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『あーー飽きたあ 。

ねえ、穴掘り行っちゃダメ?とーない』



「んなっ、絶対だめですからね!?」


『ちぇ 、なんで作法委員会は看板作りや

ハチマキを縫わなきゃいけないんだ 。』


「あはは 、

まぁ頑張りましょう!!綾部先輩!!!」



「あ 、綾部先輩 。これが終わったら

絡繰で合わないところを見てほしくて 。」


『いーよ〜』


「じゃあ早く終わらしちゃいましょ!!」


おーとやる気を再度出して 、

ハチマキを縫っていたとき 、委員長会議から

立花先輩が帰ってきた 。



「全く 、下級生に諭されてどうするんだ 。」



『あ 、立花先輩 、おかえりなさぁい』


「はい。ただいま 。」








「立花先輩立花先輩!!

組み分け 、どうなりました!?」



ずっと気になってソワソワしていた

兵太夫と伝七がそういって立花先輩に

がっついていた 。




「あぁ 、今話すから 。

少し離れようか 。話しずらいからな」



「 「 すいません!」 」



「よろしい 、では今から組を発表する」




別に 、こんな感じの運動会は前にもあった


だからはじめてである1年生より


僕や藤内は落ち着いていた 。





「今年も赤 、白 、紫だ 。

まずは赤からだな 。」



そういうと皆がゴクリと息を飲む音が聞こえる





「笹山兵太夫」


「はーい!」



「浦風藤内」


「はい!!」



「赤組は以上だ 。」






「ちぇ 、綾部先輩と離れちゃったー」


『おやまぁ 、負けないよぉ ?』



「そういうことじゃないです!!」




「まぁまぁ、兵太夫頑張ろうね!」


「はい!!」




なんで怒ってたのかは分からなかったけど

藤内がなんとかしてくれたおかげで

機嫌が治ってくれてよかった 。




「次 、白組だな 。」







「黒門伝七」


「はい!!!」




「綾部喜八郎」



「はぁい」




「最後 、立花仙蔵 。だな」






『おやまぁ 、立花先輩もですか』


「…なんだ 、悪いか 。」


『いーえ』




「伝七ずるいっ!!!!

綾部先輩もいて!立花作法委員長もいる!」


「ふっ 、日頃の行いだ!!

アホのは組め!!!」




ぎゃーぎゃーとふたりが喧嘩をしだすから

藤内も立花先輩も頭を抱えだした


しょうがないからここは先輩が

手を貸してあげることにした





『ふたりともすとーーっぷ』


「 「 あ、綾部先輩っ 」 」





『兵太夫?これ以上喧嘩するなら

絡繰見てあげないよー』


『伝七も 、せっかく明日お弁当一緒に

食べようと思ったけど辞めようかなあ??』



「 「やです!!!ごめんなさい〜!」 」



「先輩僕もお昼一緒がいいですーー!!」


『はいはい 、早く仕事しないとだめ〜』



「おいっ、急ぐぞ兵太夫!!」


「おーう!!」




「でかした喜八郎 」



ぐしぐしと僕の頭を荒く撫でた 。



『あーもう 、、

ぐしゃぐしゃじゃないですか 。』


「それは失敬 、笑

どれ 、結び直してやろう 。

ほら 。膝に乗れ」




先輩の言葉に皆がバッと向いた




『ほんとーですか〜?お願いしまぁす』



「嫌々 、先輩!!!」





とーない早くやりなよーと注意をすれば

はいって分かりやすく肩をすぼめて

作業に戻る藤内 。









「よし 、できたぞ 」



『ありがとござまーす』





僕を一目見て 、

伝七は顔を赤らめ 、兵太夫はそっぽを向き

藤内はどうやら固まってしまっていた 。


みんな 、僕の姿を見て笑いを

堪えてるようにしか思えなかった 。






『もう 、今度はどんな髪にしたんですか 、』




「なに 、少し悪戯をしただけだ」




『え』





ククク 、と悪戯っぽく笑う立花先輩に

僕はギョッとした 。


立花先輩の悪戯はタチが悪いから 。





『…っ 、ちょっと鏡みてきます!!』


「おっと 、どこ行く?」


「滝に鏡を貸してもらうんですッ」


「…平か 。鏡なら私が貸すぞ?」



『先輩は反省してください!!!』






そういって僕は作法室を抜け出した 。


そのままサボる口実もできたし一石二鳥だ


作法室では焦った声色で僕の名を呼ばれたが


聞かなかったことにした 。






『…とは言っても 、滝は今

体育委員会でトレーニング中だっけ』




今朝 、滝が運動会で

体育委員会が一番のいけどんになる!!

