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「……」

すまないが目を覚ました。

タッ!

「すまない君!」

エウリが駆け寄りすまないの手を握る。

「良かったぁ……祭壇の所で倒れて、3日も目を覚まさなかったのよ……」

エウリはすまないにそう声を掛けるがすまないは全く反応しない。

「……すまない君……?」

エウリは心配そうに声を掛ける。そして気付いた。目を開けたすまないの目からは一切の光が消えていたのだ。虚ろな瞳は空虚な心を映すのみ。

「すまない君っ……!」

エウリの頬を涙がつたう。

「……そうよね……そうだよねっ……みんな、酷すぎるよねっ……!」

エウリは悟ってしまった。すまない一族の酷い仕打ちはすまないの心を完全に壊してしまったのだと。

「……酷すぎる……すまない君が何をしたっていうの……なんで……なんでこんなに目に遭わないといけないの……!」

すまないの体をそっと起こさせて、優しく包み込むように抱き締める。そうしてもすまないはもう、微塵も反応を見せなかった。


数日後。

「……ふむ……そうか」

エウリはすまないとクルカを連れてヨルムンガンドに報告に向かっていた。ここ数日間、エウリは、完全に心が壊れてしまい、何をしても反応を示さないすまないにどうしたら動くのか試行錯誤していたのだ。そして今、完全にすまないの心が壊れてしまった事と、どうしたら壊れてしまった彼が動くのかを報告しに来た所だったのだが……

(まさか……“命令”という形でしかすまない君が動かないなんて……)

数日間に渡っていろんな方法を試した結果、最終手段の“命令”という形で初めてすまないは反応を見せたのだ。しかしそれは、逆を言うと“命令”以外では動かない、という事に他ならなかった。

(“命令”は拒否権の無い言葉だから出来れば使いたくなかった……でも、今のすまない君は拒否なんてしない……)

すまないの虚ろな瞳は何も映していない。

(そんな状態では“命令”以外の形で動くとしても、拒否をしないからそれは実質的に命令と同義……)

ヨルムンガンドがスッと席から立ち上がる。口元を手で隠しているがその奥で微かに笑っているのが見えてしまった。そのままヨルムンガンドはクルカの方に近づき、その耳元で何かを言った。

「……いいな」

「……はい、ヨルムンガンド様」

クルカの瞳が一瞬、暗い闇に翳ったような気がした。しかし、その違和感もすぐに消えていつもの色に戻った。

(クルカに何を命令したのかしら……)

エウリは首を傾げた。クルカはチラリと後ろのすまないを見て一瞬スッと目を細めた。

「……下がれ」

「「はい」」

「《すまない、退出しろ》」

エウリとクルカ、そして《命令》を受けたすまないは玉座の間を出て行った。


「ほう……《命令》とは、使いやすいな」

ヨルムンガンドはニヤリと笑った。

ウォーターチャレンジif 蛇一族のドール

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