テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「待って!小柳君!!」
俺は階段を駆け足で降りて行く
小柳君は階段を降り廊下を歩いていた
振り返りもせず玄関へ向かっている
俺達が騒いでいるとリビングから母親が顔を出した
「どうかした?あら、小柳君どこか行くの?寒いのに」
「あ、おばさん俺‥‥」
「食べたいお菓子があるみたいで‥‥な?小柳君」
「‥‥‥‥」
何も言わず俺を見ている
「お菓子ならうちにもあるけど?」
「そうだよね、うちにあるので我慢したら? 」
ナイス母上!
俺は小柳君の腕の裾を掴み、ツンツンと引っ張った
小さくため息をつき、母に向かい笑顔で答える
「それじゃお言葉に甘えて‥‥」
「どうぞ。適当に持っていって頂戴」
俺は適当にお菓子を選び、小柳君と共に部屋に戻った
「本当に帰らないでよ」
「星導が悪いだろ?」
「‥‥分かったから」
テーブルにお菓子を置くと、小柳君とソファーに座った
「もう占いのことは言わない」
「別にいいけど、そんなに気にすることかよ」
「だって‥‥当たったって思ったからさ」
「お前達の会話聞いてたけど、あの爺さんに言わされてた感が凄かったけど?」
「え‥‥そうかな」
「あっちがズバッと言わないで、お前が勝手に答えてたじゃん。そんなの俺にも出来るが?」
「そう言われてみればそうかも」
「でも今日は散々だったと‥‥」
「まぁ‥‥」
「俺がいるのに?」
「え?」
「今俺が一緒にいるのに星導は今日一日最悪だった訳だ」
「違う!それは別だから」
「そうか?それはどうだかな」
そうだ
俺は自分に起きた事ばかり頭にあって、一緒にいた小柳君を見てなかったかも‥‥
「クリスマスなのに俺馬鹿みたい」
「たかが占いだよ。当たっても当たらなくても」
「そうだよな。良いことだけ信じよう」
「良いことだけ?」
そう言って小柳君が俺にキスをした
「これは良いことか?」
「‥‥良い事に決まってる」
「じゃああの爺さんより俺の方が凄くないか?星導に良い事だけしてやれるけど?」
「それは‥‥凄いかも。でももっと欲しいかも‥‥」
「欲張りだな」
そう言いながらもう一度キスしてくれる
でもそんなんじゃ足りない
深く唇を重ねると小柳君が応えてくれる
ホントだ
小柳君の方があの占い師よりも凄い
だって俺を幸せにしてくれる
「おい、星導‥‥俺あっちが良い」
ベッドを見る小柳君に俺はその体をあっという間に抱えた
「おいっ!星導‥‥!」
「これ、やってみたかったんだ」
「お前、今日好き放題してんな」
「占いに左右されるのは終わったしね」
「よく言うぜ」
.
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!