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#ミリプロ好きさんと繋がりたい
悠
109
魔法少女達が消えた後の城は、妙に静かだった。
さっきまで暴れていた神聖魔法の残滓だけが、夜空に白く漂っている。
「……で、これどうすんの」
日向が転がっていた杖を蹴る。
「掃除だる」
「お前絶対やんねぇだろ」
影山が即答した。
「飛雄やってくれんの!?」
「殺すぞ…です。」
「最近そればっかじゃん!」
及川が騒ぎ始める。
五色は壊れた壁を見ながら顔を引き攣らせていた。
「また修理班泣くっすよこれ……」
研磨は少女を抱えたまま欠伸をする。
「俺眠い」
「働いて?」
「無理」
「即答」
騒がしい。
いつも通り。
その時だった。
「……うわぁ」
知らない声がした。
全員の動きが止まる。
「全滅かぁ……魔法少女」
城門の上。
一人の男が立っていた。
黒髪。
落ち着いた目。
どこか疲れたような空気。
だが。
人間側特有の神聖魔力が微かに漂っている。
「誰」
日向の目が細まる。
「侵入者」
影山の魔力が膨れ上がる。
速い。
二人とも反応が早すぎた。
一瞬で距離を詰める。
「殺――」
「ッッッ待って!!!」
珍しく。
菅原が叫んだ。
その声に、日向と影山の動きが止まる。
「……は?」
「スガさん?」
菅原は息を切らしながら、その男を見上げた。
「……大地」
沈黙。
数秒後。
男――澤村大地は、困ったように笑った。
「久しぶり、スガ。」
「え、知り合い?」
日向が素直に聞く。
「まぁね」
菅原は少しだけ気まずそうに笑った。
澤村は城門から飛び降りる。
着地。
その瞬間、五色がぴくりと耳を動かした。
「……人間、じゃない?」
「半分だけな」
澤村は肩を竦める。
「ハーフ。母親が人外」
「へぇ」
及川が面白そうに目を細めた。
でも敵意はない。
菅原が止めた時点で、“殺してはいけない相手”だと理解しているから。
「……お前、ほんとに寝返ったんだな」
澤村が静かに言う。
責める声ではなかった。
菅原は苦笑する。
「まぁねぇ」
「そっか」
たったそれだけ。
否定もしない。
怒りもしない。
菅原は少し目を伏せた。
「……怒んないの」
「なんで?」
「いや普通怒るでしょ」
「お前が選んだんだろ」
澤村は当然みたいに言った。
「なら俺が口出すことじゃない」
静かだった。
でも。
その言葉は、妙に温かかった。
日向が小声で呟く。
「……スガさんの理解者って感じ」
「珍しいタイプ」
研磨がぼそっと言う。
影山もじっと澤村を見ていた。
「……怖がらねぇんだな」
「何が?」
「スガさん」
普通、人外としての菅原を見れば引く。
怖がる。
距離を取る。
でも澤村は違った。
当たり前みたいに隣へ立っている。
すると澤村は、少しだけ笑った。
「昔からだからな」
菅原は昔から、人間側で浮いていた。
怖がられて。
気味悪がられて。
でも。
魔王軍から帰ってくる時だけは違った。
どこか楽しそうだった。
穏やかで。
肩の力が抜けていて。
『今日も敵と喋ってたのか』
『うん』
『楽しかった?』
『……まぁね』
その時の顔を、澤村は覚えている。
「……居場所出来たんなら、良かったじゃん」
ぽつり。
自然な声。
菅原の目が少し見開く。
「大地……」
「まぁ」
澤村は頭を掻いた。
「ちょっと寂しいけど」
「はは」
菅原が笑う。
本当に嬉しそうに。
すると及川が急に割り込んできた。
「えっ、じゃあ澤村くんもこっち来る!?」
「距離近」
「歓迎するよ〜!」
「いやまだ決めてないです」
「え〜」
及川がしょんぼりする。
影山が露骨に嫌そうな顔をした。
「……及川さん黙って」
「飛雄冷たくない!?」
いつもの流れだった。
澤村はその様子を見て、少しだけ目を細める。
――あぁ。
なるほど。
確かに。
これは。
「……楽しそうだな、お前」
菅原へ向けた声。
菅原は少しだけ照れくさそうに笑った。
「まぁ、うん」
その顔を見て。
澤村は静かに息を吐いた。
(魔王軍から帰ってきたスガ、いっつも楽しそうだったからな……)
人間側にいる時より。
ずっと。
ずっと自然に笑っていた。
「……困ったなぁ」
澤村は苦笑する。
敵のはずなのに。
ここは妙に居心地が悪くない。
日向が覗き込む。
「え、来んの?」
「まだ分かんねぇよ」
「でもちょっと揺らいでる顔してる」
「鋭いなお前」
「勘!」
「怖」
その時。
研磨がぼそっと呟いた。
「……また人間減るね」
「おい言い方」
菅原がツッコむ。
だが研磨は本気だった。
「だってこの人、多分そのうち来るし」
「決めつけ早くない?」
「顔見れば分かる」
金色の瞳が細まる。
「“大事な人が笑ってる場所”嫌いになれないタイプ、でしょ?」
澤村が黙る。
図星だった。
「……観察眼えぐ」
五色が引いた声を漏らした。
研磨は欠伸をする。
「俺こういうの得意だから」
そして。
小さく笑った。
「堕とすの」
コメント
3件
うわあああ第6話読み終わったけどお前ら尊すぎんだろ!!!!!😭💕 澤村登場でスガさんの過去と“居場所”が一気に深掘りされて胸熱すぎた…「ちょっと寂しいけど」からの「楽しそうだな」の流れで涙腺崩壊したわ。研磨が「堕とすの」って笑うとこ完全に確信犯でしょ、このチームにもう敵わないって悟った瞬間だった。また次話が待ちきれないよ😭🌸