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女装してる君に恋をした

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女装してる君に恋をした

1 - 女装してる君に恋をした

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2025年06月16日

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こっちではボツとなった作品を投稿します!





それではどぞ!



黒×水






女装してる君に恋をした







「なあ、あんた……誰?」



放課後の人気(ひとけ)のない教室。


窓際の席に座るその子は、紺のセーラー服を着て、柔らかい栗色のウィッグを被っていた。


でも、俺の目は騙されへん。


その子が誰か、ひと目でわかった。


「……俺や、あにきや」


声をかけると、その子はびくりと肩を震わせて振り返る。


見間違えるわけがない。


長い睫毛の下、伏せられた瞳。少し上がった口角。


──ああ、やっぱりほとけや。


「……あにき、なんでここに?」


「先生に呼ばれて、忘れ物届けに来ただけや。……それより、なんやその格好」


俺がそう言うと、ほとけは黙って視線を逸らした。


制服のリボンをぎゅっと握り締めて、小さく息を呑む。


そして、ぽつりと答えた。


「文化祭の出し物で……女装カフェ、やるんだ。で、僕はモデルに選ばれて……練習、してた」


「……そっか。でも、ひとりでこんなとこで……寂しないか?」


「誰かに見られるの、ちょっと恥ずかしくて……。でも、どうしても、ちゃんとやりたかったんだ」


ほとけの言葉は、まっすぐで。


その姿は、たしかに女の子みたいやった。


けど、そこにおるのは紛れもなく「ほとけ」で──


俺の大事な、幼馴染や。


「……似合っとるな」


気がつけば、そんな言葉が口から出てた。


ほとけは、驚いたように目を見開いて俺を見つめた。


「……ほんまに、よう似合っとる。キレイや、って思った。……最初、ほんまに女の子か思ったし」


「……嘘、だ。そう言えば、僕が喜ぶと思って……」


「ちゃう。嘘ちゃう。マジや」


俺は前に歩み寄って、ほとけの正面に立った。


そして、そっとその頬に触れる。


「ほとけは、男や。でもな……女装してても、してへんでも、俺にとってはずっと──」


そこで、言葉が詰まった。


ほとけの瞳が、まっすぐ俺を見てたから。


「……あかんな、俺。ほんまに、お前に惚れてまうとこやった」


「……惚れちゃ、ダメなの?」


その言葉は、小さい声やった。


けど、耳元で囁かれるよりも強く、心に響いた。


「僕、男だよ。こんな格好、ただの文化祭のためだし……。でも、あにきが僕を“キレイ”って言ってくれたの、嬉しかった」


「……ほとけ」


俺は、ぐっと拳を握る。


気持ちを、確かめるように。


「俺はな、ずっと分からんかった。お前といると、なんや胸がぎゅってなる。笑ってくれるだけで、嬉しなる。けど、これは“好き”なんかって、ずっと悩んでた」


「うん……」


「けどな、さっき見た瞬間に分かったんや。俺、お前に──惚れてるわ」


静かに、空気が震える。


ほとけの頬が赤くなり、ウィッグの下で耳まで染まっていくのが分かった。


「……僕も、あにきが好き」


その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がぱんっと弾けた。


ああ、やっと分かった。この気持ちは、恋や。


俺はそっと、ほとけの肩に手を伸ばす。


「ちょっとだけ、目ぇつぶってくれへん?」


「……うん」


ほとけが瞳を閉じた瞬間、俺はその唇にそっと触れた。


柔らかくて、あったかくて。


女の子やない、“ほとけ”のキスやった。


「これでええか?」


「……うん。ありがとう、あにき」


教室の外には、夕日が差し込んでいた。


セーラー服に包まれた姿のまま、ほとけは俺の胸にすっと身体を預ける。


俺はその肩をそっと抱き寄せた。


女装なんて、関係ない。


ほとけは、ほとけや。


そして──俺の、大事な恋人になる人や。






ほら、やっっぱりだめ作…


最近やばい…それでは!

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