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コメント
3件
おぉ……✨凄い!!めっちゃ良き〜参加ありがとっ!!
いつも自己満で書いてるので 分かりにくかったらすみません…
凄く楽しんで書かせて頂きますね(?)
1万字越えてます。
時間がある時に見るのを推奨します
百合要素あり(女性同士の恋愛)
血流表現あり
グロ要素あり
犯罪要素あり(○人、誘拐など…)
軽い病み要素あり
上記の要素が苦手な方は
今作を見ない事を勧めます。
この物語はフィクションです。
実際に起きた出来事ではありません。
この物語でやってる事は
実際ではやってはいけない事です。
《??視点》
??「…おはよう」
彼女は何も無い所に向かってそう言うと、
その部屋から出ていく。
その先に見えるのは…
???「セイちゃん、
早く行かないと遅刻しちゃうよ?」
彼女と血縁関係の無い謎の少女。
??「え?!そうなの?
じゃあ急がないと!!!」
彼女達は走り出す。
もちろん、学校へ向かって。
《セイ視点》
「急がないと!!!
ノエルちゃんに申し訳ないよ…!!!」
ノエル「私の事は気にしないで、
私が勝手に待ってるだけから」
「そうだけど…流石に私の心が痛むよ…!!!」
ノエル「本当にセイちゃんは優しいね。
そのせいで心を折れないと良いけど」
「大丈夫!!!だって今す…幸せだから!!」
ノエル「そっか。………」
今、嘘つきそうになっちゃった…
危なかったー…
今が凄く幸せな訳が無いもん。
だって??が居ないから…。
ノエルちゃんやいちかちゃん、
イオちゃん達の様な友達も大切だけど…
??が居るから私は…凄く幸せだったんだから。
そんな心を持っちゃいけないんだ。
ノエル「…そういえば今日、快晴だね」
「…本当だ、雲一つ無い!!綺麗!!!」
ノエル「こんな天気だと気分が良くなるよね」
「う、うん!そうだね!!!」
あーあ…今、嘘ついちゃったなぁ…
あの日の事を思い出して心が苦しくなっちゃうから
私、雲一つ無い快晴が苦手なんだよね…
だけど雨も苦手なんだよなぁ…
雨と言う天気は好きだけど
雨に触れると闇に沈んでいく感じがして怖いから…
で、でもコレは吐くべき嘘を吐いた気がする…
いや、まず第一に噓を吐くのが良くないか…
色々な事を考えていると
私達が目指してた場所が少し遠くに見える
「あ、学校が見えて来た!!!
ここからは全速力だ〜!!!」
ノエル「ちょっと待って!!!危ない…!!!」
「え?どこが危な…
ドン!!!!
「あ…ごめんなさい!!!前を見てなくて…」
??「こちらこそすみません…前を見てなくて…」
「いやいや!私のせいだから気にしないで!!!」
??「そんな事は無いと思いますが…
本当にすみませんでした!!!」
そう言った後、あの子は走り去っちゃった…
「あ、行っちゃった…」
ノエル「セイちゃん、
もうすぐで遅刻判定になるから急ごう」
「そうなの?!!じゃあ急がないと!!!」
ふぅ…何とか間に合って良かったー…!!!
間に合わなかったらどうしようかと思った…
??「セイ、五月蝿い」
「え?もしかして声に出てた?」
??「うん。出てたよ」
「そうなの?!五月蝿くてごめんね…」
??「私はどうでも良いけど」
先生「新井さん、授業中の私語は控えて下さい」
「あ、すみません!!!」
先生「次からしなかったら別に良いですから
謝らなくても大丈夫ですよ」
「は、はい…!次から気を付けます!」
声に出てたせいで怒られちゃった…
何で声に出てんだろう…?
私、出したつもりじゃないのに…
《色々ハプニングはあったりしたけど、
全ての授業が終わった…》
「ノエルちゃ〜ん!!!
今日も一緒に帰らない?!!」
ノエル「いちかも居るけど大丈夫?」
「うん!全然、大丈夫!!!
