[岸野]
「はぁ゙ーー!!…やっちゃった…」
今日からどんな顔して会えばいいんだ。
昨日、過去のトラウマを話す途中で泣き崩れて、先生を抱きしめて。
聞いてきたのは先生だけど、それにしてもやりすぎた。
あの後、「ごめんね」とだけ言われて、何事もなかったかのように下校。
はぁ…。何やってんだ俺。
学校につき、靴を履き替えて教室に行く。
「……あ、岸野!おはよう」
「え、あ…おはようございます…?」
うわ…!?まさか話しかけてくるとは…完全に想定外だ。
今までなんの関わりもなかった先生と、急に馴れ馴れしいく話していては周りの視線が怖い。
足早に自分の席に座り、いつものように読書を始める。
「(これからどうなっちまうんだよ…)」
そんな不安を抱えてたものの、特に大きな問題はなかった。女子には「岸野くん最近青葉先生と仲いいよね~!」とか言われるけど。強いて言えば、先生とは毎日挨拶を交わすようになった、それだけだ。
それから、一層勉強が難しくなり、時間は一瞬のように過ぎていった。
あの時のほんの恋心は、心のうちにしまいこんで。
気付けば俺達もあと4ヶ月で卒業。
先生は他クラスなので担任も変わり、今じゃほとんど関わりはない。
このまま大した思い出もなく、恋愛もせず、卒業か…。
[青葉]
11月の後半、肌寒くなってきたころ。
「「さよならーー」」
ふう、もうすぐ11月も終わる…
今日は…テストの採点に保護者への電話、あと授業準備も…
「あれ…熱、かな…」
なんだか体が熱くてだるい…。
早く終わらせて帰ろう。
「……あ、教室に忘れ物した…!」
プリントを置いてきてしまった。
めんどくさい…けど取りに行くしかない。
ふぅ…はっ…いつもより教室が遠く感じる。一段一段が高い。
やっぱり熱がありそうだ……。
「えーっと…どこに置いたっけ……あった」
机の上に大量のプリントがある。
「こんなに沢山…。今日は早く帰りたかったのに…。」
仕方ない、とりあえずテスト採点から始め…
だめだ、目の前がくらくらする。頭がまわらない。
ガタッ!!
「え…!?先生!!?」
読んでくださりありがとうございます!!🥲
このシリーズ♡が多かったら完結後におまけ?番外編?みたいなの書きたいと思っています…!