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その日。
宮舘と渡辺は、久しぶりに二人そろって仕事が休みだった。
朝日が差し込むダイニングで、宮舘が用意した朝食を向かい合って食べる。
「いただきます。」
「いただきます。」
穏やかな休日。
テレビからは朝の情報番組が流れ、コーヒーの香りが部屋いっぱいに広がっていた。
「翔太。」
宮舘がパンを口に運びながら優しく声を掛ける。
「ん?」
「今日は少しおしゃれしてくれる?」
渡辺はきょとんとした顔で首を傾げた。
「……なんで?」
宮舘は少しだけ意味ありげに微笑む。
「今日はデートの日だから。」
その一言で、渡辺の動きが止まる。
「……デート?」
「うん。」
「せっかく二人とも休みだから。」
「一日、翔太と過ごしたい。」
宮舘は照れる様子もなく、当たり前のようにそう言った。
一方の渡辺は耳まで赤くなる。
「……急にそういうこと言うなよ。」
「照れちゃった?」
宮舘がくすっと笑う。
「……うるさい。」
照れ隠しにコーヒーを一気に飲み干す渡辺を見て、宮舘は優しく目を細めた。
「じゃあ準備しようか。」
「……うん。」
渡辺は照れたまま立ち上がり、寝室へ向かった。
___________
クローゼットの前。
「うーん……。」
渡辺は何着もの服を見比べながら悩んでいた。
「どれがいいんだろ……。」
せっかくのデート。
少しでも宮舘に「かわいい」と思ってほしい。
そんなことを考えている自分に気付き、さらに恥ずかしくなる。
「……涼太。」
寝室のドアを少しだけ開ける。
「ちょっと来て。」
「どうしたの?」
宮舘が部屋へ入ると、渡辺は少し困ったような顔をしていた。
「服、決まんない。」
「選んで。」
宮舘は嬉しそうに微笑む。
「もちろん。」
クローゼットの中をゆっくり眺め、一着のワンピースを手に取った。
淡い水色のシフォンワンピース。
風が吹けばふわりと揺れそうな、優しい雰囲気の一着だった。
「これ。」
「翔太にすごく似合うと思う。」
渡辺は少し驚いたようにワンピースを見る。
「これ?」
「うん。」
「着てみて。」
「……分かった。」
数分後。
着替えを終えた渡辺が、おそるおそる寝室から出てくる。
「……どう?」
少し恥ずかしそうに裾を整える姿に、宮舘は思わず息をのんだ。
淡い水色が渡辺の透明感をより引き立て、柔らかなシフォンが歩くたびに優しく揺れる。
宮舘は自然と笑みを浮かべた。
「……すごく似合ってる。」
「本当に綺麗。」
その一言で、渡辺の頬が一気に赤く染まる。
「……またそういうこと普通に言う。」
「本当のことだから。」
宮舘は優しく微笑む。
「今日の翔太、誰よりも素敵だよ。」
渡辺は照れ隠しに宮舘の肩を軽く叩く。
「もう……。」
「褒めすぎ。」
「でも。」
小さく笑って宮舘を見上げる。
「……ありがとう。」
その笑顔を見た宮舘は、照れてる渡辺をもっと見ていたいと、静かに胸の中で思うのだった。
コメント
1件
読み終えました。休日の穏やかな空気感が丁寧に描かれていて、とても心地いいエピソードでしたね。宮舘が「デート」と自然に言い放って渡辺を照れさせるところ、そして「誰よりも素敵」と真っ直ぐ褒めるところに、二人の関係性がよく出ているなと感じました。服選びに悩む渡辺の心情描写も可愛らしくて、淡い水色のワンピースが彼にぴったり合うという選び方も、宮舘の観察眼の良さが伝わってきます。日常の中の小さな特別感が、ほっこりと心に残る第1話でした。
おその★
5,350
おその★
21,025
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kaede🍁
79,808