テラーノベル
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目の前には美味しそうな料理が次々と運ばれてくる
全てを並べ終わるとぺこりと頭を下げて部屋を出ていった
先程彼と話していた女の子だ
‥‥女の子なのか?
大人の様にも見えるし幼くも見える
ピンク髪のその彼女は口数も少なく部屋を出て行った
俺はスープを一口飲んだ
久々の食事に手が止まらなくなる
先程まで毒がどうのこうの言っていたのに
全部は食べることは出来なかったが、出された殆どの料理は平らげた
「‥‥はぁ、美味かった」
膨れたお腹を抑えて席を立つ
帰る前に挨拶しなければ‥‥
食堂を出て左右を交互に何度も見た
どこに行けばいいんだ?
とりあえず近くの部屋からノックして行くか‥‥
どれもこれも返事が無い
この屋敷は何階まであるんだ?
とりあえず3階に行ってみよう
階段を登り、手前の部屋からノックしよう
そう思っていると奥の部屋から声が聞こえた
あの部屋か?
薄暗い廊下を月明かりを頼りに進む
「‥‥でも‥‥サーシャ様‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
「サーシャ様‼︎」
さっきの彼女の声だ
俺は声のする部屋を覗いた
そこには床に崩れ落ちる彼の姿
「あのっ‥‥どうかしましたか?」
「あっ、お客人!」
二人の側まで駆け寄ると顔を覗き込んだ
白い顔には汗が浮かんでいる
「昨日から何も食べてなくて‥‥心配でトマトジュースをお持ちしたのですが、それに口をつけたら戻されて‥‥そして急に倒れてしまって‥‥」
「手を貸しますよ。ベッドに横にさせましょう」
「ありがとうございます」
彼の体を持ち上げ引きずりながらベッドに運ぶ
人の体って力が抜けるとなんでこんなに重く感じるのか‥‥
「タオルを待って参りますので様子を見ていていただけますか?」
「構わないですよ、どうぞ」
パタパタと彼女が部屋を出た行く
俺は倒れた彼の顔を覗き込む
部屋は暗く、明かりを探す
だがどこにもスイッチがない
月明かりがあるとは言え暗すぎる
ん?
満月のはずなのに?
俺は窓の外を確認した
なんだ‥‥あんなに大きな蒼い月初めて見る
その月を見ると身体中がざわつき始めた
「‥‥‥‥っ」
「あ‥‥気付きましたか?」
「‥‥‥‥」
まだ険しい顔
苦しいのだろうか?
俺は思わず手を伸ばして額に触れた
その手を彼に掴まれる
「‥‥熱があるかと思って‥‥」
「‥‥‥‥不味そうな奴」
今なんて‥‥?
嫌な奴でもなく
変な奴でもない
不味そうとは‥‥?
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コメント
2件
蒼い月...蒼月さん✨ てかどういう意味なんだろう