛いですね。」
「見合いの相手を決めるのはまだ先だからもう少し待っていろ」
「はいはい」
「呼び止めて悪かったな。今度こそ戻っていいぞ」
「おぅ…」
親父の部屋をさったあと、真っ先に自分の部屋に戻りどっと疲れたその体を布団に倒した。
「ぁあああああ!なんだよあのいい方。本当めんどくせぇっての。はぁ…」
1週間ぶりとは言え、戻ってきた家は懐かしく感じても、居心地はやっぱりわるかった。
まだ硝子の家にいる方が数倍気が楽だと感じる。
ここはまるで監獄のように俺を閉じこめ、人形のように俺の自由を周りの奴らが勝手に決める。
俺は微かに香る携帯につけたマスコットにいまだに残っている傑とか言うやつの匂い(フェロモン)を吸って気持ちを落ち着けると、することも無いので硝子に貰った夏油傑という人物の資料を再び読み返すことにした。
仮にもし本当に俺がこいつからラットを受けているのだとしたら、いつどこでくらったのかを思い出さないと色々と面倒になるからって言うのもあるのと、俺が無意識に持ち歩いていたこのマスコットに同じ匂いが着いていると言うことから、どっかであってそいつから貰っていると言うことがわかるからだ。
でもやはり、どれだけ思い出そう何度も資料を読み返し考察しても、答えは見つからず。記憶の1部をごっそり封印されてるような感じに思えてきた。
このままでは気になって夜しか眠れないので、実際会って話を聞くことにした。