⚠️特定の国を賞賛する、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは、関係ありません
⚠️私の妄想です。
《ATTENTION》
・BL
・韓北
・韓がヤンデレ?
・なんでも許せる方向け
韓→韓国
北→北朝鮮
一応、韓はアイドル設定ですが…あんまり要素ないです。
5000字くらいあるのでめっちゃ長いです。
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
韓国side…
ガラス越しの街は、雨上がりの光でゆっくりと滲んでいた。
そのカフェは、昼どきでも人の少ない裏通りにあって、
外のざわめきとは別世界のように静かだった。
ドアベルの音が鳴る。
その瞬間、心臓がひとつ打ち損ねる。
……あの横顔。
左目に眼帯をつけて、白いシャツの袖を肘までまくった姿。
たぶん、あれが兄弟だった。
二年ぶり、か。
笑いかけるよりも先に、息が詰まった。
体の奥に、懐かしい痛みが蘇る。
韓「……兄弟?」
声が出たのは、ほんの偶然だった。
こちらに振り返ったその目。
どこか戸惑って、それでも変わらない真面目な、まっすぐな瞳。
北「……兄貴?」
懐かしい呼び方。
耳の奥で、時間が巻き戻る。
あの日と同じ響きなのに、
胸の奥が妙に熱くて、冷たい。
韓「久しぶり…こんなとこで何してるの」
北「バイト。近くで…兄貴こそ、なんでここに?」
ヘッドホンを首にかけたまま、
手元の紙カップを持ち上げて笑ってみせる。
「仕事の合間。人が少ないとこで、落ち着きたくなるんだよね」
本当は、落ち着くどころか息が苦しい。
この距離、この声。
思い出すのは、誰より近くにいた頃の空気。
二人で過ごした、狭い部屋の温度。
でも、あの頃とは違う。
兄弟はもう、僕の隣にいない。
手を伸ばせば届く場所にいるのに、
その先には透明な壁があるみたいだった。
韓「……元気だった?」
北「嗚呼。兄貴は?」
韓「まぁね。ちゃんと食べてるの? 」
北「食べてる、子どもじゃないんだから」
笑い合う。
けれど、その笑いの下で、
僕の指先はかすかに震えていた。
あの時、無理にでも引き止めていれば…
そう思う瞬間が、何度あっただろう。
韓「……あのさ」
気づけば、口が勝手に動いていた。
韓「また、前みたいに……一緒に住まない?」
兄弟の目がわずかに揺れた。
カップを持つ手が止まり、
数秒の沈黙が二人の間に生まれる。
北「は……急に、どうしたんだよ」
韓「別に。ただ、最近いろいろ思い出してさ。僕 たち、ずっと一緒だったじゃん。 ……あの頃、悪くなかったでしょ?」
静かな笑顔を作る。
けれどその裏で、
胸の奥がざらつくような熱に覆われていく。
兄弟は視線を落としたまま、しばらく何も言わなかった。
雨上がりの匂いが風に乗って店内に流れ込み、
遠くでドリップの音がかすかに響く。
やがて、兄弟は少しだけ笑って言った。
北「……兄貴、ほんと変わらないよな」
その声に救われるような痛みを覚えた。
変わらない?
……いや…変わったんだよ、北……。
兄弟を見失ってから、僕の世界はずっと歪んだままだ。
北「考えとく」
韓「……うん。無理しなくていいよ」
そう言いながら、僕は笑っていた。
ほんとうは、今すぐ腕を掴んで連れて帰りたかった。
でも、そんなことをすれば壊れてしまう。
だから笑う。
何も知らないふりで。
兄弟は立ち上がり、
「またな」と言ってドアを押した。
ベルの音が、胸の奥に刺さるように響いた。
残された僕は、
冷めたコーヒーを口に運びながら、
ゆっくりと息を吐いた。
——また、見つけた。
心の中で、そう呟く。
それは約束のようで、呪いのようでもあった。
北side…
帰り道、俺は傘を持たずに歩いていた。
雨はもう止んでいるのに、どこか濡れた匂いが残っている。
足元の水たまりに街灯が滲み、踏み出すたびに波紋がひろがった。
……兄貴、変わってなかったな。
そう思いながらも、胸の奥で別の声が響いていた。
いや、少し違う。
笑い方が、少しだけ静かすぎた。
ポケットの中でスマートフォンが震える。
画面に浮かんだ名前に、一瞬だけ息を呑んだ。
〈韓国〉
メッセージは短い。
韓✓[…今日は話せてよかった。またちゃんと話したい。時間ある?]
