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「お前進路どーすんの?」
高校の夏。帰り道に棒アイスを食べながら友達と帰っていたとき、ふと聞かれた。
『うーん…普通に大学行って…テキトーに会社就職ってどこかなぁ』
『千冬くんは?』
「俺はペットショップでもやろうかなって」
『いーね。千冬くんっぽい。』
俺っぽいってなんだよ…と呟く千冬くんはどこか悲しい顔をしていた。きっと死んでしまった場地くんのことが忘れられないんだろう。千冬くんが一番場地くんのこと慕ってたし。泣きたくても、彼のほうが辛いから。
『あのさ、大人になったらみんなで飲みいこ。』
「…おう!」
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十年後
『…疲れた』
会社の階段をゆっくりくだる。疲労で早く帰りたくても足が動かない。家から会社の距離は1キロあるかないかほどの距離なので歩いて帰ろうと呑気に思っていた朝。
此処がとてつもないブラックな企業ということを忘れていた。
会社のエントランスを通る。視線の少し先に目立つピンクの髪をした男?女?の人がいた。しかもタトゥーが思いっきり入った、いかにも怪しい雰囲気を纏ってる。此処らへんは治安の良い方なので少し疑問に思ったが、家に帰りたい一心だったのですぐに家の方向へ歩いた。
少し歩いた時、肩をたたかれた。反射で振り向くとついさっき見かけたピンク髪の人だった。
「送ってやるよ」
???
『え?いや、大丈夫ですよ』
なんで?と頭の中はハテナでいっぱいだった。知り合いにこんな人いたっけ…と必死に思い出そうとするが、こんなピンク髪のタトゥーを入れてる人見たことも話したこともない。確かに中学生ぐらいのときは不良の人達と仲が良かった方ではある。
でも、
「あぶねーだろ。こんな夜中に1人じゃ。」
本当にどなた!?
『…お願いしマス。』
(殺される…殺される…殺される…)