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「……なにこいつ。」
私は神風からの「嫌いだから」ってメッセージを見てから、ずっとモヤモヤしていた。あいつのことなんてどうでもいいはずなのに、なんでこんなに気になるんだろう。冗談だってわかってるけど、わざわざ「嫌い」って言う必要なんてないじゃん。
でも、神風は冗談でも人を傷つけることがある。だから、私も一度くらい仕返ししてもいいよね。
「よし、やってやるか。」
私はスマホを手に取り、勢いよくメッセージを打ち始めた。
「私、実は神風のこと好きなんだよね。」
送信ボタンを押した瞬間、なんだかスッキリした。今頃あいつ、どんな顔してるんだろう。びっくりして、焦ってるんじゃない?想像するだけで少し笑えてくる。これで少しは仕返しできたかな。
でも、ただ「好き」って言っただけじゃ足りない。もっと追い詰めてやろうと思って、さらに追撃のメッセージを打ち始める。
「……でも、やっぱり嫌い。」
一気に送信ボタンを押して、スマホをテーブルに置いた。これで完璧。神風のことなんて気にしてないって態度を見せてやらなきゃ。
その後、しばらくの間スマホは静かだった。返信が来るかと思ってたけど、意外と時間がかかってる。いつもあいつはすぐに返事してくるのに、今回はさすがにショックを受けたかな?
「……ちょっとやりすぎた?」少し心配になって、スマホを手に取ってみる。画面を確認するけど、神風からの返事はまだない。今頃、あいつの頭の中はぐちゃぐちゃになってるに違いない。
そう思うと、また少し笑いがこみ上げてきた。こんな風に神風を振り回すのも、たまには悪くない。普段は私が振り回されてばかりなんだから、これくらいは許されるでしょ。
でも、なんだか心の中に少し違和感が残っている。いつもなら、こんなことで終わりにしておけばいいのに、今回は何かが引っかかってる。
「……まあ、いっか。」気にしないことにして、私はスマホをポケットにしまった。今日はもう、神風のことなんて忘れて、ゆっくり過ごすことにしよう。