「嫌いになれない〜不器用な恋〜」
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「すみませんが、私は貴方とは付き合えません」
そう言って断った。規則で固く縛られた私なんかは貴方に似合わないし、私が貴方と付き合えるほどの価値などない。そう思ったからだ。私みたいな男と付き合ってもつまらないだろうし。
「そう言うと思いました」
ああ、そんな顔をさせるつもりはなかったんだ、本当は嬉しいと思っている自分がいる。本当は信じたい。でも私は拳を握りしめて、我慢する。こんな悲しい気持ちになったのはあの時以来だろうか。
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「すみませんが、私は貴方とは付き合えません」
そう断られた。それもそうだろう、第一に男同士であるから。それに、この人はそう簡単にOKを出すはずがない。でも僕は諦めたくない、手に入れたい。砂漠のような色をしていて渦を巻いた瞳、茶色がかっていてさらっとした髪の毛、歯車みたいな少し四角い頬のアザ、全てが綺麗だ。こんなふうに思ってるなんて気付いてなんかいないだろうけど。
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きっとカルドはああ言っても蜂蜜みたく、しつこく纏わりついてくるだろう。そんなことはして欲しくない、嫌いになれなくなる。これ以上、好きになりたくない。この気持ちには蓋を閉じなければ。でないと、傷つけてしまうから…
気付けば好きになっていた。銀色の髪も、甘党なところも、全部。
「嫌いになれない〜不器用な恋〜」
第一話 終
Sorry it’s short
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コメント
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切ない感じのスタートですが、カルドには頑張ってほしいなと思いました。続き楽しみにしてます。