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ぷち
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#命の選択
ぷち
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『彼等が死ぬか。私が死ぬか。』
〜Will you continue to die every day
or will you face Tomorrow?〜
Day.××『××××…?』
○月✕日 ××××××××
今日を繰り返すのは、もう終わり。
ベリアン、ロノ、バスティン。
ハウレス、フェネス、ボスキ、アモン。
ルカス、ナック、ラムリ。
ミヤジ、ラト、フルーレ。
ハナマル、ユーハン、テディ。
ベレン、シロ、クロウザー、ムー。
1周までして、ベリアンまで戻って来てしまった。だけどもうそれも今日で終わり。
『ベリアン。必ず救ってあげる。私の居ない世界を受け入れて。』
『貴方の居ない世界で生き長らえるなんて、私は嫌です。私の命に替えても、主様には生きて頂く。』
ガチャッ。
部屋の扉を開けて、主様を迎えに行く。
『おはよう。ベリアン。』
『おはようございます。主様。』
私たちは見つめ合い、お互いの考えを見透かしたのか、目線を逸らす。
今日はあの日とは違う晴天。最初の今日。
ベリアンが死んだ日は雨だった。
私には分かる。歪みが、少しずつ修復されていること。
『主様、朝食が出来ています。食堂へ参りましょう。』
『……。』
疑ってしまう。料理の中に、睡眠薬でもあるんじゃないかと。
食堂
『……。』
危険だと訴えかけている。だけど、それがないと、困る。
『…ロノの料理は相変わらず美味しいね。』
『ホントですか?嬉しいです!』
この笑顔を守る為なら、私はなんだってする。
『腹が減ったな…。』
『さっき山盛り食ってただろ…あ、おいつまみ食いするな!』
ギャーギャー!
この日常は壊させない。私が…守ってみせる。
庭
『ボスキー!どこでサボってる!』
『まぁまぁ、ハウレス、落ち着いて。』
『ボスキさーん、ここも見つかるの時間の問題っすよ〜。』
『んー。うるせぇな…ハウレスの野郎…。』
見慣れたいつもの光景。これを見るのも今日で最後。
3階廊下
『ラムリ!掃除はどうしたんですか!』
『もう終わったの!』
『何言ってるんですか!まだあっちの掃除が…!』
『べーっだ!』
『2人共落ち着いて、みんなでやればすぐ終わるよ。』
『はい!ルカス様!』
『はぁ、やれやれ……。』
聞き慣れたいつもの言葉。これ聞くのも今日で最後。
ドレスルーム
『フルーレ、主様の服を作ってるんですか?』
『わぁ!びっくりしたァ…うん。新しい生地が手に入ったからね。』
『近くで見てもいいですか?』
『いいけど、大人しくしててね。』
『私も手伝うよ、フルーレ君。』
『ありがとうございます、ミヤジ先生。』
恐らくその仕立てた服は私は着ることは叶わない。
別邸1階
『ハナマルさん。あんまんまた食べましたね?』
『バレたか…。』
『ハナマルさん、人のものは勝手に食べちゃダメですよ?ほら、買いに行きますよ。』
『あ、それか俺が作ってやるよ!店のより美味いの作ってやる。』
『はぁ、まぁ、あんまんが食べられるなら構いませんが……。』
『じゃーキッチン行くぞ!』
和やかで可愛いやり取り。もう聞けないのか。
別邸2階
『ムー。正直に言うんだ。』
『な、何も隠してません!夜にこっそりつまみ食い…ああ!』
『ふふ、ムーは嘘つけないね。』
『全く、仕方の無い奴だ。』
『クロウザー、あんまりムーを虐めないでね。』
『ふふ、すまない。ムーがすぐ顔に出るのが面白くて。』
『クロウザーさん意地悪です…。』
どこか物騒な、だけど面白い会話。もう聞けなくなる。
『……。』
死ぬのは怖い。死にたくない。だけど、みんなが死ぬ苦しみ。繰り返されるこの痛みに比べたら大したことない。
