🐨「本人かどうかの前に、この子をどうするか皆で考えようか。」
ナムジュニヒョンのこの一言によって僕達はすぐに役割配分をした。
話し合いは二時間以上続いたがやっと決まった。長引いたのはどっかの万年発情期兎とデレデレ虎のせい。僕も多少なりとは私情を入れたけども。
決まった役割はこうだ、
ユンギヒョンとナムジュニヒョンは手掛かり捜索。
ホソギヒョンとテヒョンは面倒見係。
そして僕とジョングガが買い物・ご飯係となった。
正直、面倒見係が良かったけどテヒョンの圧倒的なジニヒョン愛と闇ホソギヒョンにみんなやられてしまった。ていうか僕、凄く不安なんだけど。まだ、ユンギヒョンとかナムジュニヒョンとかが良かったけどまさかのジョングガとだよ!?料理なんて出来る気がしないし、買い物だって超不安なんですけど。
それでも決まったものは仕方がないと思い、僕は頬をベチンと叩いてジョングガの手を引っ張った。それなのにびくともしないジョングガに改めて目をやると死んだ魚のような目をしたジョングガがいた。目を合わせたら呪われそうなぐらいヤバかった。アイドルがしちゃいけない顔だよ。ジョングガの視線の先には小さいジニヒョンとそれを見てニマニマしているテヒョナがいた。ジニヒョン大好きマンのジョングガからしたら同じくらいジニヒョンが大好きなテヒョナは最大の宿敵なのだろう。僕ははぁと肩を下ろした。
が、その直後に僕はジョングガを元気付ける方法を思い付いたのだ。
🐥「おい、ジョングガ、僕達は買い物係だぞ。」
🐰「…だからなんなんですか…」
🐥「買い物って言うことはジニヒョンに好きな服買って好きに着せ替えが出来るという事だよ!!」
🐰「ッッ!!」
大きなジョングガの目がバッと見開いた。
🐥「セーラー服でもモコモコパジャマでもメイド服でも、子供用だから種類は豊富だぜ。」
発情期兎は物凄くちょろかったのである。
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そこからは早かった。
急いでショッピングモールに行き、子供用服のコーナーに向かった。大男二人が子供用の服をじろじろ見ている様はなんとも気色悪かっただろうが店員さんは苦笑いをしながらも僕らの来店を迎え入れた。沢山の種類があり、どれもジニヒョンに似合いそうなものだった。あ、ちなみに男の子用じゃないよ。もちろん女の子用だよ。そりゃそうでしょ。勿体ない。可愛いジニヒョンを目に焼き付けておきたいしね。
可愛いフリフリのドレスを手にとってジョングガにどう?と聞こうとしたら隣にいたはずのジョングガはいなくなっていた。また別のコーナーを見に行ったのかなと思いジョングガを探すと案外近くにいた。声を掛けようと思い近付くと僕はジョングガがいたコーナーを知り、話しかける気が失せた。
確かに僕は何でも好きな服を着せれると言ったがまさかこんな服を選んでくるとは思わなかった。どっちが良いかなぁと真剣に悩んでいるジョングガを見て、僕はジョングガの本気を悟った。
そのままジョングガに声を掛けずにお会計を済ませた。店員さんはえっ?と顔を歪ませていたが僕の次に会計に来るアイツを見たらもうそれどころではいられないだろう。ジョングガは会計を済ませ、ルンルン気分で「次は靴!!行きましょ!!」と先陣をきった。
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その後は夕飯の買い出しをし、そのまま家に帰った。
「ただいま~」と言うと「お帰り~!!」と元気に飛び出してくるジニヒョンが可愛すぎて僕は悪くないな、と思った。横に居るジョングガは買い物に満足したのか楽しそうに台所に向かっていっていた。出掛ける前とは打って変わったジョングガの態度に僕はやれやれとため息をつき、台所に向かった。
包丁を握って震えた手を動かす。ヒョンのように綺麗にはできないけれど不器用ながらも頑張って切り終えた。ジョングガはパキッパキッとカレーのルーを割っていた。まだ材料も全部切り終わってない状態でルーを用意しているジョングガがおかしくって笑うと僕は間違えて自分の指を切ってしまった。
僕は指先から出る血を押さえるためリビングにあるティッシュを取りに行くと心配そうに眉を下げながらジニヒョンが近づいてきた。
🐹「ジミナッ、大丈夫!?ごめんねっ、僕がこんなになってしまったせいで、迷惑かけて…絆創膏持ってくるから待ってて!!」
まるで自分のことのように慌てるジニヒョンを見て僕は安心した。
あ、ヒョンが居る。ジニヒョンがここに居るんだ。小さくなってもジニヒョンはジニヒョンなんだと僕は嬉しくなって笑った。
指先から流れる血は止まらないけれど僕の痛みはすぐに止まった。
憂鬱な買い物 終わり
コメント
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これジンくん可愛いし神です !
想像しただけで可愛いんですけど