だって人数が多い方が良いもん!!!」
ノエル「…なら良かった。じゃあ行こうか」
二人はいちかの教室へ向かって歩き出す…
ノエル「いちかが居るのはここの教室なんだ。
「そうなんだね…!!!覚えておこ!!」
ノエル「じゃあ私が要件を伝えるから後ろに居て」
「はーい!!」
ガラガラガラガラ…
ノエル「すみません…
如月いちかさんって居ますか?」
モブ「はい!居ますよ!!!
いちかさん、呼ばれてるよ!!」
いちか「あ、うん!分かった!!!今行く!」
ダッダッダ…!!!
いちか「はい、誰か…ノエル?!!」
ノエル「いちか、今日一緒に帰らない?
セイちゃんも一緒だけど…」
小走りでやって来たいちかちゃんは
ノエルちゃんを見てビックリしてるみたい
どうしてだろ?
「いちかちゃん、こんにちは〜!!」
いちか「うん、こんにちは!
あ、えーと…私で良ければ一緒に帰りたいな」
ノエル「良かった…!じゃあ3人で帰ろう」
「うん!レッツゴ〜!!!」
いちか「じゃあ皆、またね〜」
モブ「うん!またね!!!」
モブ2「明日はテストだよ!!忘れない様にね!」
いちか「はーいw」
帰り道にて…
今日はいちかちゃんに提案をする日だから
私は喋るのを少し控えながら
その時を待っていた…!!!
ノエル「あのさ…いちか、
良かったら私達と一緒にシェアハウスしない?」
いちか「え?良いの?」
ノエル「うん、めちゃくちゃ歓迎するよ」
「私も歓迎するよ〜!!!」
いちか「そうなんだ…じゃあ、しようかな」
「やった!!!成功した〜!!!」
ノエル「じゃあ〇〇-19に家があるから
明日、荷物をまとめて持って来てね」
「あ、私で手伝える事があったら
手伝うからね!!!」
いちか「二人ともありがとう!
でも荷物は頑張って一人で持って来るよ」
「そっかぁ…でも無理はしないでね!!」
いちか「うん、そのつもり」
やった〜!!!これで3人暮らしって事?!
凄く楽しそう!!!
明日が楽しみだなぁ…
明日、歓迎会やりたいし…
カップケーキとか買おうかな?
それは明日の方が良いか…!!!
後…飾りを買おう!!!
綺麗な飾り付けが出来るかは分からないけど…
頑張れば何とかなる!!!…はず
うーん…どうしよっかなぁ…
今日は夜更かしをしてまで考え込むか、
明日に任せるか…
「ねぇねぇノエルちゃん!」
ノエル「ん?どうしたの?」
「歓迎会について夜更かしをしてまで考えるか
明日の自分に任せるか…どっちが良いと思う?」
ノエル「多分、明日は考えられないと思うし
夜更かしは良くないから…私が考えておくよ」
「良いの??…ありがとう!!!
あ、言っておくけどノエルちゃんも
夜更かししちゃダメだからね?!!!」
ノエル「それ位、分かってるから大丈夫だよ」
「なら良かった!!!」
ノエルちゃんが考える歓迎会は
きっと凄く楽しいんだろうな!!!
どんな感じになるか楽しみ〜!!!
あ、でも暇になっちゃった…何しようかな?
まぁ…お絵描きしようかな!!!
「ノエルちゃん!
私、部屋でお絵描きしてるから
何かあったら呼んでね!!!」
ノエル「セイって何が…いや、またね」
何か言いかけてた様な気がするけど…
流石に言いかけて止めたんだから
追求するのは良くないよね…!!!
「うん、またね!!!」
ガチャ…
よーし!!!お絵描きするぞ〜!!!
ちょっと待って…?
友達と??しか書けないんだけど…
私も書いてみたかったのに…
ちゃんと鏡を見ながら書いてみても
どうしても??になっちゃう…
別にそこまで似てないけどなぁ…
「うーん…どうしたら
私が書ける様になるんだろう…?」
そう悩んでいると…
コンコン…ノエル「セイ、入っても良い?」
「うん!良いよ〜!!!」
だって断る意味も無いしね!
