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「お待たせしました」
ご飯、肉みそ茄子炒めと酢の物、出来上がった玉子焼きを持って水島君の席に運んだ。
「ありがとう。今時間あるなら、ちょっと話したいな。前、座ってよ」
「ええ」
もう店じまいしたからいいかと思い、4人掛けの席に腰を下ろした。水島君と対面になるように。
「んー…やっぱうまい」
玉子焼きをひとくち食べ、水嶋君がぽろっとこぼした。「佑里香さんの玉子焼きが世界一うまい」
「そんな大げさな」
「大げさじゃないよ。今日、天川社長が満を持して佑里香さんの玉子焼きを持ってきた。知ってるだろ?」
「あ…ええ。でも、いいの? お仕事の話なのに、私が聞いても」
「どうせ天川社長からプレゼンする内容は聞いているだろ。別にこの程度は構わないよ」
ほんとにいいのかな。
「缶詰の玉子焼き、うまかったよ」
「ほんと?」
「ああ。だから、俺と一緒にアメリカへ行かない?」
「えっ…?」
玉子焼きがおいしかったら、どうして私と水島君がアメリカへ行く話になっちゃうの!?
意味がわからず焦った。返答に困っていると水島君は目を細めて笑った。
「佑里香さん。湯川さんから聞いたんだけれども、結婚していなかったんだって?」
「あ…えっと……」
突然『結婚していない』と想定外のことを言われてしまい、思わずぎゅっと両手を握り締めた。左手にはめた指輪の感触が睦月君を思い出させる。
「俺、佑里香さんのこと、ずっと好きだったんだよね。片思いでさ。君はまるで俺の気持ちに気づいていなかったけど」
「えっ。うそ」
「うそじゃないよ。ホンキ」
そんなまさか水島君が私のことを好きなんて…。
いつから?
「だから、結婚していないなら俺にもチャンスあるよね。結婚を申し込んだら、佑里香さんは俺と一緒にアメリカに来てくれる?」
言っている意味が…わからなかった。いや、言葉の意味は理解できるのだけれども、急展開すぎて思考が追い付かない。
私のことを好きだったとか、チャンスがあるとか、アメリカに来て欲しいとか、いったいなにがどうしてこうなったんだろう。
「急にアメリカなんて…それに、どうして私なの? 再会したばかりなのに、そんな…」
「聞けば、天川社長とだって同時期くらいに再会しているよね、なら、同じじゃん」
「違うわ! 確かに私は彼と結婚していないけれど、大事にしてもらっているもの」
「彼がお金持ちだから結婚するの?」
「なっ…!」
「だったら俺を選ぶメリットもあるよ。佑里香さんが俺と一緒にアメリカへきてくれるなら、今回のコンペの採択品を折り紙の玉子缶にする」
水島君は本気で言っているの…?
「どうする、佑里香さん」
コメント
1件
うおおお急展開すぎて心臓に悪い〜!!💦 水島くんの「ずっと好きだった」からのアメリカ行きプロポーズ、しかもコンペ条件出すとかズルすぎるでしょ!笑 佑里香さんの「なんで玉子焼きが美味しいとアメリカ行きになるの!?」ってパニック具合にめっちゃ共感したよ😂 睦月くんとの関係も気になるし、この三角関係どうなるの…!? 続き早く読みたい〜!🌸