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カリモトリブレは理解する

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カリモトリブレは理解する

1 - 一件目「迷惑メール」

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2024年01月27日

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僕は探偵、カリモト リブレ

二か月前ぐらいからここにいる。


突然だが「虫も生きているんだから大切にしなさい!」なんて親から言われたことはないか?

君の答えはどうであれ、本当に大切にしておいた方がいいぞ…

「恨まれる」からな。



これは一ヶ月前に起こった出来事…

僕は依頼を受けるときにはメールを使っている、そっちのほうが便利だからな。

少しでも依頼が欲しいから看板やホームページにメールアドレスを載せて待っていたんだ。

そこで出会ったのが「迷惑メール」というもの。

本当にうざったらしくて嫌になる。

ポイントの申請だとか懸賞の当選とか、そんなのが100件ぐらい。

深い溜息をつきながら迷惑メールを消す作業をしているそんなときに、不可解な画像リンク付きのメールを見つけたんだ。

内容は…


https:×××××.jpn(伏せているがここにリンクが張られていた)

b\ru


メールのリンクに行くと拡大された虫の顔の画像が貼られていた。

突然出てきたので少々驚いたが、たかが虫だ、なんて考えがあんなことになるとは…

その出来事は後々わかる、次にいこう、画像リンクの下には謎の暗号と思わしきものが書かれている。

少し考えてみたが全く分からなかった。

結局謎のまま眠りについた僕だった…だが翌日、ネットニュースに恐ろしいことが書かれていた…

「住宅街が突如崩壊!!原因は不明」

驚いたよ…

崩壊した住宅街は僕が住んでいる場所の近くだったからな…

しかも原因は不明。

不可解なニュースに嫌な予感がしてきた僕だったが、今日も謎の暗号に悩み昼まで時間を無駄にしていた時、見たんだ。

天井の穴にアリが一匹入っていくところを…

なんでこんな所にアリがいるんだ?と思いつつも更に僕は疑問が増えた。

「家に穴なんかあったっけ?」

ここは新築だ、穴が空いているなんて問題としかいえない。

アリが穴を開けるほど脆い材質の木なのか?

疑問だらけだ。

まず僕は穴について調べることにした。

家具をつみたて登り、天井の穴を覗いたが何も見えない。

そこで僕はやむを得ず大きな穴を開けることにした。

一時間ぐらい…たった後、ようやく穴を開けることが出来た。

今度は頭から突っ込んで覗いてみると…

見えたんだ…

千匹を超えるアリが屋根の木をバリバリと食っている姿を。

そこで僕は思い出した。

今日の朝のニュースを…

「住宅街が突如崩壊!!原因は不明」

ここで僕は少し理解できた。

あのアリは「シロアリ」

栄養源となる木を食べて成長する正真正銘の「害虫

そんな害虫が千匹も…このままじゃ屋根と柱の木が食い散らかされて崩壊するのも当然だった。

シロアリの繁殖による被害」が今回の事件の全貌だと思ったが……少し…違う。

命の危険を感じた僕は逃げようとしたが、ここでマジにヤバい事が起きた。

おびただしい数のシロアリに囲まれたんだ。


囲まれたのなら逃げることはできない。

天井からはギシギシと嫌な音が鳴り今にも崩れてしまいそう。

普通の人間ならここで絶望するだろうが、このカリモトは一味違う。

僕は生まれつき特殊能力を持っていてね…

この「虫眼鏡」だ。

この虫眼鏡から覗いた物の「感情や記憶」を見たり変化させたりすることが出来る。

人は感情があるから行動する、これは動物にも同じことが言えるだろう。

物にも使うことが出来るが、それは他の話で言おう。

早速僕はシロアリを虫眼鏡で覗いてみた。

そうすると感情が見える…

「恨みの記憶」が見えた。

「俺たちは生きるために木を食ってたんだ!!」

「勝手に害虫害虫言って殺しやがって…お前らも殺してやる!」

正直、理由には同情する、とかそんなのんきなことは思ってられない。

こいつらを抑えるには、あれしかなかった。

恨みの感情を「消す」

シロアリは複数いるが一体感が見えた。

一匹の恨みを消せば、全体の恨みが消える。

そう確信し、虫眼鏡から見えた恨みの記憶に手を伸ばし弾き飛ばす。

恨みで行動する理由を失ったシロアリ達はもともと住んでいた場所へ戻るだろう、と思っていたが違う。

消えたんだ、シロアリが。

元からそこに居なかったように静かだった。

そこで僕は思う。

もしかしたらあのシロアリは恨みを持った「幽霊」だったのかもしれないと…

駆除されたシロアリの魂がこの住宅街に蘇り、悲惨な事件が起きてしまったと僕は考えている。

恨みの感情を消して成仏出来たかは分からないが、成仏出来ていることを願うよ。






あの出来事から翌日、ようやく暗号が理解できた。

それはキーボードのかな入力だ。

当てはめてみると…

こ ろ す な

b  \  r u

なぜ送られてきたかは詳しくは分からない。

シロアリの強い恨みのエネルギーが僕のメールに届いた、そう信じておこう。

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