ノエル「ありがとう」
ガチャ…ギュゥゥ…
ノエルちゃんが扉を開けきった瞬間に
ノエルちゃんに抱きしめられたみたい。
凄く暖かくて落ち着く〜…!!
「えへへ…抱きしめられるの好きなんだ〜…」
ノエル「セイちゃんらしいね。
どんなにしょうもない事でも
いつも本当に嬉しそうな顔してる」
そう言ったノエルちゃんは
普段しない珍しい笑顔をしてて
それを見れて幸せな気持ちになれた気がする!
「そっかぁ…」
でも私の返信は空を飛んでいるの。
私の心は喜んでる、幸せな気持ちになってる。
それなのに結局はどうしようも出来ない
罪悪感と自分へ向けられる嫌悪感。
…私、もう幸せになれないんだなぁ。
だって…二度と幸せになりたくないもん。
私が幸せになったら
あの罪を忘れてしまいそうで
酷く焦燥感を覚えて……焦燥感?
どうして焦燥感を覚えるの?
ノエル「………」
どうして私はあの罪を忘れると思ってるの…?
あの罪を忘れるって事は
??も忘れる事になっちゃうんだよ?
何で忘れられると思ってるの?
だって??は私の大切な…
ノエル「セイ、友情的な意味だけど好きだよ」
突然、そんな言葉が聞こえた。
でも…答えなくちゃいけない気がした。
私は無自覚でこの言葉に答えられた。
「あはは、嘘だぁ」
最後まで嘘を突き通せるとは思ってない。
だからか私は安心してしまう。
目の前にある薄く伸びてる不幸の線に。
でも…何でボロが出そうな事しちゃったんだろう。
皆と接する時は心さえも少し騙してたのに。
皆が幸せになって私が不幸になって欲しいのに…
どうして…?
ノエル「…嘘じゃないよ。これは本音」
また突然、ノエルちゃんの言葉が
私の耳を開かせる。
「それでも変わらないよ」
そう、本当に変わらない。
私がノエルちゃん達が好きな事も、
私が犯した罪も、私の心も、
全て変わらない。
…変わらないのに変わろうとしてる私は変だ。
気が付けば周りは真っ暗になってた。
気付かなかったけど
どうやらノエルちゃんはリビングにいるみたいで
私の部屋の扉は閉まっていた。
いつも迷惑をかけちゃって申し訳ないなぁ…
後で謝らないと…ってか明るくならないと!!!
顔や体調にも出てきちゃうからね!!!
「そうだ…買い物に行こう!!!
明日、歓迎会やるし!!!」
歓迎会の時、おめかししちゃおうかな?!!
そっちの方がいちかちゃんも私も
楽しい気分になるよね!!!
…でも真っ暗な時に外に出ちゃダメなんだっけ?
でもでも、まだ夜6時前だし大丈夫!!!
さぁ!!!晩御飯を食べる時間になる前に
早く行かないとね!!!
迷子になっちゃった…
ここどこ?本当にどこなの?
私、ショッピングモールから出て…
さっき気づいたんだけど…
普通なら左に曲がる所を右に曲がっちゃって
そこから凄く凄く進んだり曲がったり…
元の道に戻りたくても戻れないよー…!!!
ノエルちゃん助けて…!!!
もう…どう足掻いても無理過ぎるよ!!!
「あぁぁぁ…
どうしてこうなっちゃったんだろう…」
…あの時もそうだった。
どうして動けなかったのか、
どうして私は一緒に渡らなかったのか、
どうして私は??を庇えなかったのか、
あの時はずっと考えてたなぁ…
どう考えても私が全部悪いから
その事を考えるのは止めたんだけどね
「あぁ…LIN○の既読がつかないよー…」
今頃、ノエルちゃんは晩御飯の準備してるから
既読つかないのかな?
