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すこ
次の日。
鬼島君に告白された話を広子ちゃんに報告をした。
「へぇー……それでもう鬼島の事好きになっちゃったんだ?」
「違ッ……まだ 好き……とか……そんなんじゃないよ」
「しかし、あの鬼島がねぇ」
広子ちゃんに昨日の報告をしていると、ちょうど鬼島君が登校して来て目が合った。
あ、挨拶しなくちゃ!
「鬼島君ッ……おはよー」
「……おう…… お、おはよう……。なぁ、シーナ……」
挨拶をすると、鬼島君は私の席に真っ直ぐやって来た。
「ん?」
「大した用じゃねぇけどさ……。今日の放課後予定あるか?」
「え?特に予定ないよ?」
……もしかしてまた一緒に帰ろうって誘ってくれるのかな?
鬼島君の誘いを楽しみにしている自分がいる。
「……また一緒に帰ってもいいか?」
「うんっ」
鬼島君が席に戻ると広子ちゃんが笑って言った。
「やっぱり既に良い感じじゃん、もう付き合っちゃえば?」
「本当に……まだちょっと良いかなって感じなだけなんだってばっ」
その日から、放課後は鬼島君と過ごす機会が増え始めた。
鬼島君からの突然の告白から一週間が過ぎようとしていた。
まずは鬼島君の事を知ろうと思ってお友達からとは言ったものの……
鬼島君が私の事を好きだとわかっているせいもあってまだ好きかどうかはっきりわからないけどかなり気になる存在になっていた。
体育の授業中。
私達女子はバドミントンをしている隣りのコートで男子はバスケットボールをしていた。
打ち合いをする為にネットの順番待ちをしていると、男子がバスケットの試合を始めたのが視界にはいる。
あ、次の試合鬼島君出るんだ!
普段男子の授業風景が気になるなんて事ないのに鬼島君が出ると思うと、つい気になってしまう。
鬼島君は運動神経が良いみたいで、すぐに相手チームからボールを奪ってドリブルをしてバスケ部の人もかわしてゴールに向かって行く。
スポーツしてるところ格好良いな……
「猛!椎名が見てるぞ!格好良い所みせろよ!ダンクしろダンク!」
クラスで唯一鬼島君と仲の良い永井(ながい)君が、鬼島君に向かってそう叫んだ。
「あ!?」
「!?」
「っ!!」
その瞬間に鬼島君と目が合ってしまって私は急いで顔を背けた。
永井君にバレるくらい見入ってたなんて……恥ずかしい!
「ウオッ!?テメッ!!何しやがる!!!ボール返せ!!!」
チラッと視線を戻すと相手チームにボールを取られていて鬼島君はボールを取り返しに走っている。
「結衣」
「……」
「ゆーい!」
「へあっ!?あ!ごめん!ネット空いた!?」
「鬼島の事見過ぎ」
「あのっ!えっと…」
「ふーん?結衣の好みってよくわからなかったけど鬼島みたいのがタイプだったんだ?顔の恐さはともかく男らしいもんね……ちょっと馬鹿っぽいけど」
「まだそういうわけじゃなくてっ!だってさ!告白されたら気になっちゃうもん」
広子ちゃんとそんな話をしていると恥ずかしくて顔が火照る。
「椎名」
「はい!?あれ!?鬼島君!?どうしたの?」
先程まで隣りのコートでバスケの試合をしていた鬼島君はいつの間にか私の後ろに来ていた。
「帰りの予約入れんの忘れてた!今日も帰れるか?」
「予約って……。毎回律儀に誘って……頑張るね」
「当たり前だろ!フラれたら一生椎名と一緒にいられる事なくなるんだぞ!可能性がある間は頑張らせろよ」
「そんなっ!一生一緒にいられなくなるなんて大袈裟だよ!今日も大じょ……あ!そうだ!鬼島君、ごめんね!今日は放課後委員会で明日の集会の会場設営しなくちゃいけなくて放課後予定空いてなかった……」
鬼島君から告白されてから放課後は毎日一緒に帰っていて、一緒に帰るのが当たり前みたいになっているのに鬼島君は律儀に毎回誘ってくれていた。
今日は鬼島君と一緒に帰れないんだ……
*続く*