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※設定
無一郎、有一郎 14歳
参考にした人…まな板様
今日は双子の兄と家から歩いて15分くらいの所にある有名な喫茶店に行く日なのだ。
普段兄は滅多に喫茶店に来てくれないのだが
僕がしつこくお願いをしたら、
渋々着いてきてくれる事になったのだ。
毎朝僕は
兄に起こされて、起きているが、
僕はこの日を待ちに待っていたので、いつもなら二度寝をしている所も、
今日は二度寝をせずに起き上がった。
「おはよう、兄さん」
兄は僕が毎日二度寝していることを知っていたので、いつも冷静で冷酷な兄もこのことに
驚きを隠せていなかった。
「なっ…お前…熱でもあるのか…?」
そう言って兄は僕のおでこに手を当てた。
「もー、酷いや、兄さん! 」
「嫌だって、お前が二度寝してないんだぞ、?」
「もういいや、僕顔洗ってくるからね!」
そう言い僕は顔を洗って下の階に降りた。
「もう朝食出来てるから、食べて早く準備しろよ」
「はーい」
「いただきます 」
「美味しい! 」
今日の朝ごはんには昨日残ったふろふき大根が添えてあった。僕はふろふき大根が大好物なので微笑まずには居られなかった。
「ご馳走様でした」
「食べ終わったなら、机拭いとけよ」
兄は食器洗いをしながら僕にそう言ってきた。
「はーい 」
ふろふき大根を食べれた僕は上機嫌なので、満面の笑みで机を拭いて
出かける準備をした。
「兄さん準備できたよー!兄さんは出来た?」
「できた。そろそろ喫茶店行くか。混んでるだろうし…」
「うん!」
横断歩道を渡ろうとした瞬間、
信号無視をした車が勢い良く僕に向かって突っ込んできた。
「無一郎っ!!!!!」
兄は信号無視した車を素早く見つけて
僕の手首を掴んで強く引っ張った。
兄のおかげでギリギリ車を避けれた。
「…………..」
僕はしばらく何が起こったのかわからず、ぼーっとしていた。
「ーーーーーー郎!!!無一郎!!!」
兄に呼ばれてようやく現実に戻された。
「…え?あ、兄さ…ん?何で泣いてるの?」
ふとして振り返ると兄さんは僕を抱いたまま、泣いていた。
「お前っ!!!!ちゃんと前見ろ!!!!!俺、俺…お前まで居なくなったらどうしたらいいか分からないだろ!!!!!」
「…ごめんなさい……僕…兄さんと喫茶店に行くの嬉しくて…」
「…怪我はないか……?」
「転んだ衝撃で腰がちょっと痛いけど、兄さんのおかげで他は何ともないよ」
「…そうか…良かった。お前まで居なくならなくて……」
そう言うと兄さんは涙を拭って僕と手を繋いで、
起き上がった。
「…ちょっ、兄さん?!」
「こうでもしないとお前危なっかしいだろ」
そう言って兄は照れてしまったのか、
そっぽを向いてしまった。
「兄さん照れてるの?かわいーー!」
「……もういいだろ、早く行くぞ」
「図星だー!」
「…黙れ、!」
そう言うと、兄さんは歩き出した。
「着いたぞ」
「…… 」
「…無一郎…?」
「…ねぇ…あのさ…そろそろ手離してくれない…?恥ずかしいんだけど…」
「…お前が照れるなんて珍しいな。それもそうだし、そろそろ列並ぶか。」
「…うん」
「それにしても暑いねー、7月なのに外で待つのはやっぱりしんどいねー」
今は7月だけど、気温が30度を超えており
空気も蒸し蒸ししていて、かなり外は暑い
「…無一郎、大丈夫か…?顔も赤いし、フラフラしてるぞ…?」
「…え?あ、うん…ちょっとしんどいかも…」
「…お茶飲むか?」
「いいの?じゃあ、飲む…」
「…はい。これ」
「ってこれ兄さんのじゃん!!!、関節キスになるけどいいの…?」
「あんまり大きい声出すな。熱上がるぞ」
「あ、うん。ごめん…ありがとう」
「ちょっとはマシになったか…?」
「うん。さっきよりかはだいぶマシになったよ!ありがとう!」
そんなことをしている間にもう順番は次が僕たちになっていた。
「大変遅くなって申し訳ございません。時透様で間違いないですね?」
「はい」
「では、こちらへどうぞ」
「涼しいね!兄さん!」
「…ん、そうだな」
ずっと外にいた僕たちにとっては天国のような場所だった。
「兄さんはどれにする?」
「俺はこれにする(いちごパフェ)」
「じゃあ僕もこれにしよーっと」
「店員さーん、これ2つ下さい」
「お待たせ致しました。こちらいちごパフェです 」
「わー!美味しそうだね!兄さん!」
「…ん、そうだな 」
「いただきます。美味しいね!」
「…ん」
兄さんは甘いものやスイーツを食べる時だけ少し微笑む。僕はこの顔が大好きだ。
「兄さん!食べ終わったから、そろそろ帰ろうか」
「…そうだな」
「はぁ…美味しかったねーー!!」
「…ん、そうだな」
「また行こうねー! 」
「ん…」
そう言うと、僕は兄さんが座っているソファの隣に座った。
「…ねぇ、兄さん」
「…ん」
「…大好きだよ……」
「なっ…お前っ!!!そんな事簡単に言うな!!!」
「えーー、だって本当の事なんだもん」
「……俺、も好きだよ」
「っ!!!!うん!!!」
(天国にいる父さん、母さん、見てる?
僕たち今とっても幸せだよ。)