うーん…どうしよう……
確か…いちかちゃんは
この時間帯に出たらダメらしいし
ココネ先輩は鍛錬してるか晩御飯を作ってる…
ノエルちゃん以外、頼ったら迷惑だよね…
まぁ…もしノエルちゃんを頼ったら
ノエルちゃんに迷惑かけちゃうけど…
ノエルちゃん、ピンチな時は私に助けを求めて
って言ってたし…
でも実は迷惑だったりするよね…
あー…もうどうしよ…
トコトコトコ…(他人の足音らしき音)
あっ!!!誰かの足音が聞こえる!!!
少し大変かもしれないけど…
その人に道を聞けば何とかなる!!!
…この足音は近づいて来てるみたいだし
丁度良いかも!!!
バッ…!!!(振り返る)
「あの…!すみませ…」
モブ「チッ…バレたか…まぁ。
それでも関係ねぇ、○ね」
バッ!!!(モブが包丁を取り出す)
スッ!!(こちらに刃物の先端を向けながら走って来る)
「え、え…?!」
あ…もしかしてコレって天罰?
神様、数年後に天罰を下すなんて遅過ぎるよ…
でも…ようやく許して貰えるのかな。
いや、地獄に行って…
その地獄で罪を全て償えたら許して貰えるのかな。
何をしたら許して貰えるのか
私には分からないけど…これで○ねる。
追突されたり引き摺られるよりも
きっと痛くない最悪な方法で…。
…
だけど私に突き刺さるはずの刃物は
私に突き刺さる事は無く粉々に砕け散った。
そして私の目の前には見た事がある女の子…
そう、ノエルちゃんだ。
モブ「何で包丁が粉々になった…?!!
テメェ、何をしたらそんな…!!!」
ノエル「お前こそ何なの?
包丁を誰に向けようとしてたか分かる?」
私の目の前にいるノエルちゃんは
モブの事を真っ直ぐ見てて…
どんな顔をしてるのかは分からないけど
今のノエルちゃんは冷たい。
あの時の冷たさとは違う、心の冷たさ。
…私はその冷たさを知らないはずなのに
怖がったり怯えたりする事は無く
ただ普通に立っている。
きっと薄々、気付いてたからかな。
ノエルちゃんの気配的なのは分からなくても
彼女から感じる心はいつも冷たい。
でも私やいちかちゃんと話す時だけ
心が温かくなってる感覚を直感的に覚えてた。
多分それのお陰で冷静になれてる気がする。
でも…どうして私やいちかちゃんとと話す時だけ
心が温かくなるのかは私には分からない。
モブ「は、はぁ?そこのガキにだよ」
ノエル「ガキって言わないでくれる?
彼女は高校生なんだけど」
モブ「だとしても俺にとってはガキだし
そもそも、お前は急に現れて何を…」
グサッグサッグサッグサッ………
(ノエルがモブの頭部を何度もナイフで刺す)
スバッ…!(そのナイフを引き抜く)
ノエル「黙れ。」
私はその光景に慣れていないはずなのに
「痛そう」と言う感情しか湧かなかった。
自分がここまで冷たい人間になってるとは
思わなかった私は酷く私に失望した。
【ノエル視点になります】
私にとって、この○体をどうするかよりも
セイちゃんの安全が一番大事だ。
一旦アイツは放っておこう。
「セイちゃん、大丈夫?」
セイ「うん…大丈夫だよ」
彼女の顔は少し残念そうな顔をしてるが
その顔を隠そうとしてるのか、
不安そうな表情をしてる。
「セイちゃんは過去の事に囚われ過ぎだと思う」
セイ「え、過去の事…何の事?」
「とぼけないで。
セイちゃんの本名をネットで検索すれば
あの話はすぐに出て来る」
セイ「……本当にノエルちゃんって
人の事を詮索したがるよね」
「別に情報自体は興味ないけど、
事前に知っておく事で大切な人を助けられるから」
セイ「ねぇ、一つ聞いても良い?」
「何でも聞いて良いよ」
セイ「どうやったら妹に…
セナに許して貰えると思う?」
これは難しい質問ではない。
彼女が考え過ぎてるせいで難しくなってるだけ
だけど、その事を伝えるつもりはない。
それがセイちゃんの優しさだから。
でもセイちゃんはずっとコレの答えを探してた
だからこそ、この質問を私は答える。
「…セナはセイちゃんの事を恨んでないと思う。
だから、許されるとか許してくれないとかは
もう考えなくて良いと私は思ってる」
セイ「でも私は最悪な姉なんだよ?
