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〈前編〉
「っ…もう限界です…」
暗く狭い空間で健三が絞り出すように言葉を発する。
「もうええから早く力抜け」
優しさをまとう言葉が反響する。
「くっ…誠一くんなんかに…一生の不覚です… 」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜数分前〜
強い日差しが地面を焼いている。
探偵事務所の帰路で男2人がなにやら揉めているようだ。
「今日の犯人は手強かったなぁ」
「あの程度の相手に手こずるとは、貴方、なんのためにいるんですか?」
「はぁ!?健三だって犯人に逃げられとったやないか」
「申し訳ございません、どこぞゴリラでもないので、前から突進してくる相手に対して対応出来ませんでした」
「ゴリラってなんやねん!ホンマに嫌味ったらしいやっちゃな!だいたいなぁ!…」
…そうこうしている間に着いたようだ。
「恵美!帰ったで〜」
「まどかさん、戻りました」
恵美まどかのベットの前まで行き、話し始める。
まどかが顔を出す。
「おかえり、誠一、健三、ふわぁ」
「恵美!喋ってる途中に寝るな!!」
「もう、煩いなぁ、僕は事件を解決して疲れてるんだ!」
「そうですよ、誠一くん、まどかさんを休ませてあげさい。まどかさん、睡眠効果のあるハーブティーなどいかがでしょう? 」
「いいねぇ」
「恵美を甘やかすなぁ!」
ピンポーン
三人の話を遮るように一本の呼び鈴がなる。
「なんや、依頼人か?」
「誠一、出てきて、」
「私とまどかさんは今忙しいので、早く行ってきて下さい」
「忙しいって、ただ茶飲んどるだけやないか。、はぁ…しゃーないなぁ、はいはーい今出ますー!」
玄関まで行き、扉を開ける、
「なんですかーって誰もおらんやないか、…?なんやこれ」
誠一の足元には何やらデカい金属製の箱が置いてあった。
次回へ続く