とお宅の委員長に言われ 、朝から裏裏山へ

出ていったのを思い出した 。




だからといってこの自分の醜い姿を

そのままにするわけにはいかない 。


三木の所へ行こうか



否 、あそこには

口煩い委員長が居るのを忘れていた 。



守一郎は 、このおかしな髪型を見て

爆笑するに違いない 。

それでどんどん人が増えられては元も子もない



そうなればあとはあの人しかいない












『…..タカ丸さん』


「ん〜?あ 、!

綾ちゃんだ!!どーした …. の!?」






タカ丸さんは僕を二度 、三度見してきた


僕は火薬庫に足を運ぶと 、


タカ丸さんの後ろからぐわっと


僕とはまた違った癖毛がぎこちなく揺れた





『…..立花先輩に悪戯されたんです

直してください 。』








「あ、綾部 …?」


『….久々知先輩 、そんなに見ないでください

自分でも変な髪なのは分かってるんです 。


ここに来るまで 、皆が僕をみて固まる 、

どれだけおかしいんですか 、、、』





するとタカ丸さんは 、

髪結い道具を持ってくる訳でも無く


そろりそろりと僕に近ずいた 。




その瞬間ガバッと僕に抱きついた



「タカ丸さん!?!?」



「はぁあ 、、かっっわいい!!!」


『へ 、かわ … ?』



「仙蔵くんってば 、分かってる〜!

それはぁ 、ついんてーるって言うんだよ〜」



『つい 、ついん?』


「ついんてーるっ!

はぁ、、かわいいよ本当に!

ねぇ??久々知くんっ」



「へ?あ 、、えぇっと 。 」


『….無理しないで良いですよ 、久々知先輩 』


「い、いやそうじゃなくて 、」




『いいから元に戻してください 。』



「え〜やだよぉ 、可愛いからそのまま!!」



『えぇ …. これ 、自分で解こうにも

立花先輩の結び方は難しくて 、、』




「じゃあお風呂までお預けだね!!

お風呂のときに取ってあげるよ!」



『….はぁ 、でも変じゃないんですよね?』


「うん!!かわいいよ!」


『….じゃあいいです 。』




「綾部 、穴掘りに行くのか?」


『行きたかったんですけど 、

この髪留めは立花先輩のなので 。

汚しちゃうのでしません』



「そうか 、では委員会に戻るのか?」



『それでは作法委員会で揶揄われてしまうので

うーん 、、保健委員会とか用具委員会に

お邪魔してきまーす 。』




「…ここに居ても良いんだぞ?」



『んー 、良いですけど 。

やっぱお菓子食べたいので』


「綾ちゃんは甘いの好きだねぇ」


『はい 、じゃあお仕事頑張ってください』








結局のところ僕は

自分の姿を見ることが出来なかった


でもタカ丸さんが変じゃないというのだから

きっと変なんかじゃないはず


でもあの藤内達の反応が気にわない





小石を蹴りながら考えていると 、

小石が勢いよく飛んでった




「いっった!?なになに曲者!!?」



不運で有名な保健委員長の背中に

当たってしまった



『すいませーん 、僕が蹴っちゃいました』



「蹴っちゃいましたって 、喜八郎ー 、、」



僕の方に振り向いた伊作先輩は

僕をみて固まった



『皆さん揃って同じ事しないでください』



「か、かわいぃ …」


そう呟いて右手で口元の緩みを隠した


『ありがとうございます』


「え、聞こえてた?」


はいバッチリ 、と答えると今度は勢いよく

しゃがみ込んだ 。

その先輩の横には薬草が並んでいた



『それは 、怪我した時用ですか?』



「あ 、うんっ …!

