今日は何だか気分が悪い。多分昨日の反動だ。今日は虐められるんだろうか?昨日は虐められなかったし。でも、ゆきなりが暴走する可能性だってある。でもなぁ、一番怖いのは俺なんだよなぁ……虐められてるのにいじめっ子の心配するし……
「お、おはよう……」
「あ、りょーた!?こっち来て!」
あやが急に俺を呼んだ。どうしたんだ?
「あや?どうした?」
「いや、ちょっと危ない、ゆきなりがヤバイから」
あやの様子がなんだかおかしい。こんなに怯えないのに。
「え、ゆきなりがどうしたの?」
「何だか、嫌な予感がする。ゆきなりね、何だかいじめをエスカレートさせそうなの」
「え?」
今までのいじめは皆にバレないいじめをしていたけれど、バレるようないじめをしようとしてるのだ。
「さっき、さらっと聞いたんだけど、ゆきなりが、りょーたのいじめをもっと過激化しないとって言ってた」
「……」
俺は言葉が出せなかった。俺の頭の中には一つの考えがもう一回よぎった。
多分だが、なりあき先輩から聞いた情報によると、ゆきひと君はゆきなりに盗聴器を着けているらしい。だから、むやみにゆきひと君の名前を出せないんだろう。
「そっか、じゃあ、俺はどうすれば……」
「私の言うことを聞いて」
「?」
どういうことか分かんないが、一応了承しといた。
休み時間
今、俺は………
「ほら!犬!歩け!」
「いや、俺犬じゃないんだけど!?」
あやに、虐められてます(´;ω;` )
あ、因みに、これ、作戦ね。その作戦って言うのが……
「私にいじめられて」
「え」
いや、酷くない?
「だけど、私はそんなにいじめは強くない」
「いや、強い」
あやのいじめはどちらかと言えばまだ楽しいけど、痛い。
「ゆきなりはそんなに奪い取る!みたいな性格じゃないから、多分違う人がりょーたの事を虐めてたら諦めるんじゃないかな?って」
「おー!テストでは頭悪いのにここでは頭良い!」
「後で殴ってやろうか?」
みたいな話をさっきしてた。
「こら!そこはワン!」
「……ガルルル」
「威嚇しない!」
猛獣と飼い主……
「…………」
ゆきなりはこれをずっと見てる。
「成功か?(小声)」
「成功だっ!(小声)」
フラグビンビンと立っているが……
「……りょーた!少し時間良いかな?」
やっぱりゆきなりが言ってきた。
「え、ええ」
「……今何してるか分かってる?」
「うん、スッゴク分かってる、分かりながら話しかけてるから」
ゆきなり……本当に何考えているか分からない…
「ふーん、いいよ」
「あや!?」
裏切りやがった!?
「りょーたー、トイレ行こー」
「いや、え、なん…あ、はい」
ついていかないとヤバイことになりそうだったからついていくことにした。
「………ゆきなり?一体……」
「あは、いやぁ、ちょっと実験台になってもらいたくて」
「え」
俺は反射的に後ずさりした。
「逃げるんだ?へぇ」
「ひっ」
ゆきなりの目が変だ。目の色はいつもと同じなのに、光って見える。
「そのままにしてろ、ずっっと」
「い、いや……いや…いい…いやだ!」
ヤバイ。言うことを聞きそうになってしまった…
「はあ、まああいいや、君がそれでいいならね」
すると、ゆきなりはナイフを取り出した。
「ゆ、ゆきなり………?そ、それ…」
「あー、安心して、ビックリナイフ」
良かった、ビックリナイフかぁ!じゃねぇよ!お前、野球部だろ!と思った。
「うーん、ちょっと腕貸して」
「え?」
すると、ゆきなりがビックリナイフで俺の腕を切ろうとしてきた。
「いっつ!?」
俺の腕から血が流れてきた。本当に痛かった。まるでハサミで腕が切られたみたいだ。
「あ、断ち切れなかったか」
「いっ、は?」
俺は耳を疑った。あのビックリナイフで俺の腕を切ろうとしていたのだ。
「ゆきなり……やっぱり様子がおかしい…!」
