───その日は珍しく懐かしい夢を見た───
「ッ、やらなきゃ、やらなくちゃ…ッ」
「やらなきゃ、フランがぁ…ッ」
私は酷く追い詰められていた
精神もおかしくなりそうで、でもやらなかったらフランが……
─殺されちゃうから─
「レミリア…さ、ん」
「ッ、さと、り」
「大丈夫よ…覚悟は…出来てるわ…ッ」
「すみません…私が、不甲斐ないばかりに…」
「いいえ、誰しもそうよ。」
「私が…特殊なだけ…」
何とかさとりを頼りに心を落ち着かせる
喋るのが精一杯で…足はガクガクよ…
「ッ、ごめんなさい…ッ」
この館に火をつけた瞬間、ボワッと炎が広がるすぐに館全体が炎包まれた
「あぁ…あぁぁぁ………ッ」
絶望と罪悪感で押し潰されそうになった。
命令とはいえ、やってはダメな事だった…
「レミリアさんッ、早くこちらへッッ!!」
さとりの声でハッと我に返る
早く逃げないと、私達も巻き込まれる
「ごめんなさい、ごめんなさいッッ」
心の中でもずっとずっと謝り続けた
「ッハッ!」
あれ、私は、何を…
さっきのは…
「ゆ、め…?」
「夢、夢、ね、そうよ…」
「はぁ、なんであんな悲劇をまた、思い出してしまうのかしら…」
10年前の出来事だった。
私達は゛ある人゛に脅されて…
───闇影塚家を放火した───
仕方がないことなのだけれど……
私達の事にあの子達を巻き込んで…………
「はぁ…リフレッシュ出来てないわよ…」
「仕方ない、課題でも終わらせましょ」
やえい、づか…何か引っかかるような
「ふぅ、終わったわね」
時刻は夜0時、日付が変わった。
「明日は…行けなさそうね。」
「……あれ?この仕事、今日できるじゃない」
「じゃあ今日終わらせたら明日も行けるわ!」
「そう来たら、ちゃっちゃと終わらせましょ!」
明日行ったら、もしかしたら何か分かるかもしれない。
その希望にかける
私は昨日と同じく、フランとこいしちゃんと登校していた。
「じゃあ、お姉様!ばいばい!」
「えぇ、またね、こいしちゃんも」
「はい、ではニコッ」
無邪気な笑顔、羨ましいわ~…
廊下を歩いていると、何者かとぶつかった
「ぁ、すみません、よそ見していて…」
「え、あぁ、こちらこそ…って、レミリア?」
「ッ、あ、え、こ、紅?」
「なに、テンパってんだよ、」
「ッ!」
「んじゃ、またな」
「え、えぇ、また 」
今のコイツの不敵な笑み、なんか引っかかる。
…あと、ぶつかる前、コイツは゛あの人゛の名前を言っていた
「永、琳…さん……」
そう、アイツは永琳さんの事を言っていた。
詳しくは「永琳」と呟いてた感じなのだけれど…
「あら?レミリアじゃない」
「ッ、ビクッ」
「そんなに怯えなくてもいいのに、ねぇ?」
「永琳、先生…」
「ふふふ、じゃあ、また今度」
永琳さん…
時々圧をかけてくる。さとりにも…しているのだろうか。
私は足早に教室へ入っていく
「ふぅ、なんか安心するわねボソッ」
そんな事を呟く。
紅と言ったら机で突っ伏して…寝ている、のかしら?
気になった私は、少しつついてみた
「紅、起きなさい…」
「ちょっと、起きなさいっての…」
呆れた私は強めに叩いてやった
「おわッ、なんだよ…」
「いやぁ、貴方が起きないから、つい 」
少しだけ笑みを加える
「で、なんの用だよ」
「霊夢は?居ないの?」
「んあ?霊夢か?」
「あれじゃーねーの?委員会」
「あぁ、確かに、そうかもしれないわね」
「多分恐らくきっとそうだと思うぞ」
満面の笑みでそう言ってくる
はっきり言って腹立つわね
脳天スピア・ザ・グングニル決めてやろうかしら
…そういえば、今の顔…
誰かに似ていたような……
「蒼…ボソッ」
「ん?なんか言ったか?」
「あ、いいえ、なんもないわ、」
「霊夢がいないなら私、席戻るわね」
「へいへい」
そう言い、コイツはまた寝る体勢になってやがる
まぁ関係ないのだけれどね。
無意識にある人物の名を口にした
何故だろう、そ、う…?
私は知らない気がする……
ただ単に私が忘れているだけ?
はぁ、分からないわ……
近いうちに、解決するといいのだけれど。
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