面白い。みんなに笑顔を振りまくアイドル的存在。愛されキャラ。超天然。身長154㎝。
結愛の親友。メンタル強め。でも可愛いところもある。身長157㎝。
イケメン…だけど市内でも有名なヤンキー。紗季の幼馴染。根はとてもやさしい。
**家族の闇を抱えている?**身長158cm。
少し恥ずかしがりや。でもしゃべることは面白い。ちょっと意地悪っぽい。結愛の幼馴染。身長150cm。
※このお話は主人公というものがないので、コロコロ主人公が変わっていきます。
怜目線
「今日はお祭りに行くぞぉ~!!」
「よっし…おっけい!ありがとみんな!」
「…そいえばこれってなんなん?」
「ふふ~んよく聞いてくれた!これはね~アイコンの背景にするの!」
「はぁ…なるほど?」
「え!!私にも送っといて!おそろにしよ!」
「おっけー!」
「…よくわかんないな、海翔は?」
「僕もよく…どれでもいいってちょっと思っちゃうんだけど」
「あれ…そういえば!浴衣買ってないや!」
「あ!やばい!」
「あ~?んなもん要らんだろー」
「なんもわかってないね!怜は!」
「はぁ!?おい!海翔はどう思う!?」
「浴衣、早く着てみたいなぁ…」
「ね!海翔も似合うと思うよ!」
「……」
「はい、お疲れ~」
「くそぉ~」
(…あの二人仲いいな~さすが幼馴染って感じ?)
俺には、秘密がある。
家庭上の関係でだ。
俺と紗季は幼馴染、そう、言われてきた。
昔のことなんて覚えてない。というか、覚えられなかった。
わかりやすく言うと、俺と紗季の記憶は『消されたんだ』。
俺と紗季の家族は友好関係を築いていた。
これは、『それぞれの会社の都合によって』だ。
そのことを知ったのは俺がちょうど中1になる直前のことだった。
俺はその日、たまたま早帰りでご飯を食べていたから、勉強をすることにしたんだ。
でも…親の部屋から何かが、何かが俺に訴えている気がしたんだ。
それで、覗いてしまったんだ。
そして、ある書類を見つけて、気になってそれを見たんだ。
そこにはこう書いてあった。
~記憶改ざん 企画書~
中村会社共同開発。
2007年5月31日 開発開始。
2016年9月27日 開発終了。
2017年1月25日 実験開始。
実験対象は中村怜、小林紗季とする。
小林会社 中村会社 共同開発。
「なん…だ…これ?」
「怜、降りてきなさい」
「は、はい!」
「なにをしてた」
「部屋で、勉強を…」
「…そうか、何回も言っているが俺たちの部屋には入るなよ?」
「あ、あ、わ、わかってます…」
「…まさか、お前…見たのか」
「え、いや、何の話…」
「見たのかと聞いているんだ!!」
「…な、なにも、見てません…なにも、本当に…」
「そうか、ならいいんだ」ニヤッと父親が笑う。
母親は、何も言わない。もくもくとご飯を食べている。ただの空気のように、澄ました顔で。
「じゃ、じゃあ…」
「勉強、頑張れよ、」
父親が、笑う。
その顔は悪魔のようで、ものすごく気味が悪かった。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
記憶ってなんだ?
一体、何のためにこんなことを?
自分の子供を使ってまで何を……いや、もしかして子供じゃないのか?
記憶をどこまで改ざんすることが本当にできるのかは知らない。
でももし、できるなら…。
小林家の子供だと記憶を改ざんすればいいだけの話。
そうだ…紗季は?
紗季はどうなるんだ?
