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カフェに行った日のこと酔った死亡ちゃんに追いかけられて破滅が半泣きで店を飛び出していった後。
破滅(遠く)
「何がどうなってるんだよぉおおおおお!!?」
ドアがバタンと閉まり、
カフェには甘い香りと静けさが戻る。
レロちゃん(僕)
「いや〜★
今日も平和だねぇ」
恋愛ちゃん(ボク)
「……どこが」
スプーンを動かしながら、ぼそ。
「相変わらずだな、ほんと……」
でも、その声はどこか柔らかい。
——少しして、運ばれてきたスイーツ。
レロちゃんの前には、
ふわふわのパンケーキ。
レロちゃん
「わ〜!これ絶対うまいやつじゃん!」
目を輝かせて、迷いなく一口。
「……っ!なにこれ!美味し〜!!」
子供みたいに無邪気。
頬いっぱいに幸せそうな表情。
それを——
恋愛ちゃんは、つい見てしまっていた。
(……なに、その顔)
(ウザ悪魔のくせに…)
(ずる……)
胸の奥が、
きゅっと小さく鳴る。
レロちゃん
ふと視線に気づいて、顔を上げる。
「……ん?」
にやっと笑って。
レロちゃん
「どうしたの?」
「パンケーキ食べてる僕、
可愛くて見惚れちゃった?☆」
恋愛ちゃん
「っ——!?」
完全に図星。
思わず視線を逸らす。
恋愛ちゃん
「……は!?
そんなわけないでしょ!」
悔しさが勝った。
——なら、やり返す。
恋愛ちゃんは立ち上がり、
レロちゃんの顔を覗き込む。
恋愛ちゃん
「……ちょっと、レロちゃん」
レロちゃん
「ん〜?」
指先が、
レロちゃんの頬に触れる。
恋愛ちゃん
「……なに、
口にクリーム付けてんのさ」
指で、そっと拭い取る。
レロちゃん
「え——」
そのまま、
距離を詰めて。
耳元。
恋愛ちゃん(小声)
「……まさか、
取ってほしくて付けたのかな?」
一拍置いて。
「……レ・ロ・ちゃ・ん?」
——完全に予想外。
レロちゃん
「……っ!?」
思考が一瞬、真っ白。
レロちゃん(心の声)
(……え、なにそれ)
(そんなの聞いてないんだけど!?)
顔が一気に熱くなる。
一方——
言った本人。
恋愛ちゃん
(……やば)
(ボク、なに言って——!?)
自分で自分の発言にダメージ。
耳まで真っ赤。
恋愛ちゃん
「……っ……」
言葉が出ない。
沈黙。
その様子を見て——
レロちゃんが、ゆっくり口角を上げた。
レロちゃん
「……へぇ」
目を細めて、
満足そうにニヤリ。
レロちゃん
「今のさぁ……」
「完全にれんちゃんの負けじゃない?」
恋愛ちゃん
「……う、うるさい……」
レロちゃん
「ふふ★」
「まさか、
あんなこと言われると思ってなかったからさ」
フォークを持ち直して、
もう一口パンケーキ。
レロちゃん
「でもさ」
ちらっと恋愛ちゃんを見る。
「そういうイタズラ、
嫌いじゃないよ?」
恋愛ちゃんは、
もう顔を上げられなかった。
——
甘いスイーツと、
甘くなりすぎた空気。
イタズラの主導権は、
また少しだけ揺れ動いていた。