テラーノベル
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街の中へ足を踏み入れると、賑やかな喧騒と珍しい食べ物の匂いが俺を迎えた。
露店には見たこともない果物や道具が立ち並び、行き交う人々の中には耳の尖った者や獣の特征を持つ者までいる。
「すごいな……本当に漫画みたいな世界だ」
俺が目を輝かせていると、隣を歩く彼女が少し得意げに胸を張った。
「まんが?走らないけどすごいでしょう? ここはこのあたりで一番大きな市場なのよ。……そういえば、レン」
彼女は足を止め、俺の方を振り向いた。
「この街に知り合いや、あてはあるの?」
「いや、全然、さっきも言った通り、気がついたらあの森にいたからさ、当分の間はどうしようか思案中なんだ」
俺が正直に答えると、彼女は少し考え込むようにあごに手を当てた。
「そう……なら、私の用事に少し付き合ってくれないかしら。お礼と言ってはなんだけど、行くあてがないなら手助けしてあげられるかもしれないわ」
「本当か!? 助かるよ! ……あ、そういえば俺、命の恩人の名前をまだ聞いてなかったな。君の名前、教えてくれる?」
俺が尋ねると、彼女は一瞬だけ気まずそうに目を泳がせ、人込みの隙間を見つめながら小さく口を開いた。
「……ルーナ。ルーナって呼んでちょうだい」
どこかわずかに引っかかる言い方だったが、助けてもらった手前、深く追求するのも野暮だと思って「よろしく、ルーナ」と笑いかけた。まさかそれが、とっさにつかれた偽名だとは知る由もなかった。
「よし、じゃあ行こうかルーナ。どこへ向かえばいい?」
「ええ。この市場を抜けて、少し先に行ったところよ。……この先は少し雰囲気が悪くなるから、気を付けてね」
ルーナに導かれて市場の賑やかさを後にし、俺たちは薄暗い貧困街へと足を踏み入れた。
立ち並ぶ古びた家屋と、漂うどんよりとした空気。
そして——とるに足らない、一軒の貧しい家の前を通りかかった、まさにその瞬間だった。
——ドクン!
突然、視界が真っ赤に染まる。
「え……?」
背中に走る、経験したことのない激痛。
冷たい感覚が肉を割り、骨を砕いて、胸の中央から突き出していた。それは、怪しく光る一本の短剣だった。
「ガハッ……!?なんでだ?」
崩れ落ちる膝。急速に薄れていく視界の端で、絶叫するルーナの顔が見えた。
だが、その声はもう耳に届かない。
口から溢れ出す血の温かさと、体を支配していく圧倒的な死の恐怖が、俺の意識を暗闇へと塗りつぶしていった。
次の瞬間ーー森の中にいた
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だるいぃ
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コメント
6件
レン!?!?大丈夫!?!? …ルーナっていうのか…なんか、引っかかってるのが気になるな? 続き書くの頑張って!
うわっ、まさか急に刺されるとは思わなかった……! しかもまた森に戻って「2度目の死」ってタイトル回収する感じ、すごく好き。ルーナって名前も偽名っぽいし、この先どうなるのか気になりすぎる。市場の描写が活き活きしてた分、貧困街のどんより感とのギャップが効いてたよ🥀 次が待ち遠しい〜