テラーノベル
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食いっぱぐれないように声を荒げて叩く 木魚は 横目にしたら、ただの能無しだ。
小枝を滑らすかのように研いで、 足に突き刺す。 金切り声が六畳の地下室に響き渡る。
鈴の音を鳴らすとき
声は静まり 平穏な時間が流れる。
後に来た者に「ほれ、ほれ、食うが良い」と
言葉を授けた彼は数分後、いなくなった。
昼食に、黒く濁った具のないスープと一切れの
パンの耳が出た。
モキュモキュと口を鳴らして食べているとき
木魚の音が六畳の部屋に響き渡る。
腹の底から湧き出る憎悪が喉の粘膜を焼き殺し 小指の皮膚を親指で圧迫した。
血が流れ、震えた目を、僅かに空いた穴から
覗かせ、首を捻って「あーあー」と連呼する。
「はい。承知しました。はい。」との声が
覗いた先にある真っ白の空間から聞こえる。
「いーよーいーよー」「いーよーいーよー」
私は、声にならない声で助けを求めた。
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