TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

洋が産んだカレーうどんを昼食として喰らった貴洋は彼が言うところの長時間労働(2時間)を終え、もう11月も下旬になろうというのに褌一丁で外出していた。

彼が一人で出歩くことに関して事務所の各員は特になにも言わないし、貴洋はそれを自立の証として捉えているので気にも留めていない。

真相としては貴洋が両乳首につけている弁護士バッチ風ピアスにGPSが仕込まれているから事務所各員は安心して貴洋を外に送り出せるのである。


貴洋はいつものように公園に入り、いつものベンチにボフッと座った。

入れ替わるように大人達は子供をつれてさっさと公園を出ていった。


貴洋は彼らをただ見送った。


我慢するということを知らない彼が公園の独占に対する歓喜を全て表に出さなかったのは以前、8才の少女に声をかけ、彼女の同級生の少年と喧嘩になった際に一方的な敗北を喫した事があり、余計なことをして敗北を繰り返すまいという彼の賢明な判断に基づいたものである。


さて、上級国民である貴洋は公園の独占を社会に与えられた当然の権利であると思っている。

しかしこの公園に於いて貴洋は間違いなく自分の力で公園を独占していた。

その力とは、至極単純なものである。


「も、もれちゃうナリィ!誰かおまるを持ってくるナリィ!」


「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」


公園に無能ボイスが響き渡り、今日の昼食のカレーが再生産される。

午後3時34分の事であった。

この作品はいかがでしたか?

17

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