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「えっ……?」
スマホの画面を見て、俺は一瞬息が止まった。千秋からのメッセージ、あいつが「好き」って言ってきたんだ。まさかの展開に頭がフリーズして、何も考えられなくなった。
「千秋が、俺のこと好き……?」
いやいや、これは絶対に冗談だろう。俺がさっき「嫌い」って言ったから、仕返しで「好き」って言ってきただけだ。そうだ、そうに違いない。でも、まさか千秋がこんなふうに返してくるとは思わなかった。
「……え、どう反応すればいいんだ?」俺は焦ってスマホを握りしめた。いきなり「好き」って言われても、冗談だってわかってても、なんか心臓がバクバクしてる。
「ははっ、びびった……マジでびびったわ!」
俺は一人で笑って、なんとか自分を落ち着かせようとした。でも、胸のドキドキが止まらない。千秋が俺のことを「好き」なんて言うの、たとえ冗談でも想像したことなかった。いつも「うわっ」とか「ゲッ」とか言って、俺を冷たくあしらう千秋が、まさかこんなこと言うなんて……
「お前、ほんと冗談キツいって!」俺はすぐに返事を打とうとした。いつもみたいに軽く返せば、千秋も「やっぱ冗談だよ」って言ってくれるはずだ。
でも、その瞬間。
「……でも、やっぱり嫌い。」
その一言が追い打ちのように俺の胸に突き刺さった。
「……は?」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。さっきの「好き」が冗談だってのはわかってた。でも、なんで今度は「嫌い」って言われるんだ?さっき俺が言ったことへの仕返しにしても、ちょっとこれはキツすぎるだろ。
「おい、千秋……お前、本気で言ってんのか?」
俺はスマホをじっと見つめたまま、心の中でそう問いかけた。さっきまでの冗談が、一気に本物の「嫌い」に変わったような気がして、なんだか胸が重くなった。
冗談だってわかってたけど、やっぱり「嫌い」って言葉はきつい。特に千秋に言われると、余計に感じる。俺はいつも軽口叩いてるけど、やっぱりどこかで千秋に好かれたいって思ってるんだろうな。
「……やべぇ、これほんとにヤバいやつじゃん。」
俺はついに自分の失敗を認めざるを得なかった。最初に「嫌い」って言ったのは俺だ。自業自得だってわかってるけど、今の千秋の「嫌い」は冗談じゃなくて、本気なんじゃないかって気がしてきた。
「はぁ……。」
深いため息をついて、俺はスマホをポケットにしまった。さっきまでのテンションが一気に下がって、何もする気が起きない。あんなふうに返されたら、さすがに俺も立ち直るのに時間がかかる。
「ま、明日になれば元に戻ってるかもしれないし……。」そう自分に言い聞かせながらも、心の中では少し不安が残っている。千秋は本気で俺のこと嫌いなんじゃないかって。