テラーノベル
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学校へ行ったメンバーを見送ると、シェアハウスは普段の賑やかさとは打って変わり、どこか穏やかな時間が流れていた。
「お兄ちゃん、これ読んで!」 ゆあんくんが、昨日うりが持ってきた絵本をじゃっぴに差し出す。じゃっぴは得意げな顔で、まるで読み聞かせの先生のように絵本を読み始めた。
なお兄は、小さくなった3人でも遊べるように、持っていたカードゲームのルールを簡易化して教えている。普段はクールななお兄が、真剣な顔で子どもたちと遊んでいる姿は、少し微笑ましい。
そんな中、るなちゃんは、何だか元気がないヒロくんの様子に気づいた。
「ヒロくん、どうしたの?もしかして、お腹すいた?」 るなちゃんが優しく声をかけると、ヒロくんは小さな首を横に振った。
「なんか…ちょっと、ふわふわする…」
ヒロくんの言葉に、るなちゃんの顔色が変わる。額に手を当ててみると、少し熱い。
「熱があるかも…!?」
るなちゃんの声に、じゃっぴとなお兄も慌てて駆け寄る。確かに、ヒロくんの顔は少し赤く、息も荒いように見える。
「体温計、どこだっけ!?」 「えっと、救急箱は確か…」
大人サイズの救急箱を引っ張り出し、何とか体温計を見つけ出す。ヒロくんの小さな脇に挟んで測ってみると、表示された数字は38.5℃。
「やっぱり…!」
予想外の体調不良に、その場の空気が一気に張り詰める。昨日からの環境の変化や、慣れない生活で、小さな体がストレスを感じたのかもしれない。
「とりあえず、冷えピタ貼って、安静にさせよう」 なお兄が冷静に指示を出す。じゃっぴも、絵本を置いて真剣な顔でヒロくんの様子を伺っている。
「ヒロくん、大丈夫だからね。るなちゃんがずっとそばにいるから」 るなちゃんはヒロくんを優しく抱きしめ、額に冷えピタを貼ってあげた。幼いヒロくんの顔は不安げに揺れている。
この急なハプニングに、当番の3人はどう対応するのか?そして、シェアハウスにいる他の幼い2人にも、影響は出てこないのだろうか?からぴちメンバーの、試練はまだまだ続きそうだ。
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