セナは大切な妹だって言ったのに…
私が必ず守るって言ったのに…!!!
私は何も出来なかった!動けなかったの!!」
彼女がそう考えるのは知ってる。
だからこそ唯一説得できる彼女を呼ぶ方法を
私はずっと探していた。
そして今、「探してた甲斐があった」
と言える状況になってくれた。
「…セイちゃん、場所を変えよう。
ここだと近所迷惑だから」
セイ「…分かった」
「セイちゃん、きっと私が何を言っても
本当は違うかもしれないって考えると思う。
だからセイちゃんはセナに恨まれてないって事、
そしてセイちゃんは良い子だって事を証明する為に
今から証人を呼ぶね」
セイ「…セナは生き返らないし
お父さんもお母さんも私と同じ意見だと思うけど…
いや、お母さんは分からないか」
この件が終わった後、実家の住所を教えて貰おう。
「セイちゃん、ちょっと待っててね」
そして私は神社の鳥居っぽく作った
手のひらサイズの小さな段ボールと
知り合いから貰った降霊のお札を取り出し
儀式…と言うよりは降霊させる為に必要な事をし
最後に新井セナを降霊させて下さいと
心の中で願った。
すると彼女は現れた。
半透明だがハッキリと可愛らしい顔が見え
学生服を見に纏い、天使の羽の髪飾りを付けてる
そう、目の前に現れた彼女が新井セナだ。
飲酒運転によって起こった交通事故によって
当時8歳と言う若さで亡くなってしまった少女は
今、人と言えるか怪しい少女の手によって
現世に半透明だが再び姿を現したのだ。
そして、その少女は少し険しい顔で私に話しかける
セナ「私、何で呼ばれたのか分かるよ!
早くお姉ちゃんの元に行かないと!」
「なら話が早くて助かるよ。
私は後で行くから、あそこにある扉から出て。
そしたら、セイちゃんがいるから」
セナ「うん、分かった!
ノエルさん、行って来るね」
「まさか私の名前まで知ってるとは…。
いや、いってらっしゃい」
そう私が言うと、
嬉しそうな顔で扉を開けて出て行った。
本当にこの姉妹はよく似ている。
考え方や容姿は少し違うが
喜怒哀楽などの表情が出るタイミングは
二人とも同じみたいだ。
さて、私はこの降霊術の後片付けをしないと。
この降霊術、降霊させたい霊が現世に現れたら
ここにある鳥居っぽく作った小さな段ボールを
早く燃やさないといけない。
何故ならば他の霊も
現世に現れてしまうかもしれないんだとか。
本当なのかは分からないけれど、
一応やらないといけない事らしいのでやっておく。
カチッ…カチッ…ボッ…(ライターで段ボールを燃やす)
段ボールを燃やした際、火事にならない様に
水が満タンに入った水槽は二つ用意してある。
特に今火事になったら、
セイちゃんとセナはアイツらがいる家に
帰らないといけなくなる可能性もある。
それは絶対に嫌だ。
あんな奴らにセイちゃんを預けたら
絶対に彼女の心を壊してしまうし
アイツらにセナは見えないから
セナもセナで苦しむ事になる。
そんな事はさせない。絶対にさせる訳にはいかない
あの子は世界で2番目に大切な人だ。
それ程、大切なあの子を
アイツらに○されてたまるか。
私は完全に段ボールが燃え切ったタイミングで
水槽を炎の方へ勢い良く傾けた。
【セイ視点に戻ります】
私今、凄く驚いてる…
多分、冷たいのが頬を伝うから
涙も流してるんだと思う。
だって目の前に大切な妹であるセナが
半透明だけど居るんだもん。
そんなの…嘘みたいで…凄く嬉しくて…
私、セナに話したい事がいっぱいあるから…
でも私のせいでセナは○んでしまった…
きっとセナは私の事を恨んでる。
絶対に許される事が無い罪を
これからも背負って生きて行くんだ。
セナ「お姉ちゃん…ノエルさんって凄いね!
