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しばらくして海響は目を覚ました。
「海響!!」
「茉莉……俺倒れちゃった?」
「ごめんね……私のせいで………」
「──茉莉。なんで?」
……
「なんで茉莉のせいなの?」
「だってだって!!」
「俺は大丈夫だから。おいで?」
ボスン
「うう うわぁぁぁぁん!!ごめん。ごめんね!!」
あぁ、まただ。海響の前だとかっこがつかない。
海響になでられると胸がほわほわして、安心して、あぁ私はこの人のことがすごく好きなんだって自覚する。
もとはとてもかるい気持ちで結婚した。
でも今は?私は海響がいないとダメ!!海響が死んだらいや!!
「ただいまー」
家は天国だ。
2人のかわいい子供にめぐまれて、かっこいい旦那もいて…
パチン
もうやめよう!
というかなんで海響が死ぬとか言ってるの!
なんで励ます側の私が逆に励まされてるの?
こういうときこそ私がしっかりしてみんなをリードしないと!!
うあああ………づがれだーー
家事ってこんなに疲れるんだっけ………
料理、洗濯、掃除、買い物、そして子育て。
こりゃ倒れるよ………
私はこんな重労働を任せてたのか……
まあ、私今それをやってるんだけど…私もいつか倒れちゃうのかな。
「ママーもう寝ようよ」
「あ、ちょっと待ってね」
あぁ癒される。
───数日後
海響が退院した。
やつれてた……
いろいろとあって見舞いに行けてなかったけど、数日の間にこんなになるだなんて…
「大丈夫?」
「大丈夫!少し食欲ないだけ!!」
「そっか」
「………」
沈黙が続く。
「ねえ。茉莉こそ大丈夫?」
「え?」
「クマがひどいよ……」
そういえば最近そんなに眠れてないんだった……
でもここで海響を心配させる訳には。
「大丈夫だよーそれより子供たちが待ってるよ」
「……そうだね。」
ガチ
「?海響…?何?」
「茉莉が無理してたの知ってる。」
「え、何言って……」
ギュ
「……はぁ。そうだね。私結構無理してたかも。」
「でもそれは海響も同じでしょ?それで倒れちゃったんだし」
「ごめん」
「なんで謝るの」
クス
「なんで笑うんだよ」
「だって、気づかないうちにうちの旦那がかわいくなってて アハハ」
ほんとにかわいい。
私に会った瞬間目を大きくして、抱きつかれた時も顔真っ赤にして。
「え、なんで…なんで泣いてるんだよ」
え、ほんとだ。私泣いてる。なんで……
「さみしかった?」
ああ、そうか。私はたださみしかったんだ。
「うん………」
今日はやけに妻が素直だった。
夜は一緒に寝よとか言ってきて、びっくりしたけど…それにしても腕枕って腕めっちゃ痛いんだけど。
「ん〜海響……」
…………………かわいいなあ。