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風邪編3
朝。
頭はまだ重いし、足元も少しふらつく。
でも——
翠「瑞ちゃん、起きて大丈夫?」
翠っちーは、もっと顔色が悪かった。
瑞「翠っちー……熱あるでしょ」
翠「ないよ……」
瑞「いや、あるでしょ‥」
翠「ないない」
そう言って立ち上がった瞬間、
翠っちーの体がぐらっと揺れた。
瑞「翠っちー!」
支えようとしたけど、間に合わなくて。
どさっ。
翠「……っ」
床に倒れた翠っちーは、すぐに目を閉じた。
瑞「翠っちー!? 翠っちー!!」
返事はある。
でも弱い。
翠「……大丈夫……瑞ちゃん……」
瑞「大丈夫じゃない!」
心臓がうるさい。
でも、瑞がやらなきゃ。
瑞「……瑞が、看病する」
立ち上がる。
そしてなんとか翠っちーを持ち上げ
ソファーに寝かした
それから、キッチンに向かった
世界が一瞬、斜めになる。
まずは、水。
コップを持つ手が震える。
瑞「……あ」
水がこぼれて、床が濡れた。
拭こうとして、足を滑らせる。
瑞「いっ……」
テーブルの角に、腕をぶつけた。
じん、とした痛み。
赤くなる腕。
瑞「……料理は……」
キッチンに立ったけど、
鍋を持つだけでくらくらする。
けれどなんとか作ろうとした
ただし包丁の使い方も知らない
卵も綺麗に割れない
何より立っているだけで辛い
包丁で指にたくさんの傷ができた
痛い
けど。
頑張って作ったものは
かろうじて食べ物と言えるなにか
それから、
掃除しようとして、
またふらついて、今度は膝をぶつけた。
瑞「……っ、だめだ……」
ソファに戻ると、翠っちーが目を覚ましていた。
翠「瑞ちゃん……? なんで、そんな顔……」
瑞「翠っちー、起きないで」
翠「手……血、出てる……!」
翠っちーは無理やり体を起こそうとして、咳き込んだ。
翠「料理……したの……?」
翠「駄目‥危ないよ‥」
翠「俺が‥するから‥」
瑞「それで悪化してるんだってば……!」
声を張った瞬間、
瑞の頭がずきっと痛んだ。
瑞「……あ……」
視界が揺れる。
翠「こさめちゃん!?」
翠「…やっぱり‥俺が‥するよ、?」
次に体温計を測ったとき、
数字は昨日より、また上がっていた。
瑞「……ぶり返してる……」
翠っちーも、息が荒い。
瑞「……だめだ……これ……」
二人とも、もう限界だった。
瑞は震える手でスマホを取った。
瑞「……桃くんと……黄ちゃん……」
画面がぼやける。
でも、必死にメールを送った。
――助けて。
――二人とも、風邪ひいた。
――今、正直、無理。
送信。
しばらくして、インターホンが鳴った。
桃「瑞!?」
黄「翠っちー!?」
桃と黃だった。
状況を見た二人は、即座に動いた。
桃「これは完全に共倒れ案件」
黃「二人とも、何で無理したの……」
布団が用意されて、
冷えピタ、水、薬。
瑞の作った、おかゆと言えるかわからないものは処分された
瑞は横になりながら、
翠の方を見た。
瑞「……ごめん……」
翠も、同時に言った。
翠「……ごめん……」
二人で、同じタイミング。
桃がため息をついた。
桃「ほんとに、似た者同士」
黃「もうちょっと早くに呼んでくれて良かったのに‥」
黃が、やさしく毛布をかけてくれる。
黃「今はね、甘えていいんだよ」
瑞は、翠っちーの手を探した。
ふらふらだけど、
ちゃんと、つながった。
瑞「……次は……無理しないこと‥!」
翠「じゃあ瑞ちゃんは……一人で頑張らない…こと…!」
二人で、約束する。
料理はできない。
掃除もできない。
看病も、完璧じゃない。
でも——
助けを呼べたことだけは、
ちゃんと、できた。
そのまま、
二人は安心して、眠りに落ちた。
数日後。
熱は下がった。
頭もはっきりしてる。
体も、ちゃんと動く。
瑞「……生きてる」
瑞は布団の上でつぶやいた。
翠「大げさ」
隣から、翠っちーの声。
顔色も戻ってきてる。
翠「こさめちゃん」
瑞「なに、翠っちー」
翠「もう倒れない?」
瑞「……努力目標」
翠「努力目標!?」
そのとき。
桃「はいはーい、回復したね?」
ドアが開いて、桃が腕を組んで立っていた。
その後ろで、黃がにこにこ……してない。無表情だ。
瑞「……あ」
桃「……あ、じゃない」
桃はため息をついた。
桃「君たちさ」
指で二人を指す。
桃「そろって“自分より相手優先”やりすぎ」
黃「結果、共倒れ」
桃「救急寸前」
黃「近所迷惑一歩手前」
翠瑞「ごめんなさい……」
瑞と翠は、同時に頭を下げた。
黃が一歩前に出る。
黃「優しいのはいいこと」
静かな声。
黃「でもね、“助けを呼ばない優しさ”は、ただの無理」
ぐさっときた。
桃「瑞」
名前を呼ばれて、背筋が伸びる。
桃「ふらふらなのに掃除して、料理して、怪我までして」
瑞「‥翠っちーへのお叱りは?」
桃「熱あるのに看病しようとして倒れた」
桃は、二人をじっと見た。
桃「……二人とも、バカ」
瑞「直球!」
桃が肩をすくめる。
桃「まあでもさ」
桃「ちゃんとメール送ってきたのは、えらい」
黃「ギリギリだけど」
桃「本当にギリギリだったね」
翠「うん……」
翠っちーが、そっと瑞の手を握った。
翠「もうしない」
翠瑞「一人で抱えない」
二人で言う。
桃が笑った。
桃「よし、じゃあ罰」
瑞「罰!?」
桃「しばらく二人とも」
桃「“何もしない”」
翠瑞「え」
桃「家事禁止」
黃「看病禁止」
桃「体調悪いときは即連絡」
黃が頷く。
桃「破ったら、次は説教二倍」
翠瑞「ひっ……」
でも、二人とも少し笑っていた。
瑞「……ありがと」
瑞が言うと、
桃黃「当たり前」
桃と黃は、同時に言った。
部屋に、少しだけあった緊張がほどける。
瑞は、翠の肩にもたれた。
瑞「ねえ、翠っちー」
翠「なに?」
瑞「次は……ちゃんと頼ろうね」
翠「うん。絶対」
桃が咳払いした。
桃「はいはい、いちゃつくのは元気になってから!」
桃「見てるこっちが回復しきってない!」
黃も小さく笑った。
——こうして。
二人の風邪騒動は、
無事、お叱り付きで終わった。
3000文字だぁ
わぁわぁわぁ
ねむい
おやすみ
0:40分なーう
まだ‥いけるな
1時まで起きる