ためらいながらも、北は指先で返信を打つ。
北✓[…嗚呼、今週なら]
送信したあと、なぜか心臓が早くなる。
まるで昔に戻ったみたいで、それが少し怖かった。
その週末、兄貴の部屋の前に立った。
久しぶりのマンション。
以前と同じフロア、同じドア。
けれど、ドアノブに手をかける前から、空気が違っていた。
チャイムを押すと、すぐにドアが開く。
韓「北、入って」
兄貴はパーカー姿で立っていた。
無造作にかけられたヘッドホン……
どこか整いすぎて見える。
用意されていたような時間の流れだった。
北「…久しぶり、兄貴」
韓「来てくれてありがとね」
部屋に入ると、すべてがきれいに整っていた。
俺が以前使っていたマグカップ、棚の上に置かれた小さな時計、
リビングの隅に置かれたクッションまで、記憶のままだった。
北「……これ、前の」
韓「捨てられなかったんだ。何となく」
兄貴は笑った。
その笑顔に、微かに何かが混じっている。
懐かしさか、執着か、自分でも判別できなかった。
テーブルに湯気の立つマグが二つ。
コーヒーの香り。
まるで“いつも通り”の時間を取り戻したような錯覚。
韓「北、ひとり暮らしはどうなの?寂しくない?」
北「まあ…慣れたぞ」
韓「僕は慣れないや」
韓国の声が少しだけ低くなった。
韓「……北がいない部屋、空っぽみたいだった」
俺は一瞬、息を飲む。
言葉の温度が、少しだけ現実よりも熱い。
けれど兄の目は穏やかで、
その穏やかさが逆に、何かを隠しているように見えた。
沈黙ののち、兄貴が言った。
韓「ねえ、また一緒に住まない?昔みたいにさ」
北「……また、それ言うのか?」
韓「だって、いいでしょ?家広いし、部屋も余ってる。
僕も北も仕事で忙しいけど、顔くらい見える距離にいたい」
穏やかな声。
まるで誘うでもなく、懇願するでもない。
けれど、断れないような柔らかさで包まれている。
終は視線を逸らし、
マグを両手で包みながら、
少しだけ笑った。
北「……兄貴、相変わらずだな。だけど …いいのか?俺、あのとき勝手に出ていったんだぞ」
韓「いいよ」
即答だった。
間を置かずに、まるで待っていたかのように。
韓「そんなの、もう気にしてないよ。
むしろ……戻ってきてくれたら嬉しい」
韓国の言葉は、静かなのに重かった。
その嬉しいの裏に、
何か柔らかくて、形のない圧があった。
北「考えとくな」
そう答えた俺に、兄貴は穏やかに笑った。
韓「鍵、あるよ。……前のままだけど」
一瞬、俺は動けなくなった。
……まだ、持っていたのか?
言葉が出る前に、兄貴は続けた。
韓「いつでも取りにおいでよ。北の部屋、ちゃんと空けてあるから」
その声は優しかった。
優しすぎて、寒気がした。
帰り道、俺は何度も後ろを振り返った。
夜風がビルの隙間を抜け、遠くで救急車のサイレンが鳴る。
ポケットの中に、
あの家の鍵がある気がした。
けれど、自分では入れた覚えがない。
引っ越しの日は、驚くほど静かだった。
荷物といっても、俺のものは段ボール二つだけ。
兄貴の家には、すでに必要な家具も食器も揃っていた。
何もかも、最初から準備されていたようだった。
韓「ここ、使って」
兄貴が指差した部屋は、俺が昔使っていた部屋そのものだった。
ベッドの位置も、棚の並びも、匂いまでも。
新品のカーテンだけが違って見える。
北「……これ、全部残してたのか?」
韓「うん。北がまた帰ってくる気がしてたから」
冗談のように笑う。
けれどその目は冗談ではなかった。
俺は「そっか」とだけ言って、荷解きを始めた。
数日が過ぎた。
朝、リビングに降りると、いつも兄貴がいる。
テレビをつけたままコーヒーを飲み、俺が来ると自然に笑う。
北「おはよう」
韓「おはよう。バイト、今日もあるの?」
何気ない会話。
けれど時々、兄貴の言葉に違和感があった。
韓「昨日の店、忙しかったでしょ?あの時間、雨降ってたし」
北「……どうして知ってるんだ?」
韓「天気予報見てただけだよ」
その笑顔が嘘には見えなかった。
けれど何か、ほんの少しだけ噛み合わない。
夜。
俺が風呂から上がると、テーブルの上に温かいスープが置かれていた。
北「兄貴、いつの間に……」
韓「疲れてると思って」
そう言って兄貴は湯気の向こうで笑った。
その笑顔に、ふと胸の奥が疼く。
昔から、兄貴はこういう人だった。
優しくて、世話焼きで、細かいところに気づく。
それを不自然と思ったことなんて、一度もなかった。
でも今は、どこか違う。
その優しさが、少しだけ先回りしすぎている気がする。
