ある日私は出かけていて
ふとハンカチがないことに気がつく
『うわぁ、どこかで落としちゃったかなー』
今日は最悪な日になりそうだ
そんなことを考えている中
雨が降り出した
〇〇は普段から折り畳み傘を持っていた為
大丈夫だったが
帰っている途中の道に
傘もささずに下を向いている
人がいることに気がつく
『え!だ、大丈夫ですか!?』
慌てた様子で言った
よく見ると男の人で
すごくこちらを見つめてくれていたので
恥ずかしくて視線を逸らした
「君、俺の事助けてくれるの?」
少し不思議そうに聞いた
『困っている人がいるのに
助けないのは私が嫌なので!』
そういうと彼は嬉しそうに
こちらを見た
「ねぇ、俺傘持ってないからさ!
入れてくれない?」
目を輝かせてこちらを向かれながら
言われたので
『は、はい!もちろんです!』
と思わず言ってしまった
気がつけば帰るはずの道ではないことに
気がついて
『あ、すいません、こっち、帰り道じゃ
なくて』
「いいじゃん、君はこっちで
暮らすんだから」
『え?』
驚きの言葉に 足を止めてしまう
「どうしたの?」
なんて、手を差し伸べてくれた
『あ、いや、こっちで暮らすってのは
どういう意味で…』
「そのまんまだよ!
ずっと探してたんだよ?〇〇」
『な、なんで名前、』
教えてもない名前を言われて
後ずさりしてしまう
「なんでそんなにも怯えるの?
俺はこんなにも君を探してたのに」
なんのことかわからない
そのせいか余計に怖くなる
『ご、ごめんなさい!私、家に帰るので!』
少し早口で言った
「なんでよ」
走ろうとした足が止まる
気づけば彼の手には
私の手が握られていた
『え、いつから、』
「はは、温もりで感じなかった?
〇〇が傘に入れてくれた時から
ずっと握ってたよ!」
確かに彼を傘に入れてから少しだけ
暖かさが手から感じた
『こ、こないで、』
彼から逃げようとしても
強く握られている手のせいで
怖くても逃げられない
「さ、はやく家に帰ろう」
と言い 無理やり私を引きずり
彼の家であろう所に連れてかれる
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ああ、まただ
いつからか毎日のように見始める
悪夢
それも、災難な夢だ
1番この世で愛している彼女が
居なくなる夢だ
彼女は俺のことを覚えていないかもだけど
俺はしっかり覚えている
数十年前、まだ幼く
幼稚園児だった頃
手を差し伸べてくれた
唯一の光の人がいた
それが彼女だ
名前はわすれていたため
なんとか昔の押し入れを探り
児童の名前を見て
顔だけで判断した
それほど愛が強いのだろう
いつからか 彼女のことしか考えられない
日が経つにつれ 彼女に対する愛が
増していった
もう一度会いたい
会ったらここで暮らさせる
………
彼女のことを考えただけで
一日が終わる日だってある
天井を見ながら彼女のことを考え
寝る それが寝るための順番だった
しばらくがたったある日
彼女が自分の傍から離れる夢
そんな悪夢を見るようになった
外に出ていないからか
それとも彼女はどんな考えを持っているか
頭を抱えながら考えた
たまには外の空気を吸おう
そう考え外へ出た
少し遠いコンビニへ行って
いい所があったら見に行こう
そんな日程を考えた
1時間程が経った頃だろうか
急に雨が降り出した
不運にも傘を持っていなく
ただ濡れるだけだった
自分にはいいことなんてもうなにもない
そう思い無意識に下を向いてしまう
自分は耳がいいため
周りの騒ぐ音 雨の音
そんなたくさんの音が聞こえる中を
堂々と俺にたずねる声が聞こえた
その声にはどこからか
懐かしい声が入っていて
不意にも自分のことを助けようとしている
のか そんなふうに聞いてしまった
変な答えでも彼女は迷わずに
困っている人がいたら助ける