だって今私、お姉ちゃんの目の前に来れて
声を出せてるし物にも触れられるの!」
セナの声を聞いたのは久しぶりだなぁ…
ずっと…この声をもう一度聞きたかった。
あの嬉しそうな顔と声が…
私に突き刺さって心が苦しい。
もう聞いてしまった方が良いのだろうか。
いや…!!!
せっかくノエルちゃんが頑張って用意してくれた
重要な機会なんだから聞かないといけないんだ
「セナ…あの…私、謝りたい事があるの…
セナの事を守るって言ったのに…
あの時、助けられなくてごめんなさい…
ずっと通報した後は側にいたのに…
頑張れって言えなくてごめんなさい…
私のせいでセナが○んで…私、ずっと後悔してたの。
あの時、一緒に横断歩道渡ってたら
セナを突き飛ばして私が轢かれたら良かった
って思ってたの。
でもどんなに謝っても後悔しても
セナは戻って来ない…」
セナ「ううん!そんな事はないよ!!!
だって私今、半透明だけどココにいるし
お姉ちゃんの事、大好きなんだよ!!!
別にアレはお姉ちゃんが悪くないもん!!!
お姉ちゃんが”自分のせいで○んだ”って言う
嘘ばっかり言うから私、怒ってるんだからね!!!」
「…セナ、嘘吐かなくても良いんだよ」
セナ「ううん!嘘じゃない!!!
本当の事だもん!!!
アレは轢いた人だけが悪い!!!
お姉ちゃんは悪くないし凄く優しい
私の自慢のお姉ちゃんなの!!!
私のお姉ちゃんをそんな風に悪く言わないで!!!
私のお姉ちゃんなんだから分かるよね?!!!」
そう言ったセナの表情は少し怒ってて、
泣きそうになってた。
でも私は…私は約束も責任も…
全て破ってしまった、放り出してしまったんだ。
絶対に認めたら…ダメなんだ…
例えそれがセナは望んでいない事だとしても。
お父さんが望んでるんだ。
だったらお父さんの言った通り、
私のせいって事にしたままで良いんだ。
だから…
「でも…私は…」
セナ「もう!!!そんなに我儘だと
ノエルさんも怒っちゃうよ!!!
私はどんな事があってもお姉ちゃんが大好きだし
お姉ちゃんは悪くないもん!!!
もしお姉ちゃんが認めないと
ノエルさんにチクるから!!!」
「ノ、ノエルちゃんにだけは言わないで!!!
絶対に!!!」
セナ「じゃあ認めて!!!」
「ぅ…み、認めるから…!!!
私が悪くないって事、セナは私を恨んでない
って事も認めるから…
これからも私を見守ってて欲しい、
私をひ…一人にしないで欲しい…」
セナ「大丈夫!!!
だって私、しばらく消えないから!!!」
「え?な、何で?何か幽霊って呼び出して
ちょっとした後に消えるんじゃ?」
セナ「普通はそうだけど…
今回は特殊?な呼び出され方をしたから
お姉ちゃんとノエルさんが○なない限り、
私はあの世に帰れないんだよ!!!」
「え?!!逆に大丈夫なの?
その…あの世で出来た友達とか居るんじゃ…」
セナ「それも大丈夫!!!
