テラーノベル
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ーぜんこぱす視点ー
2人と過ごして幾つか経った頃。未だ死闘等が起きた連絡も無い。平和な学園であった。
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「ウパとぜん食堂行こ」
そう急に肩を叩かれる。尻尾が当たっている為、ラテさんだろう。ぽれは承諾し、2人と食堂に向かう。
食堂に着いた。扉を開けようとしたその時
「ガコッ」
そんな鈍い音が廊下にまで響き渡る。
恐らく食堂からの音だろうとぽれ達は容易に想像出来た。
ラテさんとウパさんは急いで食堂の扉を勢いよく開ける。ぽれも焦りながら、その2人の背中を追いかけた。
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開けるとそこには惨憺たる光景が広がっていた。ウパさんは微かに
「嘘だろ」
そう呟いていた気がした。
ラテさんは無言で居る。だけれど彼女の瞳を見るに、怒っている事が容易に想像できた。深紅の瞳が、どす黒い目に変わって行く。
まぁ、ラテさんが怒るのも無理が無い。
だって
人間、?が殴られ、蹴られ。好き放題に虐められている光景を目の前で見せられているのだから。
ラテさんとウパさんに着いている人魂のような形のピアスがヒラヒラと動く。そう言えばこの2人お揃いなんだな、とこの状況でどうでもいい事を考える。よく見れば、被害者の人間…にも同じピアスが着いている。という事は仲間なのだろう。
「何してんだよッ!!!!」
そんな声が食堂全体に響き渡る。ウパさんが叫んでいる声だ。仲間の事になるとやはり冷静を保てない。それはここ数週間で理解できた。
一方ラテさんは無言で加害者を睨む。
まるで正反対な奴らだな。と初めて会った当初はそう思っていた。まぁ実際そうなのだけれど。
虐めているのは、エルフの双子であった。この学園の”ランク”によると、恐らくだがBは硬い。ぽれはそんな奴に勝てるのだろうか。そう思考を巡らしているとラテさんとウパさんは既にエルフに飛びかかっていた。
「バキッドコッ」
エルフに向けた攻撃だろう。とんでもない音がする。流石九尾と水神。そういう他無かった。でも、
「ボキッ」
その音と同時にラテさんが悲鳴を上げる。
足を折られたのだ。再生出来るのだろうが、痛みには代わりも何も無い。ラテさんの瞳には涙を浮かべている。恐らく能力を使えない時はそこまで戦闘向きな訳じゃ無いのかもしれない。……それも九尾での話だ。人間には及ばないけれど。
ウパさんはラテさんが攻撃された事を知ると
「ぜんさん」
と先程との変わり様に驚くがぽれに助けを求めてくる。流石に1人でエルフ2人は無理がある。ぽれも手伝おう。
エルフがラテさんの折れた足を更に踏みつけようとする。本当にクズだ。
まぁ、そんな事させないけどね♪
「バキッドコッボンッ」
ぽれは片方、被害者を殴っていたゴミを掃除しておいた。そいつは「かハッ」と倒れ込む。
ぽれは無言でそいつの耳を持つ。痛いと言っていた気がするが気にも留めない。
ぽれはそいつの片耳を、引きちぎった。
エルフは、声を上げ泣いていた。
「汚い声出さないで貰っていいですかー?エルフさん♪」
必死にエルフが耳を抑え、再生を待っているのは、非常に滑稽だ。笑いが止まらない。ぽれは相手を待つほど出来た奴じゃないので更に蹴りを入れて置く。殴ればいいって?此奴に触るなんか無理に決まってるでしょ。
周りのゴミも何だかザワザワしていたが。まぁなんでもいっか。
先程同様な音が聞こえた。恐らくウパさんがもう1人を掃除したのだろう。ラテさんも足を再生して、何も無かったかのように、被害者へ駆け寄る。
「ありがと…ッ”ぅ、」
その様に被害者の彼女は言い残し、意識を暗転させて行った。
「あー疲れた……ぁ”」
ラテさんとウパさんが同時に言う。お互いを見て笑い合う。いつもの光景だ。そうしばらくすると、コツコツとヒールの音が鳴る。まぁ大体誰かは予想が着くけれど、案の定
学園長、めめさんだ。
「エルフ達の行いは非常に良くない。貴方達直々にエルフを諌めてくれた事を感謝します。」
彼女はニコニコと言う。サファイア色の瞳は何処までも恐ろしい顔でエルフを睨んでいた。ざまぁ見やがれってんだ。
又、彼女にもラテさんやウパさん、被害者のの様なピアスが着いている。恐らくめめさんにも面識があるのだろう。本当に、底知らずの恐ろしさだ。
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のんびりと雑談をしていると、被害者が目を覚ます。よく見ればアルファベットのSの様なピンを付けている彼女は、無理やり起き上がろうとするが、痛みでまたバタリと寝転ぶ。
「レイマリさん起きた!!!」
そうウパさんは彼女(以後、レイマリさんと呼ぶ)を抱きしめていた。その瞳には涙を浮かべていて、感動ものである。ラテさんもおっとりとした瞳がレイマリさんを見ている。
レイマリさんはぽれがいるのを理解すると、びっくりした様に自己紹介してくれる。
「私はSレイマリです。人間風だと東雲椎名です。種族は人間なのですが…魔法が使えます。死闘でしか基本的に使えないのでお見せできませんが。ラテさんとウパさんと一緒に何卒宜しくお願いします。」
成程。やはり再生が出来ないのは人間で能力がないと再生出来ないからだ。
彼女、めめさんはレイマリさんをヒョイと抱き上げ、何処かへ去ってしまう。恐らくだが保健室だ。保健室と言ってもこの学園は病院と繋がっているからどちらかと言うと病室?だろう。
ぽれ達は何事も無かった様にご飯を食べる。
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はい!2話終了です。2日間上げないですみませんでした。内容はある程度固まっていたのですが確定的に決まんなくてですね……まぁ適当に書くよりは丁寧に書いた方が良いんですわ!
さて、ぜんさんは一体何者何でしょう。ぜんさんは今回一応普段は冷静で大人しいツッコミ役だが戦闘の時は誰よりも先に攻撃するサイコパスな戦闘狂をイメージしてます!
て事でここまで読んでくれてありがとうございました‼️
👋🏻
コメント
2件
ltさん泣いてるの可愛いねえええええええええ(??????)