私は約束の時間まで、1時間切ったのを確認して、ベリアンに声をかける。
『ベリアン。』
『主様…。』
『出掛けよう。街に。』
『…!えぇ。行きましょうか。』
ベリアンは私の後を追う。
エスポワール
『急に誘ってごめんね。』
『いえ、私も主様といたかったので。』
『ほんと?嬉しい。あのね、ベリアン。』
『はい。』
ピタッと立ち止まりベリアンの前に立つ。
『私、ベリアンと居られて幸せだった。』
『え……?』
『ベリアンと一番最初に出会って…色んなことをしたね。結婚式の真似事や、夏祭り。ハロウィンのパーティ。クリスマス。お正月、バレンタイン。お花見…沢山楽しかった。』
『主、様?何を言って…』
『ベリアンの淹れる甘くて優しい味の紅茶。
ロノが作る美味しい料理。
バスティンの作る木細工の置物。
ハウレスと食べる甘いお菓子。
フェネスの勧める面白い本。
ボスキと一緒にしたお昼寝。
アモンのくれた薔薇の束。
ルカスに何度も助けられたこと。
ナックと一緒に食べたオランジェットの味。
ラムリとゲコちゃん探しをしたこと。
ミヤジにもらった蝋燭。
ラトに教えてもらったダンスと音楽。
フルーレから貰った沢山の洋服。
ハナマルと一緒に詩を書いたこと。
ユーハンと二人で桃の花を見たこと。
テディから聞いた剣の話。
ベレンに作ってもらったピザ。
シロに貰った綺麗な絵。
クロウザーに聞いた怖いけど、面白い話。
ムーに貰った花飾り。』
私は雫が垂れるのを堪える。
『っ…。他にも、沢山、沢山……っ。みんなには、癒してもらったり、元気を貰ったり…。 』
泣いちゃダメ、泣いちゃダメ、なのに――。
『みんなと、もっと、一緒にいたいけど……っ。正しき今日にして、正しい明日を迎えよう?』
『……っ!』
最期の別れのような言葉を…泣きそうな顔で…
主様は告げた。
『…ふっ。時間だね。ベリアン。』
『あるじさ――』
ヴーヴー!ヴーヴー!
バサッバサッ……。
『悪魔執事の主だけ狙えばいい。悪魔執事が絶望するからね。』
『せっかくならまとめて殺るのもいいと思うけどね。』
『ふん、鏖にすればいいだけだ。』
知能天使の攻撃がベリアンに降りかかろうとする。
この時を待ってた。最初からこうすれば良かったんだ。私がベリアンを庇って死ぬことが。正しき未来だから――。
『あ、主様――!!!!』
ザシュッ……!!!!
鈍い音が辺りに広がる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『ん…あれ、私…。』
(ここ、どこ…?治療室…?)
『っ、主様…っ!』
『る、かす…?』
(どう、して、私はベリアンを庇って…。)
『…ルカスの仕業ね。』
『仕業とは人聞き悪いですね。』
『虫の息なのに、私は。』
(ルカスの腕でも、私を完全に治療することなど不可能だ。急所に攻撃が当たったから、しばらくすれば……。)
『…主様。』
『ベリアン…。』
『…全てお話しましょう。事の顛末。そして、このループが始まった経緯を。』
ついに語られる。このループの秘密。
次回
Another Story『繰り返し、繰り返す。』
コメント
3件
見るの遅くなりました💦 いつもの何気ない日常と思い出を見つめる所本当に 目から滝が止まりませんでした…次回どうなるんだろう楽しみです!改めて神作ありがとうございます!応援しています!
うわ…第21話、読み終わりました…。 もうね、最初から最後までずっと胸がぎゅってなってました。主人公が一人ひとりとの思い出を語るところ、特にベリアンとの紅茶の話とか、泣きそうになりながら「正しき今日にして、正しい明日を迎えよう」って言うシーン、本当に切なくて…。 「私がベリアンを庇って死ぬことが正しき未来」って覚悟決めたのに、ルカスが助けてくれて、しかもベリアンがループの秘密を話そうとしてる…!次回が気になって仕方ないです。 ぷちさんの描く重くて繊細な世界観、いつも心に響きます。ありがとうございます🥀