テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「……レイラ!あんた、一体いつまで寝てるんだい!?」
鋭い声に、私はビクッと驚いて目を開けた。
目の前には、怒った顔の見知らぬ中年の女性が立っていた。
鋭く束ねられた髪に、きっちりとした黒いエプロンドレス。
そして、ただならぬ視線。
「チャッチャと服を着替えな!もうすでに他の使用人は朝の支度を始めてるんだよ!」
(…………は?)
(何言ってるの、このおばさん…)
ぽかんとしていると、自分の手元を見て凍りついた。
私が着ていた寝巻きではなかったのだ。
それに、金髪の長い髪…。
目の前にある鏡に写る私は、私じゃなかった。
そして、すぐそばにはメイド服が置かれていた。
「え……?何これ……私は…」
「はあ!?何寝惚けてるんだい!?レイラ!
1分で支度してきなさい!分かったね!?」
そう怒鳴りつけて、メイド服のおばさんは出ていった。
取り残された私は、自分の手を見つめた。
そして、小さく呟く。
「レイラって…誰なの?」