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如何やら、夏が近付いて来たらしい。
暑さに因る仕業か、将又懶惰のツケだろうか。
許されるならばと謳歌して。
非ぬ何かに期待する。ぼんやり、ぼんやり。
立ち尽くす。ぼんやり、ぼんやり。
日常を。「こうも暑いと、何にもやる気が起きないねぇ。」
部屋の狭間、木床のコーギー。
頭にぽん、と掌を乗せる。
死んだ様に脱力した奴の脚。
くすりと微笑って仕舞う。
秒針の焦燥は、珍しくも解かれていた。
───。
風鈴はつい此の間、”つい此の間の私”が出したらしく、適当な頃に鳴いている。
空っぽの物干し竿も、飲みかけのサイダーが置かれた冷蔵庫も、ひとりに見えた。過ぎ行く感覚。
未だ嫌厭はせず。
もう、本当に、何もかもが如何でも良いような気がしてくるんだ。
思慮に大きな時間は要さなかった。
今日は一日、こうして居ようか。
真夏の猛毒。皿まで喰らって、倒れ込んで。
冷たい床に、固着する。さゆりとした毛並みの此奴。
腹に頭を乗せてみる。
「やっぱり、死んでいるのでは···」
それ程に、眠り落ちていた。
厭、確かな鼓動こそ在るのだが。
犬は、夢を見せてくれる。
陽射しが強い。
泳ぎゆく。
犬枕。