その言葉が聞こえてはっとした
今俺に話しかけている彼女は
幼稚園の頃恋をしていた彼女だ
彼女な昔 俺にこういった
「どうしてひとをたすけようとするの?」
『こまっているひとがいたら
たすけないとわたしがいや!』
そんなヒーローみたいな言葉を言いながら
こちらを見る彼女
あまりにも可愛かった
今でもあの顔は忘れられない
嗚呼、神様
今までの不運は彼女のためだったんだ
あの時から
彼女のためならなんだってする
そんな思いがあった
なにも望まない
彼女だけいたらそれでいい
もう彼女以外いらない
なにも必要ない
洗脳するかのように自分の頭に言う
洗脳されたのか、つい彼女の手を
引っ張ってしまう
彼女はとても嫌がっていた
嫌がる姿もかわいい
どうして彼女は何をしても可愛いのか
自分が彼女を連れて来た場所は
彼女と一緒に住む場所
自分の家だ
彼女をここから帰らせる気もない
帰らせるとしたら荷物を取りに行かせる
そんなことぐらいだ
もう自分は彼女に洗脳されてしまった
沼に入ったとでも言っていいだろう
彼女との子供を作りたい
まだ出会って約1年ぐらいだ
それでもこれだけ彼女に対する
愛は重い
両思いじゃなくても
彼女が自分のことを好きになってくれる
そんな洗脳をさせたい
俺がいなければ生きていけない
俺がいなければ生きていけない
俺がいなければ生きていけない
どれだけ念を込めたか
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
いつからだろう
部屋に閉じ込められた
それも人が4人入るか入らないかぐらいの
大きさだ
退屈ではあるが
身体は動かせる
出ようとした
部屋を出たら
先程出会ったであろう人の声が聞こえた
「どこ行こうとしてんの?といれ?
それとも、もしかして逃げようとでも?」
『ひっ』
思わず口からは恐怖に満ちた声が出た
「答えて」
『に、ひっ、はっふ』
恐怖で声が出ない
なぜ私はここに居るのだ
なんとか思い出そうしたが思い出せない
「ああ、そういえば俺の名前
言ってなかったね
俺は君の旦那になる阿形」
旦那?何を言っているのか全くだ
頭では逃げようと思っているのに
行動に移せない
なぜなら
今この状況で出たとして
彼から完全に逃げ切ることができ
また同じ日々を送れるのか
そんな疑問が起きた
もう何もかも彼に託しても良いかもしれない そう考えた
いや、だめだ
どれだけ嫌なことがあろうとも
今の彼、阿形と名乗る人に託しては
いけない 心がそう言っている
「で、どっちなの?逃げようとした?
それともなんか出なきゃ行けない用事?」
『あ”っ、に”ッげよう”とッし”ましたッ』
恐怖の中でも言えた言葉
自分に拍手を送りたい
そんなのは彼に通用しないだろう
「あっそ、じゃ躾がいるみたいだね」
彼は私を押し
先程居た場所に連れてかれる
一体何をされるのか
気がつけばべっとの4方向に
鎖のような繋ぐものがある
それも1人の手首が収まるサイズ
まさか、と思った
そのまさかだ
彼に手を持たれ繋がれ
足も固定された
『あ”ひッ〜♡♡は”げッ”しぃ〜♡♡』
「まだ始まったばっかだよ?」
彼は私と違って余裕そうだ
『お”めッと”め〜♡♡てッ”〜♡♡〜』
「んー君次第かな
旦那様止めてくださいお願いします
はい、言ってごらん」
『だ”んなッぁ”さッ”“ま〜♡♡
と”めッひ〜♡♡て”
くら”ッさッッ〜♡♡』
「ちゃんと言えてないなー」
『ンあ”ッあ”あッ〜♡♡』
身体の中心に熱いものが
たくさん伝っていくのが分かる
もう彼に逆らえない
ここからでたらもっと酷い目にあう
もう彼しかいない
まるで洗脳されたかのように
頭が彼で溶けていった
コメント
6件
続き待ってます!!
隈取さんバージョンも見て見たいです
出会えてよかった! 最高すぎる!