使う場面が無いといいんだけど 、」


『それは不可能かと』




きっと 、ご自身も使うと思うから




「喜八郎は何しにきたの?」


『暇だったので 、少し遊びに来ました』



「そっか 笑

もう少しで終わるんだ 、そしたら

お茶とおやつにしようか」



そう言われ僕はひとり縁側で

伊作先輩の仕事を眺めていた 。





そんなとき 、廊下から

ズカズカと足音が聞こえるのがわかる


僕はその正体がなんなのか察知し

すぐさま伊作先輩の背中に隠れた




「喜八郎 、、?どうかした?」



心配そうな声色の先輩の声に僕はしー 、

とだけ伝えた 。が時すでに遅し





ひょいっと僕は宙に浮かんだ





『うわ 、見つかった』


「見つかった 、じゃない!!

また委員会をサボりおって 、

伊作の迷惑だろう!」


「あはは 、留三郎ー

僕は迷惑じゃないよ 、むしろ大歓迎さ」


「んなっ 、だがな 。

明日が運動会なんだ 、

今日中に仕上げてもらわねばならないんだ」



その瞬間 、よし!!と覇気のいい声のあと

僕は地に下ろされたその瞬間 。

ぐわっと勢いよく肩を掴まれた



「暇なら用具委員会で仕事をしろ!

綾 、、、、部 ?」




さっきまでの威勢は何処へいったのか

固まってワナワナと何かを言っている





「なんだその髪型は!!!!/ / 」




きーんと響く声に思わず耳を抑えてしまう

その瞬間ついよろめいてしまい

そっと伊作先輩が支えてくれた



「ちょっと留三郎 、急にそんな大声を出しては

びっくりするだろう?」



「す、すまない 。」



すると伊作先輩はグイッと僕を右腕に納めた



「生憎 、たった今仕事が終わったところでね

僕達はこれからお茶をするんだ 。

留三郎は仕事に戻った方がいい

委員長が居ないいま 、用具委員会は心配だ」


そういい 、先程の立花先輩のような

笑みを浮かべる伊作先輩と

苦虫を噛み潰したような

険しい顔をする食満先輩 。





どうしたら良いか分からずに居ると

ぐわんっと視界が180度回転した 。



「いけいけどんどーん!!!

お?綾部の髪が可愛くなっているな!

可愛すぎて食べてしまいそうだ!!」



「喜八郎 、なんだその髪は …!?

タカ丸さんか?タカ丸さんなのか!!」




鍛錬から帰ってきたのだろう


より耳が痛くなる 、



僕が口を開くのも束の間 、ゴチンっと


頭に衝撃が走る 。



「全く 、ここに居たのか 。喜八郎 。」



『痛いです 、潮江先輩』



「仙蔵が会計室を訪ねてきたんだ

どうやらその髪型によって 、

機嫌を損ねて作法室を出てったとか」


『それは 、皆が僕を揶揄うから 。』


「その髪をか?」


『…皆 、僕を見て震え固まって

顔を真っ赤にして笑いを堪えるんです!!!』






その瞬間 、その場にいた皆が

顔を見合せ笑い出した 。


『笑い事じゃありませんっ!!』





「喜八郎 、それはね ____ 」







僕の髪を弄りながら 、教えてくださった

伊作先輩の耳は少し赤かった 。










___________________




「あ、!!綾部先輩!

やっと帰りましたね!?」



『ちょっと遠くてさ〜』



「もう仕事終わっちゃいましたよ!」


「あ 、先輩!絡繰見てくださいっ」


『どれどれ〜』






僕と兵太夫が、絡繰について話し合って居る中

伝七は勉強 。藤内は予習 。



立花先輩はどこかへ行ってしまわれていた




「そういえば 、先輩  。

怒って出て行ってしまわれたのに

その髪型は続けるんですか?」



『んー 、自分じゃ解けなくてね〜』



『それに 、可愛いって

言ってくれる人達がいてね 』





えぇ!?!と驚く3人におやまぁと呟くと

勢いよく襖があいた




「それは聞き捨てならんな 、喜八郎?」



眉を顰め 、苦笑気味に笑う先輩に

今度は僕が悪戯っぽく笑いかけて言ってやった




「明日はもっと可愛い髪型にしてくださいね」









翌日の運動会当日 、

張り切った様子の立花先輩に 

朝日が昇ってから余り時間も経ってない位に

部屋へ連れて滝が焦った様子で

探していたのは言うまでもない








忍術学園大運動会 。

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