テラーノベル
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「おねぇちゃんは、もう、帰っちゃうの?」
目の前のニンゲンの少年が此方に向けて問い掛ける。
「ああ、儂はそろそろ別の所に旅に出ようと思っておる。」
ゆっくりと伝わり易い様に、其の小さな耳に聞こえるようそう伝えた。
「そっか」と少し切なげに呟く少年。
「…ほれ、少年。貴君には此れをやろう。」
「なァに、変な物ではないさ。」
そう付け足し、少年に小さな孔雀石のペンダントを渡した。
孔雀石の石言葉は__、『再会』。
「これ…宝石?しかも、ほんもの…!なんでぼくにこんなすごいものをくれるの?」
そう再び問う少年に、
「儂と違って、少年には未だ余程の未来が有る。儂には未来が有っても、其れを活かす力が無い。
貴君には、未来を実現する力が有るんじゃ。其の力を、上手く使えると善いのう…」
出会った時と同じ様に、少年の頭を優しく撫でてやる。
「またな、少年」
軽やかな足取りで、少年に手を振り此の町を後にする。何度経験しても、別れは悲しい物だ。
新たに訪れた町は、『曙町』と言う町らしい。此の町の夜明けの空は迚も美しいと言う。
初めて来る町。観光がてらに、適当なカフェに立ち寄った。
「いらっしゃいませ〜」
店主と思われるヒトが挨拶をする。珈琲の芳ばしい薫りが漂う。
気さくな性格で、儂の話をよく聞いてくれた。
「貴君の名前はなんじゃ?」
「アタシの名はエレリナよ、エレリナ・アルフレッド」
「ほぉ、何処かで聞いたことある名じゃな……思い出すことは出来ないが」
「なんなの、アナタ。忘れっぽい人かしら」
「すまんの、まぁ…そう言ったところじゃ。
此処でどのくらいお店を開いているんじゃ?」
「忘れてしまいましたわ、当分は忙しく時間を数える暇も有りませんの。
此処でこうして、アナタと話すことが出来ていることは迚も光栄に思いますわ」
問い掛けた儂に、そう答えるエレリナ。
「実は儂もなんじゃ。珍しくて奇妙かも知れんが、儂は不老不死の身体でのう」
「……真逆、アナタってアシェ、!?」
「若しや其の阿呆面、其れにエレリナと云う名…、貴君エルフの…!!」
「酷い思い出し方ね。
そうよ、疾っくに忘れたかと思っていたわ。
…全く、壱百年来の親友よ?覚えておいて貰わないと、アタシ困っちゃうわ」
「すまんすまん、」と頭を掻きながらバツが悪そうにする、
そして脳天目掛け一発だけ拳骨をくらう。
「自己紹介が遅れた、儂の名は『アシェ・ユーレンド』
_______不老不死じゃ。」
コメント
6件
え。。。。。上手くね???、、、、、、、、、、、、、、続き恵んでクレメンス
続きが気になり過ぎる!
すきすぎる……😎😎😎😎😎