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#バトエン
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「――っ、ちょ、みんな、今のプレー見た!? 今の、マジで神懸かってたでしょ……!」
自室でゲーム配信中の明那は、マイクに向かって必死に声を張っていた。だが、その声はどこか上ずり、手元のコントローラーを握る指先は微かに震えている。
理由は明白だった。
画面に映らないデスクの下。そこには、いつの間にか部屋に忍び込んでいた不破がいた。不破は明那の膝に顔を埋め、服の裾をぎゅっと掴んだまま、時折いたずらに明那の腿を指先でなぞっている。
(ちょ……ふわっち、マジでやめてって……!)
カメラには映っていないが、明那の顔はすでに真っ赤だ。不破は上から目線の余裕なんて欠片もなく、ただ寂しがり屋の子供のように、執拗に明那の体温を求めていた。
「……んっ、」
不破の指が、明那の腰のあたりを不意に強く引き寄せた。
「……ぁ、えっと、今の、今のなし! 操作ミス!」
「明那……」
不破がマイクに拾われないほどの小さな声で、切なそうに名前を呼ぶ。明那の首筋に不破の熱い吐息がかかり、背筋にゾクりと震えが走った。
「……っ、ふぅ、ぁ……。ちょ、みんな、一回落ち着こ? 俺、一瞬トイレ行ってくるから……!」
限界だった。明那が立ち上がろうとした瞬間、不破がその腕をぐいっと引いて、自分の胸の中に閉じ込める。
【チャット欄】
• 今の「んっ」って何!?!?!?
• 明那、顔赤すぎない?w 画面越しでもわかるんだけど
• 誰かいる……? 今、誰かの声聞こえた気がするんだけど。
• 「明那」って聞こえなかった!?!? 幻聴!?!?
「……ふわっち、離して……バレる、マジで……」
「やだ。……配信、終わるまで待てへん」
不破の少し湿った瞳が、明那を至近距離で見つめる。
明那はマイクのミュートボタンを連打しながら、可愛らしく眉を下げて、なす術もなく不破の腕の中に沈んでいった。