テラーノベル
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ty side
「 甘えのお手本を見せてやる 」とは言われたものの、一体何を見ればいいのか…。
部活で疲れた身体を休めるためにも お手本 とやらを見るためにも、少し駆け足で家へと急いだ。
がちゃ
ty「ただいま」
「おかえり」という返事の代わりと言うように、 どさ という何かが倒れるような音がした。
家《ここ》には兄さんと兄さんの友達しかいないはず…。少し嫌な予感がして、いつもはちゃんと揃えている靴を放り投げる勢いで脱いでリビングへと走った。
リビングに繋がっているドアを勢いよく開けると、そこには______
ty「はぁ っ、?!」
兄が、床に押し倒されていた。
『 マジで助けてぇ…… 』
____________________.
syu side
rut「お邪魔しまーす」
『お邪魔してくださーい』
今から刀也が帰ってくるまでに予行練習しておかなければ。全ては弟のため…犠牲になってくれ我が親友よ。(
『お茶出すし適当に座っといて』
rut 「ん、ありがと」
甘えとはうんたらかんたらそんな哲学的なことではない。シンプルに、”・接触を多く! ・距離感を詰める!・要望はしっかり伝える!”…的な感じだ。ぱっと見男を堕とすテクニック初級みたいな感じだな、まぁ気楽にいこう。
…それに、探りも入れなければならない。あまり乗り気ではないが、兄弟のためでもあり、自分のためでもある。そこらへんには気を配っていないと。
『てか今日何すんの?』
rut 「あー…、そういえば。何も持ってきてねぇや」
『じゃあ何しに来たんだよw』
rut 「お前の弟らに嫉妬したから」
空気がぴしりと固まる。
「…とか言ったらどうする?」
…一瞬心臓が止まったかと思った。冗談だとは思えないような真剣な眼差しで冗談のようなことを言ってのけるから、てっきりマジで嫉妬しているのかと。まったく心臓に悪い…。
『思っきし甘えるんじゃね?俺の弟に嫉妬した分、弟に嫉妬させる…とかど?名案じゃん』
(まぁ今から甘えるんですけど)
rut 「…っそ。てっきり兄バカ発動して俺の弟に嫉妬なんかすんなぶち〇すぞとか言われるのかと」
『んな事言わねぇよ!w』
冷え固まっていた空気はすんなり溶けて雰囲気も一気に和やかなものに戻った。
……さて、いっちょ仕掛けようかなぁ…!!!
『そういえばさ、よさげなカフェ見つけたんだけど…』
ソファで隣に座っていた琉斗と肩をぴたりと合わせ、一台のスマホの画面を二人で共有する。これは作戦の一つである。
rut 「ん、……あーそれね。最近話題になってるやつだ。」
『お、知ってた?じゃあ一緒に食べに行かね?特にいちごパフェ美味そーでさ!』
rut「いちごパフェって…お前恋人なんていたっけ」
『は???』
いちごパフェの話をしていたのに、突然脈絡もなく恋人の有無を問われた。なんだコイツ煽ってんのかんん???……と青筋をピキらせていたのも束の間、よく見ると値段の下に[こちらの商品はカップル限定です♡]とピンク色の文字で書かれていた。
『カップル限定とか聞いてなーい…まぁ俺とお前で行けば万事解決なんですけどね』
rut「は」
「ちょ、おま、急に何言って…」
「?一緒に行って頼めばカップルだって勘違いしてくれんじゃないかって意味」
rut 「…急にごめんなんだけどさ、男同士の恋愛って、意外とアリ派?」
『まぁ、うん。性別は別に気にしないけど…マジでどした?体調悪い?』
さっきから少しズレている問答をしていく内に、体調が悪くて頭が回っていないのではという疑問が頭に浮かんだ。心做しか顔も赤い。
rut 「マジで何でもないから、ちょっと聞きたかっただけで__」
ぴと。
『やっぱ熱いじゃん…無理は禁物、な』
rut side
『やっぱ熱いじゃん…無理は禁物、な』
何を言われているかも分からない。今分かるのは、愁が俺の目の前にいて、今にでもキスしそうな距離感なこと。
rut (あー もう……)
「そういうことするから、勘違いしちゃうんじゃん」
『え』
どさ という音と共に目の前の鈍い親友を押し倒す。
彼は目を見開いて、何が起こったか分からないとでも言うような表情でこちらを見つめていた。
こいつはいつもそうだ。恨めしいまでに鈍感で、でも相手の変化には敏感で。そして単純で。老若男女問わず変わらない声色で話し掛けるのに、俺には少し語彙を緩ませて話し掛けるから、俺はお前の特別なんだって錯覚してしまう。
rut 「こういうことされて、何も思わないわけ?」
『え、いや、えっ と…思わないわけじゃない けど』
rut 「けど?」
『……ちょっとだけ、恥ずい みたいな』
愁は頬を赤らめながら潤んだ目を泳がせる。今、少しぐらいは、意識をしてくれていると判断してもいいのだろうか。
『ってか、この状況何 どゆこと?やっぱお前熱あるんだって』
rut 「ない。至って真面目だけど」
こんなチャンスは二度と来ない。
今を逃してしまえば、俺は一生親友ポジのまま。
大きく息を吸って、吐く。決心はついた。
「……俺、お前のことが好き。弟に嫉妬したの 本当」
『っは、?え、はぁ……??お前が、俺を…?恋愛的に、?』
rut 「そう。てかこの状況で嘘つかないってw」
『いや笑ってる場合じゃなくて…っ』
『いや、もぅ…なんなんだよぉ……』
口を手で覆いながらもごもごと言葉を漏らす愁はいつも以上に可愛くてまじまじと目に焼き付けていると、手で頬の赤らみは隠せても耳までは隠せていなかったことに気づく。
rut (こんなの、理性どっか行くって…っ)
理性の糸が切れる限界まで張り詰めたその時、リビングと廊下に繋がるドアがばたんっと勢いを持って開いた。
ty 「はぁ っ、?!」
息を切らした男が一人、立っていた。
rut (あぁ、またお前か)
そう、心の奥底で呟いた_。
コメント
3件
続きありがとうございます!!!色んなキャラの視点から読めて最高でした! 琉斗くん…君そんなバカでか感情持ってたのね…これからじゃんじゃんぶつけてね。弟に負けるな。 えへへ…鈍感な愁くんが琉斗くんからの告白に赤面してんの可愛すぎる。もっと赤面してね。 長文失礼しました
まってました!!!!!! 続きもお待ちしております✨️✨️
続きが見たいので僕は♡を押します