テラーノベル
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ー逃げ道は君になった。ー
🩷佐野勇斗 攻
💛吉田仁人 受
🤍山中柔太朗
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
朝。
目が覚めて、ぼんやり天井を見る。
昨日よりは少し楽になった気がする。
……でも。
💛「……まだダルい……」
体を起こすだけでも、
なんとなく体が重い。
お母さんからも、
「今日はまだ休みなさい」
と言われていた。
💛「……今日も休みかぁ」
枕元のスマホを手に取る。
電源を入れた瞬間――
📱LINE 35件
💛「…………え?」
思わず目を疑った。
昨日はほとんど寝ていたから、
LINEを全然見ていなかった。
恐る恐る開いてみる。
【5人のグループLINE】
❤️「仁人ー!大丈夫なん?」
💙「昨日めっちゃしんどそうやったけど、今日はどうや?」
❤️「熱下がったー?」
💙「今日も休むん?」
🤍「仁人、おはよう」
🤍「体調どう?」
🩷「仁人、おはよ」
🩷「熱どう?」
🩷「昨日より楽になった?」
🩷「無理しないでね」
❤️「勇斗めっちゃ送るやん笑笑」
💙「通知見たら勇斗ばっかりで笑ったわ笑」
🩷「だって心配じゃん」
🤍「俺も心配してるけど?」
🩷「柔太朗も送ってるじゃん笑」
🤍「そりゃ送るよ。仁人だから」
🩷「……俺だって仁人だから心配してるし」
💙「なんで張り合ってんねん笑」
❤️「病人そっちのけで何してるん笑笑」
💛「…………笑」
思わず笑ってしまった。
でも、通知はまだ残っている。
【柔太朗】
🤍「仁人、おはよう」
🤍「ちゃんと寝れた?」
🤍「熱は下がったかな」
のんの
321
Rua✨🫧
108
2,024
🤍「水分取ってる?」
🤍「今日も休むなら、ゆっくりしてね」
🤍「無理して返信しなくて大丈夫だから」
💛「柔太朗もいっぱい送ってる……」
そして、その下。
【勇斗先輩】
🩷「仁人、おはよ」
🩷「起きた?」
🩷「まだ寝てるかな」
🩷「熱どう?」
🩷「昨日より楽?」
🩷「ちゃんと水分取ってね」
🩷「朝ごはん食べれそう?」
🩷「無理なら食べなくてもいいから」
🩷「でも水分はちゃんと取って!」
🩷「今日は学校来ないよね?」
🩷「まだ休んだほうがいいと思う」
💛「……笑」
本当に、通知が多い。
でも嫌じゃない。
むしろ、ちょっと嬉しい。
💛「……心配してくれてるんだなぁ」
そう思いながらスマホを置く。
まだ体はダルい。
そのまま布団に戻り、
昼までゆっくり休んだ。
――昼過ぎ。
目が覚めてスマホを見ると、
また通知が増えていた。
【勇斗先輩】
🩷「あ、ごめん!」
🩷「送りすぎた!」
🩷「仁人、風邪ひいて辛いのにいっぱいLINEしちゃった」
🩷「ごめん」
🩷「無理に答えなくていいから!」
💛「…………」
なんだか、勇斗先輩らしい。
心配して、いっぱい送って。
送ったあとに「送りすぎたかな」
って気にして。
💛「……優しいなぁ」
それから柔太朗にも返信する。
💛「心配してくれてありがとうございます!」
🤍「よかった。少し安心した」
💛「今日はまだ休みます笑」
🤍「うん。ゆっくり休んでね」
グループLINEにも、
💛「おはようございます!今日はまだ休みます!」
と送る。
❤️「お!生きてた!」
💙「おはようちゃうやろ笑」
💛「起きたの昼笑」
❤️「まだしんどいん?」
💛「ちょっとダルいかな笑」
🩷「じゃあ絶対無理しないで」
🤍「うん。今日はちゃんと休んで」
💙「二人とも過保護やなぁ笑」
❤️「仁人愛されとるやん笑笑」
💛「やめてください笑」
また笑ってしまう。
だけど、スマホを置いたあと。
少しだけ寂しくなった。
💛「…………」
勇斗先輩と話したい。
昨日もずっと看病してもらったけど、
ちゃんと話せたわけじゃない。
💛「……話したいな」
でも。
💛「……風邪うつしたら申し訳ないし」
電話したい。
でも、そんなこと言えない。
そう思いながら、
ぼーっとスマホを眺めていた。
――夕方。
📱♪♪♪♪
突然、着信音が鳴った。
画面を見る。
【勇斗先輩】
💛「……えっ」
一瞬も迷わなかった。
💛「もしもし!」
🩷『あ、仁人?』
💛「はい!」
🩷『よかった。出てくれた』
電話越しの声を聞くと、
不思議と安心する。
💛「どうしたんですか?」
🩷『いや……』
少しだけ間が空く。
🩷『ほんとは会って話したいんだけど……』
💛「…………」
🩷『仁人、まだ結構ダルいでしょ?』
💛「……まぁ、ちょっと」
🩷『だから、無理に話したりしちゃうかなって思って……』
🩷『それに、まだ風邪ひいてるし』
🩷『俺が行ったら、仁人が気を遣っちゃいそうだなって』
💛「…………」
🩷『でも……』
少し照れたように笑う。
🩷『めちゃくちゃ話したかったから』
💛「……ふふっ」
🩷『だから電話』
🩷『便利だね、電話って笑』
💛「……俺も」
🩷『ん?』
💛「俺も、話したかったです」
一瞬、電話の向こうが静かになる。
🩷『……ほんと?』
💛「はい」
🩷『そっか……』
その声が、すごく嬉しそうだった。
だから俺も嬉しかった。
🩷『……よかった』
それから、学校のこと。
みんなのこと。
昨日買ってきてくれたゼリーのこと。
たくさん話した。
でも、勇斗先輩は何度も、
🩷『仁人、しんどくなったらすぐ言ってね』
と言ってくれた。
しばらく話しているうちに、
俺は少し元気が出てきた。
💛「……勇斗先輩」
🩷『ん?』
💛「俺、早く学校行きたいです!」
🩷『……だめ』
💛「え?」
🩷『ちゃんと治ってからにして?』
💛「でも、もう結構元気ですよ?」
🩷『だーめ』
💛「笑笑」
🩷『まだダルいって言ってたじゃん』
💛「……はい」
🩷『仁人が無理して学校来て、また辛くなったら嫌だから』
🩷『ちゃんと治してから来て』
💛「…………」
🩷『俺、仁人が元気なのが一番だから』
💛「……分かりました」
🩷『よし』
💛「でも……」
🩷『ん?』
💛「早く会いたいです」
言った瞬間、自分で恥ずかしくなった。
💛「…………」
電話の向こうでも、沈黙。
そして――
🩷『……俺も』
その一言だけが返ってきた。
胸が、また少しだけ熱くなった。
コメント
1件
読ませていただきました……第34話、すごくよかったです。勇斗先輩の“送りすぎたかな”って気付くところ、めちゃくちゃ可愛いし優しいなって思いました。そして電話の「俺も」って一言、すごく響きましたね。声で聴くからこそ、距離感の変化が伝わってくる。仁人くんが「会いたい」って素直に言えたのも、風邪でちょっと弱ってたからこそ出た本心なんだろうなって……胸がぎゅってなりました。繊細な空気感、大好きです。