ちゃんとお別れして来た!!!」
「お、お別れ?」
セナ「そう!!!実は…」
セナ「それでナイさんとコウジさんが…!!!」
「え、そんな事あっていいの?!!!」
セナ「あの世では良いんだよ!!!」
「そうなんだ…なんだか意外かも…」
セナ「そう?一個前の話の方が意外じゃない?」
一時はどうなるかと思ったけど
ちゃんと解決して良かった…
セイちゃんもセナも怪我や変な様子は無いし
今日のやるべき事は全部、出来たかな。
……これからはセナを含めて4人暮らしになるけど
いちかへの説明はどうにかなるし、
これから起きる障害は私が全て解決すれば良い。
私はどんな事をしてでも…
この生活を守っていければ何も要らないから。
だから明日も頑張…………
そういえば、○体の処理をするのを忘れてたな。
場所は覚えてるからどうにかなるけど…
早く行かないと面倒な事になる…
多分あの二人は会話に夢中で
横切る私には気付かないだろう。
良し、早く向かおう。
無事、歓迎会やいちかちゃんへの説明を終えて
数日が経った…のかな?
いちかちゃんにもセナが見えた時は
凄くビックリしたけど、
ノエルちゃんが丁寧に説明してくれたお陰で
いちかちゃんは早い段階で理解してくれて、
「私は平気だ」と言ってくれたと私は思うけど…
「うーん…私達が○ぬまでセナは現世?で
見守っていかないといけないのかぁ…」
正直、私が○ぬ瞬間を見せたくない。
凄く悲しい気持ちになるだろうし…
何も出来ないまま葬式が行われる事も辛いし…
私が○んだ時にノエルちゃんが生きてた場合、
きっと不安になっちゃうんだろうなぁ…
でもでも!!!
限られた人生を楽しむのが大事だよね!!!!
だって今は半透明だけどセナが居るんだもん!
二人でやりたかった事も出来るかもしれないし
未来の事でクヨクヨしてたって良い事ないもん!
ちゃんと笑顔で今を過ごさなくっちゃね!!!
あ、そういえば…私、雨が怖くなくなったよ。
どうしてかは分からないけど…
何となく…私は独りぼっちじゃない。
セナもノエルちゃんもいちかちゃんもいる
って分かったから…なのかな?
後、雨は闇じゃなくて光を照らす為にいる
一つの道しるべだって気がするからかな?
でも別に雨が闇でも大丈夫。
私には皆がいるから、
きっと私が道を踏み外しかけた時に
正しい道へ戻してくれる大切な人達が…
明日は佐崎姉妹と
シェアハウスのメンバーでカラオケか。
ちゃんと二人には見えるだろうし
あの時、降霊術を教えて貰った事のお礼も兼ねて
カラオケのお会計は全て私が払おうかな。
えーと…明日の天気は晴れのち雨…
午前中は晴れ、午後は雨で覚えたら良いかな。
じゃあ早めに行っといた方が良いから
後でいちか達に伝えておこう。
…雨ねぇ。
最近、ココネ先輩の話で聞いた事あるけど
雨の水は神様の涙って言う説もあれば
その日、亡くなった人への涙って説もあるらしい。
そして雨は闇を暴く光の様な物だとも言われてる。
私はどの説も信じていない。
だって雨は闇だ。
雨に濡れたら闇に引き摺り込まれる訳ではないし
雨自体が闇って訳でもない。
むしろ逆、雨は光だ。
私からしたら闇なだけ。
もう闇に染まってしまった私にとって
光である雨は私を光へ引き摺り込む闇でしかない。
そういや、神様の類は信じてないが
あの時は助かった。
数日前、○体の処理を忘れちゃったから
○体がある場所に早めに向かったんだけど、
○体も血も全て無くなってたんだよね。
そして、その後に何も音沙汰が無い。
つまり所謂、神隠しなのかは知らないが
もしかしたら逮捕されてたから本当に助かったな。
でも…この生活が守れるのなら
どんな人間だって邪魔であれば○せる。
…いや、こう言うと物騒だから言葉を変えよう。
私は雨塗れでも構わない。
雨塗れになっても私は変わらないから。
でも、どっかの誰かと一緒に濡れるつもりは無い。
私一人でいなくなるんだから。