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レウクラウド視点
レ 「 相性サイアクだなおい…ッ! 」
機械の巨人には全然俺の炎が効かなかった。
そりゃあそうだよな、金属でできてるし…
なので、装甲が薄そうな所を探して内部から破壊しようとしてるんだけど…
レ 「 イダバーッツ!? 」
機械だし、デカいし、人間じゃないから関節とか関係ないから意味わかんない方向から攻撃してくるし!
しかも紫の髪の子の方はなんか宙に浮いてるし…
そのままあの鎌持って参戦されたらもう手の付けようないよ……
大体俺の火炎放射器みたいな1方向にしか向かない炎じゃ内部に届いたとしても金属を溶かせるかどうか位の威力しかないし…
そもそも機械って崩壊時に失われた技術で出来ているのでは…?
まさか本当に見ることになるとは…
こんな形で見たくはなかったけど…!
まるで、絵本で見たような―――
待てよ…?
紫の髪に瞳。
性別不詳な見た目。
大きな鎌。
まるで、絵本にでてきた、
レ 「 死神、…? 」
「 …覚えてたんですか?レウさん。 」
覚えていた…?
レ 「 何を…? 」
「 なーんだ、マグレか…。まぁ、いいでしょう。 」
「 そう、この僕こそが! 12柱の神の1柱、しにがみです!…まぁ、元なんですけど… 」
え、神様…?
状況に追いつけない。
絵本に出てきた神様が、今目の前にいる子ってこと…?
昔から、絵本が好きだった。
こんな終わったような、廃れ、崩壊した世界の中でも人間は好きな事を諦めないらしい。
でなければ、絵本なんて進んで作る人はいなかっただろう。
なんせ、皆毎日を生き延びるのに必死なのだから。
そんな、絵本の中でも有名なものがあった。
勇者と賢者と青い悪魔。
今とは違い、人間が栄え、魔法が使え、様々な種族が存在した世界のお話。
その派生のお話もあって、それも穴が空くほど読んだ。
誰に言っても、所詮御伽噺だ、と言われていた。
でも、何か、違和感を感じていた。
赤毛に赤色の瞳で、炎の魔法を操る、ガストという種族の、青鬼族の仲間の青年。
絵本に描かれた絵を見てびっくりした。
あまりにも自分にそっくりだった。
他にも、運営のみんなにそっくりな登場人物が居た。
これは本当に偶然なのか…?
四天王の2つ名も、この絵本の登場人物の種族から付けた。
皆の言う通り、偶然だとも思った。
でも、いざ物語の中の人物が本当に目の前に現れたら?
レ 「 絵本は本当にあった出来事で出来てたんだ…! 」
だとしたら。
赤毛の彼が自分であるなら。
レ 「 俺にもあの技が使えるはず…! 」
炎を自由自在に操り、被弾した相手を爆発で吹き飛ばす。
機械の巨人の攻撃を紙一重でかわしながら、炎を圧縮しつつ近づく。
そして、相手の腕を足場にして、高く飛び上がる。
首の付け根、唯一隙間が空いている場所…!
レ 「 喰らえ……ッ! 」
ドゴォォォォォォオンッッツ!!
レ 「 うっ… 」
成功した、けど、至近距離で爆発させたから反動が…ッ
きょーさんに教えてもらった受け身術を…!
レ 「 いでッ… 」
し 「 な…ッ、やっぱりレウさん記憶を――― 」
そう喋る死神の方へと弾け飛んだ機械の破片が飛んで行き……
し 「 あでッツ! 」
当たり所が悪かったのか、気絶した様だ。
レ 「 まって、落ちてってる! 」
気絶したせいか、宙に浮いていた死神が落ちてくる。
レ 「 ッツ〜、危ねぇー… 」
破片くらい避けろよ…
まぁ、ぶつかってくれて助かったけど…
レ 「 まさか、これが崩壊時に世界を救った神様なんて… 」
もっと凄く、こう、威厳がある感じだと思ってたんだけど…
レ 「 神様も、人間も、なーんも変わんないんだな… 」
そう思うと、何だか可笑しくなって、壊れてバラバラになった機械の巨人を隣に、神様を膝枕している、おかしな状況で1人笑ってしまった。