TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

学校に着くと、チャイムが鳴り始めていて走って教室に滑り込む。


?「あ〜っ!〇〇!遅刻だよ〜!」


鈴を転がすような可愛らしい声。

この子は榊原亜里沙(さかきばらありさ)私の友達。

顔は可愛いのだが、よく私を揶揄ってくるのが良くない癖だ。


『まだセーフですぅ〜』


なんてふざけながら返事をしていると、


先「はーい、お前ら座れよ〜」


先生がやってきて、蜘蛛の子を散らすように全員席についた。

先生は皆んなが静かになったのを確認して、話し出した。


先「はい、今日は全校朝会があります。」

先「皆さんはもう中学3年生なので、恥ずかしくないように挑みましょう。」


出た。テンプレ。

こんな言葉は小学生の頃から聞いてきている。

小2だから〜だとか、最高学年だから〜だとか…

はっきり言ってもう聞き飽きた。

大きく欠伸をしながら私は体育館へ足を進めた。


体育館について、校長先生が話し始める。


校「はい。え〜今年も寒くなってきましたけどね。え〜…」


校長先生の喋り方はおっとりしていて、すごく眠くなってくる。

睡魔と戦いながらぼんやりしていると、急に周りが騒がしくなった。

私は全く話を聞いていなかったので、亜里沙に聞くことにした。


『ね、亜里沙。なんで皆騒いでるの?』

亜「え〜〇〇、聞いてなかったの〜?どうしよっかな〜…う〜ん、秘密〜」

『え〜、!教えてよ〜今日のお昼奢るから〜!』

亜「え、ほんと!?あのね、中2のクラスに転校生が来るんだって、!」

『えっ!?まじ!?(大声)』


驚いて思ったよりも声が大きくなってしまった。

周りは私と亜里沙をチラチラ見てくる。

私と亜里沙はうるさかったねーと笑い合った。

亜里沙と話していると、転入生の紹介が始まった。

体育館の舞台に人が上がってくる。

私はその人達の顔を見て、何も言えなくなった。

だって、だって、その人達は…さっきの性格の悪い双子だったから!!!

私は目が点になった。

少女漫画とかでよくある展開だけど、なにも嬉しくなんてない。揶揄われて馬鹿にされて…

でも顔だけは良いから、周りの女子(特に亜里沙)はきゃーきゃー黄色い声をあげていた。


旭「夏樹旭で〜すっ」

陽「夏樹陽ですっ」

2「「皆んな、宜しくねぇ〜」」


2人が自己紹介をすると、皆んながまたきゃーきゃー騒ぎ出した。

すると、教頭先生が静かにと言いクラスを発表した。

私は今まさに「空いた口が塞がらない」状態。

ぽかーんと阿保面を晒していると、旭がこちらに気づいて、ひらひらと手を振ってきた。

完全に思考が停止していた私は、無意識に手を振り返していた。

私が手を振り返すと、より一層笑みを強めて手をぶんぶん振ってきた。

2人で手を振り合っていると、亜里沙が話しかけてきた。


亜「ねぇ!あの2人こっち見て手、振ってない!?」

亜「ヤバーい!!私手、振り返しちゃおうかな〜!」

亜「〇〇、?」

『ん?あぁ、ほんとだね。振り返してみたら?』

亜「だよねだよね〜!!」


亜里沙はもうすっかり2人にめろめろなようだ。

はぁ…なんでこんなことに…

でも、学年が違うから会うことなんてないよね!!

なんて思っていたが、その考えが甘かった事に気付かされるのだった…

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