ある夜。
俺が寝室でスマホを手に取ると、画面に通知が光った。
〈バイト先グループ〉
翌日のシフト変更。
返信を打とうとしたとき、
廊下の向こうから足音が聞こえた。
軽くドアをノックする音。
韓「起きてる?」
北「嗚呼、どうした?」
韓「電気、まだついてたから。あんまり夜更かししちゃダメだよ」
ドア越しの声。
何気ない優しさ。
でも、どこか見られているような感覚が残った。
次の朝、出かける支度をしていると、韓国が玄関で言った。
韓「今日、帰り遅い?」
北「多分、九時くらい」
韓「じゃあ、駅まで迎えに行くよ」
北「え?別にいいぞ、自分で帰れる」
韓「危ないでしょ。夜は冷えるし」
兄貴の声は柔らかくて、拒めなかった。
結局その夜、俺が店を出るとすぐにメッセージが届いた。
✓韓[…もう駅前にいるよ]
そこまでの距離は歩いて五分。
……早すぎる。
たまたま、なのか。
それとも、ずっと見ていたのか。
俺は息を整えて、返信した。
✓北[…すぐ行く]
車の中、ラジオが小さく流れていた。
韓国はハンドルを握りながら言った。
韓「こうして迎えに行くの、なんか久しぶりだね」
北「……うん」
韓「兄弟、昔から迷子になるからさ」
北「もう子どもじゃない」
韓「そうだね」
笑い合う。
けれど、どちらも目を合わせなかった。
外の街灯が流れていく。
兄貴の横顔が、一瞬だけガラスに映り込む。
その表情は穏やかすぎて、
どこか、人間味を失っているように見えた。
朝。
冬の空は薄い灰色で、光はまだ眠たそうに街を撫でていた。
俺は鞄に少しの衣服と財布を詰める。音を立てないように気をつけているのに、ジッパーが擦れる音がやけに響いた。
韓「……出かけるの?」
声の主は、やはり兄貴だった。
兄貴はドアの前に立っていて、パーカーのフードを被ったまま、まるでそこにいるのが当然だというように穏やかな顔をしている。
北「…嗚呼。少し、考えたいことがある」
俺はできるだけ淡々と答えた。
けれど指先がわずかに震えているのを、自分でも感じる。
韓「そっか。……もう、帰ってこないの?」
その問いに、言葉が詰まる。
兄貴の声は優しいままだった。責めても怒ってもいない。
ただ静かで、冷たく澄んでいた。
北「わからない。けど…少し離れたほうがいいと思ってな」
沈黙。
暖房の送風音だけが二人の間を通り抜けていく。
韓国は一歩近づいて、北朝鮮の肩に手を置いた。
力は弱い。けれど、逃げられないようにそこにある。
韓「北」
北「……なんだ」
韓「僕さ、多分ずっと間違ってた」
北「え?」
韓「好きって気持ちを、ちゃんとした形で渡せなかった」
韓国は少し笑う。
それはどこか、自分自身を責めるような笑みだった。
韓「でも、もう無理に掴もうとはしない。北が笑っていられるなら、それでいい」
俺はその言葉に、少しだけ息をついた。
安堵なのか、哀しみなのか、自分でもわからなかった。
韓国の手が離れる。
兄貴は一歩下がり、ゆっくりと目を細めた。
韓「行っていいよ」
北「……ありがとう」
玄関に向かう足音が重なる。
俺がドアノブに手をかけた瞬間、背中に声が落ちてきた。
韓「でも……」
振り返ると、兄貴は微笑んでいた。
あの、テレビの中で見せる穏やかな笑顔のままで。
韓「絶対に見つけるからね」
その言葉は、約束のようでもあり、呪いのようでもあった。
俺は何も返さず、ドアを開けた。
冷たい風が頬を打つ。
外の空気が、思っていたよりも澄んでいて痛い。
階段を降りる途中で、ふと振り返る。
窓の向こう、薄暗い部屋の中で、兄貴が立っていた。
表情は見えない。
けれど、その視線だけは確かに、ここまで届いていた。
俺は小さく息を吸い、前を向いた。
北「じゃあな、兄貴」
言葉は風に溶けて消えた。
胸の奥で、まだ微かに兄貴の笑顔が焼きついて離れなかった。
終…
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
おかえりなさい〜
最近🔞書いてないですね…
書きたい、と心の中で思ってはいるんですけど…最近ヤンデレ系を書くのにハマってしまい…
まぁ…自分の思うままに書けよって話なんですけど。
とりあえず、出られない部屋ネタを終わらせなければ
《リクエストについて》
現在リクエストはお断りしています。
今いただいてもお答えできませんのでご了承ください
では、閲覧ありがとうございました!
コメント
2件
うわぁ〜😭好きです…♡癖に来ます… 出来ればヤるとこが見t(((
オデ、スキ、コノサクヒン、スキ、