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ユナ @お嬢様化
44
るーぱ
249
まーや
354
警視庁公安部だ! 任意の家宅捜索令状が出ている。道をあけろ!」
製薬会社本社の正面ロビー。
トレンチコートの野崎守が、警察手帳を突きつけて警備員を威圧していた。背後にはドラムと、特殊部隊(SAT)さながらの重装備に身を包んだ公安の捜査官たちがズラリと並ぶ。
これは表向きの「揺さぶり」だ。公安が正面から大騒ぎすることで、地下ラボの人間たちに「証拠隠滅」や「逃走」の動きを強制させ、そこに隙を作らせる。
「……よし、公安が予定通り派手に暴れてるな。行くぞ、黒須」
「了解です、先輩」
本社の非常階段、その暗闇から音もなく滑り出したのは、漆黒の戦闘服に身を包んだ乃木憂助と黒須駿だった。
別班の目的は、地下ラボのメインサーバーにある「タンポポの全データ」の奪取、そして研究員の確保。
2人は連携して、配置されたタンポポの武装警備員たちを、サプレッサー付きの銃と格闘術で瞬く間に無力化していく。
脳内の『F』が低く笑う。
(おい憂助、この地下から漂ってくる匂い……バルカの砂漠の死体より何倍もキツいぜ。あのガキ、本当に大丈夫だろうな?)
(太陽くんを信じよう。彼の能力なら、最高の囮になってくれるはずだ。その頃、地下ラボへと続く唯一の搬入用巨大エレベーター。
「侵入者だ! 撃てッ!!」
待ち構えていた数十人のタンポポ兵(疑似ソメイニン兵)たちが、一斉にアサルトライフルを乱射した。激しい銃撃が通路を埋め尽くす。
しかし、その弾雨の中を、異次元の速度でジグザグに駆け抜ける影があった。
朝野太陽だ。
「お前たちの戦い方は、元の世界で嫌というほど見てるんだ!」
太陽は、凶一郎や夜桜の面々に叩き込まれたスパイ技術をフルに解放していた。銃弾の軌道を完全に見切り、壁や天井を跳ねるようにして距離を詰める。
「夜桜式乱打――『百花(ひゃっか)』!」
太陽の両拳が残像を結び、超高速の連撃がタンポポ兵たちの胸に叩き込まれた。ドゴゴゴゴッ!!と激しい音が響き、兵士たちが次々と壁にめり込んでいく。植物化の再生能力が追いつかないほどの圧倒的な打撃力。太陽一人で、地下の防衛線を完全に崩壊させてみせた。
太陽が正面を壊滅させ、乃木と黒須が裏口からコントロールルームを制圧。作戦は完璧に進むかに思われた。
3人が地下ラボの中央、巨大な培養カプセルが並ぶ実験場で合流した、その時。
パン、パン、パン、と静かな拍手の音が響いた。
「素晴らしい。さすがは日本の『別班』、そして……まさかこの世界で『夜桜』の血統にお目にかかれるとはね」
カプセルの影から現れたのは、白衣を着た冷徹な目つきの男。その胸には、純金のタンポポバッジが光っていた。日本支部の責任者であり、本物の「タンポポ幹部」だ。
男が不気味に微笑み、自身の腕に怪しげな緑色の注射器を突き刺した。
「我が組織の偉大なる遺産を、日本の養分にさせてもらうよ」
「――しまっ、みんな下がれ!!」
太陽が叫ぶ。
次の瞬間、幹部の肉体が歪に膨れ上がり、背中から巨大な「人食い花」のような触手が何本も狂い咲いた。その触手の先からは、吸い込めば即座に肺を植物化させる、緑色の「殺人花粉」が部屋中に勢いよく噴出し始めたのだ。
「ゲホッ……何だ、この煙は……!?」黒須が顔をしかめる。
別班のガスマスクすら、その超微細な植物胞子を通してしまう。
「乃木さん、黒須さん! 息を止めてください! これを浴びたら一瞬で植物にされます!」
太陽の指輪が、危機を察知して激しく赤く発光した。
隔離された地下ラボで、充満していく死の花粉。
退路は断たれた。別班の銃撃も、巨大化した植物幹部の肉体に弾かれてしまう。
絶体絶命のピンチの中、太陽の目が、かつてないほどの『開花』の輝きを放ち始めた。
コメント
4件
なんかすげーわ てか今は草
読み終えました…!もう、最初から最後までジェットコースターみたいな展開ですね。特に朝野太陽くんの「夜桜式乱打――百花」、あのスピード感と迫力が本当にかっこよかったです。でも最後の幹部の変身と殺人花粉にはゾッとしました…まさに絶体絶命。太陽の指輪が赤く光ったところで終わったので、次が気になって仕方ないです!アクションの連続で息をする間もなかった、とても面白い回でした🤍