ただの、何も知らない女の子じゃないか。
会社に振り回され、記憶を改ざんされる…。
俺と同じ。
決めた。
紗季にはこのことを教えない。
幼馴染でもなんでもないかもしれないけど、紗季だけは、俺が守る。
俺と同じ気持ちにはさせない。
たとえ、暴力をしたとしても。
近づくやつは全部、俺が。
「ねえ…」
「ん?」
「私、怜にずっと、話したかったことがあるの。」
「私と、怜の、会社について。」
嫌な予感がした。
それ以上、紗季には話してほしくない。
だって、それしか考えられないじゃないか。
紗季も、紗季も知ってたんだ。
「紗季…!」
「え?」
「もう、それ以上、話さないでくれ…」
なぜか、涙が出てきた。
あふれてくる。
止まらない。
俺、守れなかった。
紗季を守れなかったんだ。
きっと、紗季も知っていたんだ。
あのことを。
「怜?」
「なにも…ない…」
「嘘つかないで?」
「え…?」
「私、怜がつらい思いをしてきたこと、知ってる。それと、記憶改ざんのことについても」
「やっぱり…俺は、俺はぁ…」
「大丈夫。怜が私のことを守ろうとしてたこと、知ってる」
「え…?」
「私が、本当の、小林家の子供なの」
「怜は、中村家の子供」
「は…?」
「中村家の人に聞いたの。『本当に、私はこの家の子供なの?』って」
「そしたら全部、教えてくれた」
「私の記憶は、改ざん出来てなかったんだよ」
「記憶の奥底に残ってたんだってさ」
「俺が、中村家の子供?」
「そう。怜も考えたでしょ?この家の子供じゃないんじゃないかって」
「ああ…考えられることは全部…」
「その考えは的中だったってわけ」
「ほんと、嫌になっちゃうよね」
「実は幼馴染でもなく、家の家計も逆で…」
「おかしい。笑っちゃうよね」
そう、言いながら笑うそぶりを見せる紗季だけど、目は、笑っていなかった。
ここにいる誰よりも暗く、闇がある。そんな目。
「俺、紗季のこと、守れなかった…」
「ううん、大丈夫。気持ちだけで十分。怜が喧嘩をするようになったのも、このことを知ってからでしょ?」
「私が記憶を改ざんされる前、小林家だったころ、私は虐待をうけてた。」
「服はボロボロ、髪もボッサボサでさ。でも休まなかった。保育園とかね」
「まあ、もちろん嫌われてたよ。『汚い。』『臭い。』とか、暴言ばっか」
「でも、それでも私の近くにいてくれたのは中村怜、あなただけだった」
「いっつもいっつも『来ないで、私は汚い。あなたも一緒にいたら嫌われちゃうよ。』って何回も言ったのに、離れようとしなかったの」
「そのたびに『紗季と一緒の方が、楽しいから』って言ってくれた。世界が明るくなった気がしたの」
「パッと、世界の色が変わった」
「でも、また闇の中に私は投げ込まれた。楽しそうにしている私と怜を見てあいつらは実験体はあの二人にしようって」
「私の親も、怜の親も、頭がおかしいよね。そして起きたらなぜか私は中村家の子供に、怜は小林家の子供になってた」
「でも、私、怜の言葉が残ってた。『紗季と一緒の方が、楽しいから』っていう、言葉が」
「だから、私は忘れなかったんだと思う。ありがとう、怜」
「あなたのおかげ。私の思い出は忘れられなかった。どんなにつらくても支えだったのはあなただって」
「俺は…なにもしていない。ただつらい思いをさせてただけじゃないか…。決めたのに。守るって…」
「守られてたの、俺じゃんか…。何もできなかったぁ…」
「大丈夫。怜は、何も悪くない。悪いのは、親。だから、気にしないで」
「大好き。怜のこと」
「え?」
「怜のこと、ずーっと、大好きだよ」
「…俺も!俺も、紗季のこと、好き…」
ぎゅっと体が包まれる。
あったかい。
涙がまた出てくる。
止まらない。
ああ、情けないなあ…。
守るとか勝手にほざいて、結局は守られてる。
「だっせー…」
「ださくない!怜は、かっこいいよ!」
「っぷ…なんだそれ、かっこつけてんの?」
「は、はぁ?かっこいいって言ってあげてんの!」
「それ連発してはずかしくないの~?」
「その言い方はないでしょ!泣いてるくせに!」
「はぁ?紗季だって泣いてんじゃねえか!」
紗季目線
「…はぁ、なんか疲れちゃった」
「それなー」
「この後祭りで…浴衣買いに行くんだっけ?」
「全部忘れてるんじゃん!w」
「海翔と結愛が今買いに行くって言ってたじゃん」
「いつの間にそんな話になってたん!?」
「も~考え事してるからそうなるんだよっ!」
おでこにデコピンをされる。意外と痛い。
「いってえなあ…カンガルーの蹴りかよ」
「例え方おかしくない?」
「今私手でやったよね?足じゃないよね?」
「…あーどうでもいいどうでもいい」
…怜もつらかったよね。
きっと、小林家のほうが中村家よりも扱いが悪いと思う。
勉強ばっかりさせられて…。
でも、男の子が欲しかったっていうのはよく聞く。
だからなのかな。だから私よりも優しくしてるのかな。
お母さん。お父さん。元気?
私、元気だよ。
私はね、どんなに殴られても、やっぱり、大好きだったよ。
だって、世界で一人だけのお母さんと、お父さんだから。
昔も、今も、これからも。ずーっと、好き。大好き。
でも、これは私だけじゃない。きっと、怜も同じだと思う。
怜は記憶を改ざんされた前のことを覚えてないから実感っていうのはないかもしれないけれど、
好きだと思うよ。
私の、今の偽物のお母さんと、お父さんのこと。
実際、私は中村家の子供じゃないからあんまり好きって思わないけど、きっと怜は、違うと思う。
私より根がやさしいから。小林家の親も中村家の親も、好きだと思う。
よかったね。
お母さん、お父さん。
怜は、これからも輝いていくと思うよ。
だから私はその裏で、照らしてあげるの。怜の未来を。
これからもつらい思いをしないように。
皆さん最後まで見てくれてありがとぉ…。
長かったよね…。
なんか書いてたらめっちゃ深くなっちゃったんだけど…。
でも、すっごい、つらいんだろうなって…。
でも、複線回収できたかな?
第6話の話ね!
怜の家でいろいろあって…みたいな話だったと思うんだけど…。
まあ、今回はこれで終わります!
さよそら!
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