私は母親が嫌いだ。
母はいつも言う。「ああ…不幸だわ」
母は昔父に浮気され、離婚した
離婚した日から母はだんだんとおかしくなり、
目にはクマができ、あっという間に痩せていた
あんなに幸せそうな母はどこへ行ったのか
それでも私は母に好かれようと努力した
テストで高得点を出すようにした
けど、母には満足して貰えなかった
料理を頑張った、
けど、母には満足して貰えなかった
家事を頑張った
だけど、母には満足して貰えなかった
私はこんな母にいつしか嫌気がさしていた
そして、今日も言っていた。
「ああ…不幸だわ、」
私は言った
「そんなに不幸なら死ねばいいじゃん」
軽い気持ちで言ったつもりだった
次の日母は台所で首を吊って✕んでいた。
テーブルには
ファイルに入った沢山のテスト私の物だった
隣には初めて私が母に作った料理、
ハンバーグがテーブルに置いてあった
私はその場に座り込んで母を目の前に
初めて泣いた。
数年後、私は大人になり、母になり、
一人の子を産んだ。
夫は浮気をして離婚。
そして私は、今日も言う
「ああ…不幸だわ、」
“母の口癖”
作・ぺろ