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★ Wakai Hiloto side
「…はあ」
最近、涼ちゃんに「おやすみ」も「おはよう」も何も言えてないな…
そう思ってから1週間が経った。
涼ちゃんは仕事の関係もあるだろうが、段々と帰りが遅くなってきていた。
浮気してるから、そういう可能性も十分に考えられる。
結局不安で寝れない生活が、何日も続いている。
「…涼ちゃんのスマホ?」
朝とは言えない時間帯にリビングに行くと、涼ちゃんのスマホが机の上に置いてあった。
ぴこん、と音が鳴ってスマホの画面が明るくなる。
【昨日はありがとうー!】
【またよろしくねー】
【いつも付き合ってくれてありがとう!笑】
そこには阿部くん、との表示があった。
いつも付き合ってくれてる…って、なにが…?
不安と多少の好奇心に負けてしまい、 昔教えてもらったスマホのパスワードを入力する。
メッセージアプリを開いて、阿部さんとのメッセージ画面を見る。
通話履歴が何個もあって、涼ちゃんからかけているのが多かった。
阿部さんからかけているのもあったが、やはり涼ちゃんからかけている方が多い。
「…うわき…してる、?」
やっぱり…浮気してるの?
確信を持ちたくても、持ちたくなかった。
あんなに俺のことを愛してくれていたのに、
他の男とずっとずっと愛し合ってたってわけ?
そんな事実を認めるなんて、したくてもできない。
『…あれ、若井?』
「…ぁ、え、涼ちゃん…?」
どうやらお風呂だったようで、バスタオルを肩にかけて俺の方に近づいてくる。
『スマホなんかあった〜?』
「ぁ、や、…なんも、ないよ……」
『ん?そっか』
会話の内容どういうこと、とか
浮気してるの?とか、
言えるわけないじゃん
「…涼ちゃん、…」
『…ん?』
「……っ、」
『若井…?』
今日だけは
今日くらいは
おれだけ、みてて
目を開くと、整えられたシーツに着せられた服、
俺を抱きしめながら すやすやと眠る涼ちゃんが視界に入った。
「………、」
涼ちゃんはきっと、俺なんかより別の人が好きで
ただの、メンバーと変わりは無い
ちょっとひねくれた関係ってだけで
ただの、バンドメンバー。
それであっても
俺が涼ちゃんの隣に居たいと願ってしまう
今日くらいは許して欲しい
このわがままを
許して
コメント
2件
だぁあすき
続き待ってます🫱🏻🫲🏼❗️