「ま、真澄隊長!!」
「俺緊張で心臓出るかと思った!!」
今にでも飛びついてきそうな勢いで腕を上下に振って訴えてくる。腕の動きに合わせて頭のアホ毛もぴょんぴょんと飛び跳ねている。
要するに…
「ウルセェ」
「心臓は出てねぇし、そんな動くな」
「…今日優しい」
じっと見つめられたかと思えば口に出したのはその一言、髪を整えてなかったらその能天気な頭を鷲掴みにしていた。
「あ?いつもは優しくねぇって言いたいのかよ?」
「いや!そうじゃなくて!」
「いつも以上に?優しいなって!!」
弁明しようと必死に説明して、さっき五月蝿いと言ったことはどっかに放り投げて忘れたようだ…
大してキレてもいないことぐらいとっくにコイツは気付いてんだろ…
「そーかよ」
「おう!!」
緊張しているとは露ほど思えないほどに元気に返事をして、いつか京夜が犬みたいだとは言っていたな…と座ってる四季を見下ろす形で見れば犬のように満遍の笑みで見つめてくる。
「フッ…」
ずっと見つめてきた真澄隊長が急に笑った、普段は口だけ笑ってるように見えるけど。ちゃんと笑った!
鼻で笑われたみたいだったけど!
うっすらと細められてた目がいつも通りに見開かれる真っ黒な目の中には俺だけが写ってる。真澄隊長の瞳の中の俺は幸せそうに笑ってた。
「真澄隊長!俺明日から淀川って名乗って良いの?」
「あ?…好きにしろ」
髪を崩さないような優しい手つきで、俺の優しい恋人は俺を撫でてくれた。
「真澄隊長は結婚とか興味ねぇと思ってた」
白いスーツで片側だけかき上げられた髪の真澄隊長を下から見上げる。
「ねぇよ」
「えっ!やっぱ?」
「でも、じゃあ何で式上げてくれたん??」
目の下にある二つの黒子を撫でるようにして、さあな。とだけ答えた。
お前を俺のモンだって証明する為…そんな事を言いそうになる内心はコイツに言ったらどうせ調子に乗るだけだから死んでも言わないでおこう。
四季の目に映る俺は普段と違うような笑い方をしているように見えた。
『あぁ…これが幸せってやつか』
コメント
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わ!ますしきだ!もう幸せ✨️ (。・ω・。)ノ♡💍✨👍
最高すぎ、、、d:(´ཀ`」 ∠):