短編集

彼を安心させるために 、彼の隣で寝る 。

温かいでしょ 、私 。

もう冷たくなったりしないよ 。

成瀬）ここで寝るつもりだったのかよ …

雨宮）にゃぁ 。

成瀬）… 寝よ … ぎゅーってしていい ？

雨宮）にゃ 。

温かい 。

私も 、彼も 。

規則正しい寝息が聞こえてきたのを確認して 、私も眠りに落ちた 。

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成瀬）…… ん゛…

おはよう 。

雨宮）にゃ 。

成瀬）ぉはよ 、…

体を起こし 、伸びをして立ち上がり 、カーテンを開く彼 。

成瀬）… 今日も 、助けて 。

雨宮）にゃぁ 。

当たり前でしょ 。

成瀬）ご飯食べたら … 雫の部屋 。遺品整理する 。

雨宮）にゃ ?

私の部屋はどうやら 、生前の状況から変わっていないらしい 。

成瀬）… ん 、おっけ 。大丈夫 。

朝食を食べ終えたようで 。

私を抱えて 、私の部屋へ入ろうとする彼 。

ドアノブに手をかけて 、

成瀬）…… ゃっぱ 、怖いわ 。

その場に立ち尽くしてしまった 。

雨宮）にゃ 、

成瀬）いつもこうなんだよ 、本当は部屋の中で雫が寝てて … “ いっぱい寝ちゃった ” って 、起きてくる気がして っ、

ほらまた 、すぐ泣く 。

雨宮雫 はここにいるよ 。

扉をがりがりと爪で引っ掻く 。

成瀬）ぇ 、

雨宮）んにゃ 。

このままじゃだめって 、分かってるでしょ ？

成瀬）… 傍に 、居てくれる ？

雨宮）にゃぁ 。

もう二度と 、離れたくないもん 。

傍に居るに決まってるでしょ 。

成瀬）…… ん 、

またドアノブに手をかけ 、今度こそは扉を開く彼 。

その部屋は 、本当に何も変わってなくて 。

成瀬）…… やっぱ 、居ねぇわ 、笑

苦しそうに 、いつもの調子で振る舞う彼 。

成瀬）ぉれがいちばん 、わかってんのに …

その場にしゃがみ込んでしまって 。

成瀬）俺の目の前で死んだのに 、っ生きてるって 、馬鹿みたいに信じてて っ、… もぅ居なﾞいのにﾞ っぃ 、

私の前ではあまり泣かなかった彼 。

涙を見せたのは 、私が弱ってからだった 。

… 私も 、どうすればいいかわかんないや 。

置いていった側 、置いていかれた側 。

この2つには明確な差があって 。

置いていかれた側の苦しみを知らない私は 、

どう声をかけて良いか分からない 。

成瀬）自分の事忘れて幸せになれ 、なんて … 無理に決まってんだろ 、

その表情に込められた感情は複雑で 。

後悔 、絶望 、悲壮 。

そんな表情はさせたくない 。

気付いてよ 、私だって 。

隠してあった日記を引き出しから持ってくる 。

雨宮）にゃぁ 。

成瀬）… こ 、れ … ？

私の日記 。

これの在処を知ってるのは私だけなんだけど 。

成瀬）… 大事なこと全部 、教えてくんないのな 。

うん 。

だから 、気付いてね 。

成瀬）分かったよ … やらなきゃいけない事は 、あるよな 。

そう言って 、やっと立ち上がってくれた 。

雨宮）みゃぁ 。

辛いよね 、

苦しいよね 。

ごめんね 。

成瀬）服 … 捨てたら怒るかな 。

雨宮）にﾞゃ 。

捨てないでよ 。

高かったんだよそれ 。

成瀬）怒られるらしいわ 笑

怒るよ 。

なるせから貰った服もあるもん 。

成瀬）机きったな …

悪かったね 、汚い机で 。

彼は私の椅子に腰掛けて 、日記のページに手を付け始めた 。

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