「そうかな?俺はいつもと同じだよ?」
明らかに精神がおかしい。ゆきなりは自分のために人を傷つける人間じゃない。そういう人間だ。
それなのに、最近は自分の事しか考えてないぐらい自己中心的だ。
「ゆきなり……」
「………っ!ごめん!」
俺の涙目を見たゆきなりは謝ってきた。
「今回の分慰謝料は払う!今日中に!」
急にゆきなりが謝ってきた。
「べ、別に大丈夫だし、小学校の時にされてたいじめよりまだ辛くない」
「………えと、ガチで小学校の時はごめん、俺が幼稚だった」
小学校の時、俺はとってもヤバイ虐めを受けていた。もちろん、ゆきなりが主犯だ。だけど、先生にはバレず、生徒にはバレていた。でも、味方は『2人』いた。
…2人…?おかしい。味方は1人しかいないはず…
「………とりあえず、教室に戻ろっか」
「あ、うん」
とりあえず、俺たちは教室に戻ることにした。
給食の時間
今日の給食は美味しくなかった。何だかね、いやだった。
そこで、ある一つの事を思い出した。
さっきのゆきなりの目、俺が《小学生の頃になっていた》のと同じだった。
俺の場合、その時制御ができなかった。
俺の場合、誰にも見られなくなった。存在が気づかれなかった。そのせいで独りぼっちのままで虐められなかったけど、辛かった。
その時の目の色、濃い黄緑色に光ってたような気がする。
そして、独りぼっちを助けてくれたあや。
あやの目も、同じように光っていた。あやの目は赤とピンクを足して黒も少し足した感じだった。
これは何か関係があるのだろうか?
まあ、もしかしたら関係ないけど。
「ごちそうさまでした」
放課後
俺はずっと一人で帰っていた。俺は部活をやっていない訳じゃないが、無い日もあるんだ。
………ただ本当にそれが言いたいだけ。うん。
家
俺は一人で勉強してた。国語だ。俺はあんまり国語が得意じゃないんだ。
すると、
《りょーた!りょーた!》
という謎の声が聞こえた。
「だ、誰!?」
俺はその声に反応した。
《ちょ、覚えてないの?心外だなぁ……》
知らないもんは知らないんだって…………名前を聞けば分かるかもだけど。
《まあいいや!りょーた!私の言うこと聞いて!》
「いや、名前は!?」
名前を言われなかった。
《えー、秘密!》
……秘密にされた。
「………まあいいや、それで?」
俺は一応続けた。
《りょーたってまだ虐められてるでしょ?だったら私と協力しない?》
「………協力って?」
俺は少し嫌な予感がしながら返事を待った。
《………ゆきなりを復讐しよう》
「…………は?」
俺は一回固まった。俺が?ゆきなりを?できるわけない。
《大丈夫!りょーたは数学の頭だけいいし!》
「なっ!?」
何なんだこの子!?俺の事を知っている!?
そして、一つ、俺の頭に考えが浮かんだ。
これ、あやなのか?
いや、あやだったならメールしてくれるし、仮に他の人だったとしても、それって俺のストーカー?ないない。
結局、考えは削除された。
《……関係ないこと考えてるんだろうけど、まあいいや、りょーた、これは自分の身を守るために今言ってるの、別に復讐したくなかったらしなくてもいい》
「………今はいいかな」
《え?》
俺は復讐をまだしないことにした。
《え、いいの?》
「うん、別に急ぐことじゃないし」
俺は冷静に言った。
《………そっか、りょーたがそれでいいならほれでいいよ》
その子は了承してくれた。
「あ、それより、君は」
すると、急に眠気が襲ってきた。
今日の日記
『ゆきなりが最近怖い。
次は何される?やられるまえにやらなきゃ。
絶対に□□□□□□ 』
第4話、おわり!
いやぁ、投稿速度遅れたわー
……あのね、物語を構成してたら少し遅れた…
ま、まあ、次からは速度あげてくぜ
コメント
1件
七海 のあ…12歳。よくクラスの皆にいじられる。モブ(え)