SnowMan阿部さん視点です。
初めてミセス以外の人を登場させてみました···センシティブありです。
グループ以外の人とのカップリングも大好きなのです。
(以前公開していて、少し書き直しました)
音楽番組で一緒になって、久しぶり!と盛り上がったのは藤澤涼架くん。
いつ会っても謙虚だし、優しいし、キレイなひとだなというのが俺の印象。
あんまり自分たちのグループは普段しっかりメイクして、ってないので素敵だなと思う。
「もし良かったら阿部くん、夜ご飯一緒に食べませんか?」
そう誘ってくれて更に嬉しくてメンバーにいいでしょ、と少し自慢しながら夜待ち合わせしていた場所に向かう。
お店は涼架くんが選んでくれたお店で待ち合わせ場所でもう俺を待ってくれていた。
「ごめんなさい、遅くなってしまって」
「ううん、僕が楽しみで早く来ちゃっただけだから」
サラッとそんな嬉しいことを言ってくれるその瞳はマスクをしていても優しさと笑顔を滲ませている。
「ごめんね、勝手にお店選んじゃって。個室でゆっくり出来そうなところだから···阿部くんってお酒飲めるの?」
「お酒飲むよ、涼架くんも?」
「僕けっこう強い方なんだ、じゃあ一緒に飲めるね、あ、危ないからこっち」
そういうと涼架くんは車道側に自分が立って場所を変えてくれる。
俺なんかよりよっぽどアイドルっぽいかも···めちゃくちゃ気遣い出来る人なんだな···なんだか男なのにキュンとしてしまう。
「ありがと···涼架くんって優しいね」
さらっとそんなことないよ。と言って目だけで微笑む。あざとい警察···普段自分が言われていることがふとよぎった。
お店につくと個室に案内してもらう。小さめだけど落ち着く完全個室。
「いいお店だね···完全個室なんだ···」
「あんまりこういうところは来ない?」
「メンバーの数が多いからあんまり皆ではないかも···それにどうしてもみんなでいると盛り上がって騒いじゃうしね」
「大人数だとそうなるよね、けど楽しいよね、いいね」
そうだ、涼架くんのグループは5人から減って今のメンバーになってしまったんだ···それはきっと寂しいことだっだろう。もし俺のグループから1人でも欠けたらそれは辛くて悲しくてすごく寂しいと思う。
「うん···けど、涼架くんのところも仲良しでしょう、いつも楽しそうに話してて···素敵な関係だよね」
「そうだね、いつもふざけたり叱られたりしてるよ」
一番年上なのにね、と笑う。その表情は可愛らしくてふにゃりと目尻を下げて笑うと子供みたいで、俺より年上なんて思えない。けどそういうところがムードメーカーのような大事な役割を担っているんだろう。
「そんな涼架くんがいるから、きっとグループは上手くいくんだね」
「···阿部くんって本当に優しいね。それに可愛い」
ふいに頭を撫でられる。その大きくてキレイな手で撫でられるとなんだかやっぱり胸がキュンとしてしまう。
頼んでいた料理とお酒が運ばれてきて俺たちは乾杯し、話も弾んだ。お互いのメンバーのことや休日の過ごした方、YouTubeも見てくれてたみたいであの企画面白かったよ、とかそんなことまで話して随分お酒が進んだ。
涼架くんは本当にお酒が強くてビールから日本酒に変えてぐいぐいと飲んでいく。つい俺も釣られて一緒に日本酒を飲み、随分ふわふわと気持ちよくなってきてしまった。
あぁ、楽しいな···この人の声って柔らかくて話し方が優しくて、聞いていて気持ちがいい。
2人きりの個室だけどついメンバーのことを話すときは気を使って小さめの声で話すのでだんだんと距離が自然に近くなる。
その時向かい合っていた涼架くんがぽつりと、ねぇ、隣に座ってもいい?とにっこり微笑んできた。
断る理由もない、少し奥に詰めてどうぞ、と開けると涼架くんは嬉しそうに隣に座る。
「本当に阿部くんは可愛いね、顔ちっちゃくて足も長くて。カッコいいし···毎日見てたい。手もキレイだよね」
そういうと俺の手に自分の手をそっと乗せてくる。
これはどういう距離感なんだろう。
色素の薄い茶色い瞳、ふわふわの髪の毛、爽やかだけどムスクが混じったような香水の匂い。ほんのり、高揚した頬もその声にも···全てに色気を感じてクラクラとしてしまう。
けど、ちっとも嫌じゃない。寧ろ、もっと近くで涼架くんを感じたい、その真意を探りたいと思って、普段メンバーから指摘されるいわゆる『あざとい』行為になるんだろう···目を見つめながら顔を寄せてしまった。
それがたぶん、涼架くんの中の男のスイッチを押してしまったんだ。
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